今回はバルセロナ対オサスナなのですが、なぜこの試合かといいますと、基本的にはロナウジーニョの置き場所に興味があったからであります。
ミランに敗れるまでは、より正確に言えば、その前のカタルーニャダービーの前半まではロナウジーニョはセンターフォワードの位置に置かれてきた。
これの遠い要因になっているのは、1−1で引き分けた3節のアトレティコ戦であり、左サイドでサッパリ戻らないロナウジーニョがベラスコをフリーにして守備全体がぐちゃぐちゃになった。
それを反省して、次の試合からは彼をセンターに置いてなんとなく凌いできたのだが、ここにきてまた左サイドに戻した。
しかしながら、いきなり彼の性格が変わって守備熱心な働きものになるわけではなく、実際エスパニョール戦の後半ではイバーラ、ミラン戦ではカフーをフリーにして散々な目にあっている。
こういった事情から流石にこの日はまた中央に戻るだろう、と予想していたが、それは見事に裏切られた。しかしながら、この日なんとなく上手くいったのは、オサスナの右サイドバックのイスキエルドが上がってなんぼの選手ではなかっただけで、本質的には何が改善されたわけでもない。
それに、この試合の前半と後半を比べれば明らかだが、ロナウジーニョはサイドに張り付くよりも、中央に入って鬼の活躍を見せる。
先制点につながったエトーへのパスは確かにサイドから出しているが、あれは彼の能力のほんの一部を用いただけであり、その全てを出し切るにはより中央に置いた方がいい。
去年を思い出すとロナウジーニョは確かに左にいた。そして、この日の後半と同じように、サイドから中央に動いてフリーになり、右から現れるシャビと組むことで抜群の働きを見せていた。
しかし、今年のシステムで同じことをやり続けると絶対に守備がもたない。
去年はロナウジーニョが漏らす敵の右サイドバックをダビッツが1.5人分走ることでカバーしていたが、今シーズン、ブラジル人の裏をカバーするのはシャビである。
シャビにダビッツと同じ働きができるか、といえば、それは難しい。
おまけに去年、中央右寄り前方にいたシャビは現在、中央左前方に位置を代えている。つまりロナウジーニョが中に入ると生息範囲が被ってしまい、互いのスペースを奪い合ってしまう。
バルサのシステムを数字で表すと、去年も今年も1−4−3−3系のシステムだが、その中身は全く異なっている。
クラック(天才)を中央におくとラインの裏への飛び出しと敵センターバックへのプレッシャーに問題が生じ、ライン際に置くと敵サイドバックへのマークに問題が生じる。
このどうにもならない問題は、今後ともバルサを悩ませつづけるだろう。
意味のない比較かもしれないが、ロナウジーニョの才能をいかす、という視点だけからすれば、去年のシステムの方が優れていた。
一方の気合系の国オサスナ。
前半終了間際、立て続けに二点を失うまでは実に良く闘っていた。
特に前半は、綺麗に形作られたラインからの激しいディフェンスは十分にバルセロナの攻撃を封じ込めた。
この日は攻撃の起点となるパブロ・ガルシアを欠き、前線にミロセビッチを欠く苦しい布陣だったが、チームとしての機能に衰えは感じさせなかった。
特徴的な変更としてはバルドを右サイドから中央、トップ下のような位置に動かした点が挙げられる。前節では素晴らしいゴールを決めていたが、この試合ではさしたる活躍を見せなかった。
最後に、個人的な感想で申し訳ないのですが、バルドもすっかりオサスナの選手であるイメージが強くなった、ような気がしてなりません。
その昔、まだチャマルティンにマドリーの練習場があったころ、よくトレーニングを見に行き、練習から上がってくるバルドを目撃したものでした。特に、ネット一杯のボールを抱えたまま、子供にサインをしてあげていた姿が強く印象に残っておりまして、それが残っているもんだから、いつまでも赤いユニフォームには違和感があったのですが。
時も流れたもんだなぁと。
彼の今後の活躍を祈りつつ、また来週。