試合を簡単にまとめると、10分にジュリーのゴールでバルセロナが先制してどっちつかずの流れが続いた後、52分にマルケスが退場してから、試合は一気にデポルペースとなった。
マルケスのバレロンに対するファールは、当たるのをやめようとして足を滑らせた挙げ句のものだったが、ルビーノス・ペレスは情状を酌量せず、無表情にカードを提示した。
その後のバルセロナの交代としては、まず、エトーを左サイド、ジュリーを右サイドに下げ、ロナウジーニョを前に残してシステムを1−4−4−1に変更した。
その3分後には、ジュリーに代えてジェラールを投入し、ジェラールを下がり目のボランチに置き、その少し前にデコ、右にシャビを置いて、左にエトーを置いた。
この配置を見ると、シャビとデコを比較して、デコをよりボールに触る機会の多い中央に置いている。
ここで、一点負けているデポルのハボ・イルレタは、セルヒオに代えてフランを投入した。
配置は、マウロを中盤の軸として、そのやや左前にフラン、そのさらに右前にバレロンが位置している。
これは、一人少なくなった相手に対して、中盤の引いた位置からフランにゲームを組み立てさせるためであると考えられる。
オプションとしては、フランを左に置き、ルケをフォワードに上げるプランも考えられるが、イルレタは、あくまでもルケを左サイドでプレーさせた。
これは、フォワードを増やすよりも、組み立てを優先させる方が安全に得点をあげる確立が高い、という判断に基づいていると考えられる。
その後も得点は動かず、64分にはビクトルに代わりムニティスが登場した。
左利きのムニティスではあるが、最近は右サイドで起用される場面が多く、この日もそこでプレーした。
デポルの攻撃を眺めてみると、前半は右のビクトル、スカローニのクロスからいくつかのチャンスをつくりだしていたが、後半は完全に左サイドに攻撃が偏っていた。
そして、それを改善するためにムニティスを出さざるを得なかった。これはデポルのベンチに右サイドでプレーできる選手が少ないためであり、チーム構成上の問題を反映している。
68分に、ライカールトはロナウジーニョ下げてイニエスタを入れた。
まずここでは、
「なぜロナウジーニョを最初に下げなかったのか」
という疑問が浮かぶ。
まず、ロナウジーニョはワントップとしてプレーできる選手ではない。
その役割ならば、エトーやジュリーの方が優れている。
ワントップでありながら前線での孤独に耐えられず、ずるずると下がってはカウンターの芽を摘んでしまうロナウジーニョの姿を見るにつけて、ジュリーをトップに置き、エトーを左に置きたい衝動にかられる。
なぜジーニョの交代を遅らせたか、という疑問については、単純に彼の一発芸に期待したのか、心理的な側面を重視したのか、いずれかはわからない。
そして、試合終了も近づいた71分、どうしても一点を取って同点に追いつきたい状況で、イルレタはマウロ・シウバをドゥッシェル代えた。
普通のチームならば、ディフェンスを一枚削ってフォワードを投入する時間帯に近いのだが、デポルのベンチを眺めてみると、キーパーの控えのダニ・マジョ、センターバックのパブロ・アモ、サイドバックのマヌエル・パブロ、カプデビラしか残っていない。
ここにもデポルティーボの抱える問題があらわれている。
こうなると、攻め手を強めるためには、コロチーニ辺りを最前線に上げてロングボールを蹴りこむ、という技も考えられるが、イルレタはそれをしなかった。
この試合最後の交代は、94分に行われた。
エトーとマキシ・ロペスの交代がそれだが、80分の段階でエトーは完全にスタミナが切れていた。
普通は、もう少し早い段階でマキシを送り込んで、前線でのボールキープ率を高めて少しでも時間を稼ごうと考える。
逆に、交代を遅らせるメリットとしては、
・怪我人が出ても対応できる
・ロスタイムに行えばより時間が稼げる
というものがある。
理屈ではそうであるが、終了間際のデポルの猛攻を見ると、動いて状況を改善したくなるのが人情というものだと思われる。
そこを堪えたところにライカールトの性格を垣間見ることもできる。
この試合に勝利して、また一歩優勝へと近づいたバルサ。
優勝争いはこのまま盛り上がることなく終わってしまうのでしょうか。