Deportivo vs Malaga
05.03.06.domingo
日時:第27節 2005年3月6日(日)
対戦:デポル vs マラガ
結果:1−0
得点:1−0 45+1分 トリスタン(PK)
審判:カルロス・ベラスコ・カルバージョ(マドリー)
退場:セサル・ナバス(マラガ、88分、黄色二枚)
警告:ロメロ、バレロン、ビクトル、ドゥシェル(デポル)
セサル・ナバス(マラガ)

マラガはタピアの就任以来、一度しか負けたことがなく、最近は四連勝中。
一方のデポルは、レアル・マドリーを倒して波に乗るかと思ったら、ヘタッフェと引き分けて9位から動かず。
もしマラガが勝利を収めれば、順位が逆転する予定になっていた。

グレゴリオ・マンサノからチームを受け継ぎ、あっというまに降格圏から脱したタピアのチームの特徴はトップ下の選択にある。

マンサノは、ワンチョペを最前線に起き、その後ろにアモローソを置く布陣を好んだが、タピアは就任当初は、下部組織出身のフアン・ロドリゲスを使い、最近はミゲル・アンヘルを常用している。

ミゲル・アンヘルの本職はボランチであり、体の強さをいかした守備とミドルシュートを特徴としている。1−6で大勝したオサスナ戦では見事なスルーパスを披露していたが、根本的には守備側の選手である。

その彼をトップ下に置いた現在のマラガは、前線からの守備を強調した布陣になっており、実際にそれを武器として戦っている。

この為、フォワードにはボールを追い回す機動力が求められ、これがためにアモローソとワンチョペはベンチを暖め、その任務に適したバイアーノが先発の座を掴んでいる。

このバイアーノという、日本人格闘家のような顔を持った選手は、機動性はもとより、ドリブル、ボールキープにも優れており、さらには、マークを外してボールを受ける動きが上手い。
これでシュートが上手ければいうことがないのだが、そのデータはまだ得られていない。

マラガの後陣に注目すると、まず、センターバックであったフアニートがボランチを務め、センターバックは、マンサノに用いられていなかったフェルナンド・サンス、ゴールキーパーは、カラタジューにその座を奪われていたアルナウが起用されている。

まずフアニートだが、肉体的に強い上に、細かい技にも長けている。
例えば、良いボランチであるためには、攻撃の方向を変える技術というのが必須である。 その技術の一つのパターンは、右足でボールを持ち、右方向に向いている状態で、サイドにボパスを出すフェイントからボールを踏み、軸足の裏を通してボールをスクリーンしながら左方向に向き直る、というものだが、フアニートは実に滑らかにそれをこなす。

フェルナンド・サンスは、レアル・マドリーの前会長、ロレンソ・サンスの息子として有名だが、マラガではキャプテンを務め、ここ3年は年間30試合近くに出場する選手だった。
マンサノには重用されず不遇の日々が続いたが、タピアは彼をレギュラーに戻した。

バルサでレギュラーキーパーだった経歴を持つアルナウもまた、若いカラタジューにその座を奪われていたが、タピアの就任を機に先発へと復帰した。

現在のマラガは、前線に機動力に優れた選手を、ボランチに相手を潰す能力の高い選手を配置し、センターバックとキーパーにベテランを復活させた構成になっている。

これは、タピアが、チーム建て直しのために、「守備の安定」と「心理的な平静さの獲得」を根本に据えた結果だと考えられる。

攻撃面を眺めていると、マラガのそれは、前方に当ててサイドに展開、もしくは、前方に当てて戻してサイドに展開、早い段階でセンタリングを上げることで成り立っている。

そして、主に左サイドからのクロスでチャンスを迎えており、ドゥダが上げるボールに対しては、バイアーノ、ミゲル・アンヘル、フアン・ロドリゲスの三人がゴール前に詰めている。

これは、当然のことながら、意図的に行われている。
普通、左サイド縦方向に展開されたボールに対しては、敵の右サイドバックが応対に来る。
この攻撃が素早く行われたとして、相手が4バックならば、この段階で中央には3人しか残っていない。
よって、左中盤のドゥダが早い段階でセンタリングを上げ、そこに3人が詰めていれば理論的には、攻撃と守備が同数であり、攻撃側に有利である。
もちろん、これを達成するためには、ミゲル・アンヘルとフアン・ロドリゲスは、相手中盤を追い抜くために、徹底的に走らなければならないが、彼らは忠実に任務をこなしている。

マラガの攻撃は、セットアップオフェンスに近く、タネが割れてしまえば、簡単に対応されてしまう。そして、一部の選手に過剰な負担がかかっている。

デポルティーボの最後の交代、つまり、ドゥシェルがバレロンの代わりにトップ下へと入った後の図に注目してみると、チーム設計的に、マラガの先発と非常に似通っている。

逆に、マラガの最後の配置図は、設計思想としては、デポルの先発メンバーとの共通点が多い。

そして、マラガの最後の配置図は、マンサノのマラガが目指していた姿でもある。

選手の質とチーム設計の関係を思うときに、マンサノとタピアの採用した方法論の差異は、非常に面白いのではないでしょうか。

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