Betis vs Malaga
04.10.31.domingo
日時:第8節 2004年10月31日(日)
対戦:ベティス vs マラガ
結果:1−1
得点:1−0 4分 オリベイラ
1−1 43分 ヘラルド
審判:ハビエル・モレノ・デルガド
退場:セラ・フェレール(15分、ベティス、赤紙)
ロメロ(56分、マラガ、黄紙二枚)
オリベイラ(90+1分、ベティス、赤紙)
警告:カニャス、フアニート、パブロ・ニーニョ(ベティス)
ドゥダ、ヘラルド、フアン・ロドリゲス、ワンチョペ(マラガ)

本日はリーガ開始直後一瞬だけ上位に顔を出し、最近順位を下げてきたマラガと最近6試合負けていないベティスについて。

まず、マラガの面々は、キーパーにカラタジュー(日本名カラタイド)、ディフェンスは右から、ヘラルド、リトス、フアニート、バルカルセ。中盤も右から、マヌー、ロメロ、ミゲル・アンヘル、ドゥダ。トップ下にアモローゾ、トップにワンチョペを置いた1−4−4−1−1。
チームの特徴はフィールド中に溢れる思いっきりのよさ。
攻めるにしても守るにしても全く迷いがない。

例えば、攻撃で言うならば、通常、サイドからセンタリングを上げる時は、中央の選手がエリア内に入り込んでいるかどうか、どのコースを走っているか、疑問が湧くものであり、そのため一瞬だが逡巡するものである。しかし、マラガの各選手は「上げれば誰かが必ず走り込んでくる」という確信の元、ためらいもなくクロスを上げる。
トップ、もしくはトップ下にボールを当てる場合も、「このコースに入れときゃ絶対なんとかすんだろ」という信念のもと、ボールを失う恐怖など感じさせずにパスを送り込む。
守備面でも同様で、例えばディフェンスラインの前で相手がボールを持ち、前を向いたとする。その時の対処法は、

1 一人がボールに詰め、相手の飛び出しを見ながらラインを上げる
2 ライン全員で一斉にボールに襲いかかる
3 ラインを揃えて下げながらボランチの下がりを待つ

のいずれかだと思われる。
マラガの場合は3が基本になっており、全員が迷うことなくそれを選択する。
ほぼ毎日練習しているプロがそのような行動を取るのは当たり前のような気もするが、このような簡単な行動でもチームによって完成度に差がある。

もう一つ、マラガの顕著な特徴として、ボール保持者に対して恒常的に行われるサポートの厚さが挙げられる。
例えばサイドで敵二人に囲まれた場合、ライン際前方、中央、後ろ、それぞれのパスを受ける人間が素早くあらわれる。そしてこれはフィールド上、どの位置においても正確に行われる。
マラガの調子のいい時間帯には、サイドを抜けてのセンタリングが多く上がるが、それはこの厚いフォローに支えられている。

一方でこれがマラガの弱点にもなっている。
常にサポートを行わなければならない、というのは、一人で状況を改善する選手がいない、特に中盤にそのような選手が欠けている為でもある。
例えば、この試合のベティスで言えば、ホアキンを他の選手たちがどんどん走ってフォローするか、というとそうでもない。
ホアキンは放っておいても突破するのだから、残りの人間はポジションだけをしっかり取って、後はホアキンのプレーの結果によって行動を決定すればよい。
そして、こちらの方が体力的な負担は遥かに軽い。

それに比べて、常に味方を助けるべく走り回るマラガの選手は基本的に無理を強いられている。特にサイドのドゥダ、マヌー、ボランチのミゲル・アンヘル、サイドバックのバルカルセ、ヘラルド、彼等にとって非常に厳しい状況になっている。
この試合、前半の半ば過ぎから後半途中まではマラガのペースだったが、その後、完全にベティスが試合の主導権を握った。
その一つの原因は、マヌーの辛そうな表情に表れていると考えられる。

今後のマラガは、いかにピッチ上で選手を休ませ、交代を有効に使うか、とういう点が鍵になる。
選手を休ませるためには、サイドでボールをキープして時間を稼ぐのが最も手っ取り早いので、左サイドにアモローゾを置き、中央にエドガーかドゥッダを置いてボランチを助けるオプションは有効だと考えられる。

マラガの選手の特徴を列挙すると、

カラタジュー(GK)
シュートに動きをあわせる技術も高く、空中戦にも強い、おまけに、長く正確なキックを蹴り、飛び出す判断も良い。
特にハイボールに対する目測が正確で、どんなに相手に邪魔されようとも最も高い位置でボールに触れる。マラガ生え抜き。

ヘラルド(右SB)
オサスナに居そうな気合い系。最近右サイドバックでの起用が多いが、元々中盤のサイドやボランチを務めていただけにボールを扱う技術は高く、フリーキックも強力。

