セビージャの攻撃と言えばカウンターとサイドのヘスス・ナバス、そしてロングボールの放り込みが思い浮かぶ。
ならば、どうにかしてデータでそれを証明できないものか、というのが今回の企画であります。
そのために有効な方法といえば、マドリー対ビジャレアルで行ったようにパスの軌道を集めればよろしいのですが、それでは二番煎じになってしまうので、今回は敵陣でプレーが切れた地点を集めて何かがわからないかやってみようかと。
「プレーが切れた地点」とは曖昧な言葉ですが、
・相手にボールを奪われた点
・相手のファールで攻撃が切れた点
・ラインを割るシュート、ラストパスが放たれた点
を主に指すことにして、フリーキック、スローイン、コーナーキックからのボールは考えに入れないこととする。
そのような点を集めた結果が、図1に記されてます。
これは、前半のベティス陣内におけるセビージャの攻撃が切れた地点を表しています。
丸はハイボール(浮き球)で送られたパス、ペケはゴロで送られたパスが切れたことを示しています。
これだけでは何のことやら今一つ良くわからない。
ならば、セビージャと逆の特徴を持つチーム、すなわち、ボールを細かくつないで攻めるチームの同じ図と比較してみればよいのではないか、ということで、リーガで一番パスをつなぐであろうバルセロナにご登場いただくことにして、図2などを用意してみました。
これは、デポル対バルセロナの試合において前半にバルサの攻撃が切れた点を示しています。
なぜこの試合かといえば、
・セビージャがアウェイなので、バルサもアウェイでないと困る
・その条件に合うビデオがたまたまこの試合だった
ということです。
この二つの図を比べてみると、その違いがよくわかる。
セビージャ側は、ペナルティーエリアの縁、中央付近にハイボールによる丸が集中しており、バルセロナはペナルティーアーク手前とペナルティーエリア右にゴロパスによるペケ印が集中している。
これは、セビージャがバプティスタ、ダリオ・シウバへのハイボールで相手ディフェンスラインを直接に攻めていることを表し、逆に、バルセロナは相手ディフェンスラインの一つ手前、ボランチの裏を良く狙っている、と読み取ることができる。
また、バルサ側では、ゴールに近い位置で、ペケ印が右サイドに集中している、というのは、主にジュリーが攻撃の深さを与えるために縦に走り、ロナウジーニョは左サイドから中央に入ってゲームを動かす、というバルサの役割分担を反映していると考えられる。
また、セビージャの図では、センターサークル右(セビージャから見て)に印が見られるが、これは、その地点でボールをつなごうとした後だと考えられる。
セビージャは、ディフェンスラインからどんどんロングボールを蹴っていくようなイメージがあるが、自陣の深い位置から放り込むことはあまりなく、センターライン付近までは細かくボールをつなぎ、相手陣に近づいた後にロングボールを上げる。
そう言われてみれば、セビージャのサッカーはダイレクトだと言われるが、一昔前のイタリアのような印象はない。
それは、自陣である程度つなぐことが影響してと考えられる。
それを確かめるためにセビージャのボールの動きを眺めていると、意外と自陣で無理につなごうとしてボールを失う回数が多い。
これは、セビージャ対策をたてる際に大きな意味を持つ。
つまり、相手陣でボールを失った後は、一気に引いて守りを固めるよりも、セビージャ陣でボールを取るように守る方が有効であると考えられる。
しかし、カパロスもそのことは重々承知のようで、センターバックのセルヒオ・ラモス、ダビー・プリエトは、自分たちがボールを持った時、大きく開いてパスを受けるよりも、ボールの後ろに固まって万が一の守備に備えている。
この辺りにも監督の性格がよくあらわれている。
このような図は、試合の対策を練るためにわりと有効で、例えば、バルサの図を見ると、彼らを相手にして右サイドバックに守備でのカバーはヘタだが攻撃に力を発揮する選手を置くことがほとんど自殺行為であることなどがわかる。
二つの図から何かを悟られた場合は、ご連絡いただければ幸いです。