リトス(右CB)
喧嘩大好き。相手がちょっとでも不遜なファールを犯そうものなら瞬間で脅しに入る。頑丈な体を生かし、競り合い、空中戦に強いが、多少走るバランスが悪い。

フアニート(左CB)
24歳の若者、たまに「おいおい、そりゃあかんで」と思わせる後ろからの削りを見せる。詳細データは取得中。

バルカルセ(左SB)
鬼の粘りを見せるキャプテン。どんなに振り切られても最後までついていき、一杯に足を伸ばす。縦に突破をする技術はないが、惜しみなく走り味方を助ける。

マヌー(右MF)
寄せてくる相手の裏を取るドリブルが上手い、が、その後ボールを長く出しすぎて折角の突破を無駄にすることも。労力を惜しまず、守備への戻りも熱心であり、マンサノが好むタイプ。

ロメロ(DM)
いわゆる守備的中盤。ファールを辞さない激しい守備が売りだが、あまりにも露骨なため、大体2試合に1枚の割合でイエローを頂戴する。

ミゲル・アンヘル(DM)
自分で動いて人と人の間をつなぐボランチ。現在はアモローゾが引く関係で前に出る場面が多いが、トップ下として働くのは少々難しい。密かにフリーキックも蹴る。

ドゥダ(左MF)
左足を一振りすれば素晴らしいクロスが飛んでいく。これでサイドを縦に抜ける力があれば言うことなし。マラガにおいては絶対的なフリーキッカーだが、直接決めた場面は存外少ない。ポルトガル人。

アモローソ(FW)
ルシェンブルゴ時代のセレソンで大いなる活躍を見せた選手。ベルディ川崎に居たことでも有名。まったくブレのない美しいフォームで走り、トップスピードで見せる正確なボール扱いが特徴の選手だったが、現在は落ち着いてボールを捌くことを信条としている。中央でボランチの位置まで下がるなら、どちらかのサイドで浮いてパスを受ける役割をやって欲しい、と思う。

ワンチョペ(FW)
偉そうなフォワード。
まずちょっと後ろにそっくりかえた基本姿勢が偉そう。次に相手が何を言おうと、審判がどんな台詞を吐こうと一切表情、態度を変えないところが偉そう。そしてゴール前でボールがこぼれようがペナルティーエリア内でドリブルをミスろうが、一切慌てずにルーズボールに反応する姿が偉そう。
決して自分以外のペースに巻き込まれないその姿勢は極めてフォワード向き。
皆が慌てるエリア内で一人だけ散歩をしているその風情、他の人間には醸し出せない。

レコ(DM)
格闘技ファン以外には一瞬どこの国の人かわからない名前だが、クロアチア人。基本的にボランチでの攻めのオプションとして使われて来た。その攻撃における貢献と守備におけるマイナスのトータルを取ると非常に微妙な収支になる選手。


以上、ではありますが、マラガの魅力である迷いのなさ、思いっきりの良さは、マンサノの物事を把握し整理する能力の高さを反映していると思われます。


一方のベティス。
スペースがないので簡単に。
基本的にスペインらしい構成で、1−4−2−3−1。
右サイドはホアキンに任せ、左サイドは開くオリベイラとフェルナンドのコンビで突破し、その両者をエドゥがつなぐ。
中盤の底のイトを失った関係でカニャスがレギュラーだが、彼にゲームをつくる能力か前線に絡んで点を決める能力があればもっとスペインらしいチームになる。その相方はベンハミンが務めるが、彼のユニフォームの背中は「ベンハミン」ではなく「ベンジー」となっている。小話のコーナーにもあるように、日本の「キャプテン翼」のスペイン名は「オリベルとベンジー」であり、オリベルは翼君、ベンジーは若林君を指す。ということは、ベンハミンはスーパー・グレート・ゴールデン・ボランチを目指しているのかもしれない。
守備ラインは、右から、バレーラ、フアニート、リバス、ワシントン・タイス。この中でもリバスは昨シーズンに比べて格段によくなっており、その活躍がベティスを支えている。
この日のキーパーはドブラス。コントレラス、プラッツというレギュラーを争う二人が揃って怪我、彼に出番が回ってきた。緊張の為か、ポジショニングミスやキックミスが多く見られたが、なんとか一試合を乗り切った。
現在は、前の四人(オリベイラ、エドゥ、フェルナンド、ホアキン)を後ろの7人が支える、という構成になっているので、前線に故障者が出たときの対処が鍵かと。

その意味では、意味不明に相手ディフェンスに突っ込みレッドカードを受けたオリベイラが欠場する次節、アルバセーテ戦は見ものかと。

今回は多少長くなりましたが、また来週。

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