レアル・マドリーではグラベセンがデビューし、ビジャレアルのリケルメが大爆発して4点を取った今日この頃、皆様いかがおすごしでしょうか。
本日は、ヘタッフェ対アトレティコのマドリーダービーをお届けしようかと。
まずこの試合の大まかな流れとしては、1点をリードされた挙げ句に10人になったがヘタッフェが勇戦奮起し、1−1の引き分けに持ち込んだ、というものでありました。
アトレティコを迎えるにあたり、ヘタッフェ側の対応としては、まず、
どうやってサイドのイバガサとグロンキャールを止めるか
というのが焦点であったろうと思われます。
アトレティコの攻撃というのは、センターバックとボランチにゲームを組み立てる能力がないために、中盤サイドのグロンキャール、イバガサの個人技がトリガー(攻撃の開始点)となっている。
先週の大きなマドリーダービーを見てもそのことは明らかでありまして、イバガサが右から中央へのドリブル、パス、グロンキャールへの縦突破が主武装になっていた。
ヘタッフェ側としては、それを防がねばならんわけですが、この日の対応は、1−4−4−2で相手ディフェンスラインとボランチにプレッシャーをかけ、サイドバックを上の二人に近づけることでスペースを与えない、という教科書的なもので、実にうまく機能していた。
ここで面白いのは、ジカ・クライオベアヌの扱いで、大きな体で抜群のテクニックを持つが機動力と持久力にかける彼を前線に置くと相手ディフェンスへのプレッシャーが甘くなる。よって、約一ヶ月前までは、ジョルディ、パチョン、リキ、ミチェル・セグンドといったところを先発させて前半から後半の途中までは守備を重視し、その時々の得点状況でジカ投入のタイミングを計る、というやりかたで戦ってきた。
しかしながら、その方法では先制点をあげる可能性が低く、常に受け身の戦いを強いられるため、最近は最大の攻め駒であるクライオベアヌを試合開始から登場させるようになった。
彼はこの試合でも最初から登場しておったのですが、その守備における働きは、見ていると涙がにじんでくるほどのものでありました。
前半からミチェル・セグンドと協調して相手ディフェンスへのプレッシャーを担当するのはもちろんのこと、前半終了間際にプリードが退場になった後は、ディエゴ・リバスを助けるために必死でボランチの横にまで戻っていた。
キケ・サンチェス・フローレスは、人数が少なくなった後半開始からパチョンを投入したが、その意図は、コテーロを右サイドバックに下げ、パチョンを右の中盤、ジカをトップに据えた、1−4−4−1であったろう、と想像される。
しかし、現実には、パチョンが右前方に残り、少なくなった中盤を助けるためにクライオベアヌがその位置を下げていた。
この非対称な配置がアトレティコの守備組織を混乱させるもとになっていたが、それを支えるために36歳のクライオベアヌが走り回っていた。
話がわき道に逸れましたが、そのジカの働きもあって、ヘタッフェの守備はうまく機能しており、アトレティコのサイドの働きを最小限に封じ込めていた。
確かに、イバガサがサイドから絶妙のロングパスを放ったり、グロンキャールがドリブルからプリードを退場に追い込んだり、とサイドをやられたようにも見えるのですが、イバガサが低い位置からパスを放たなければならなかった事実と、ボールをグロンキャールが前よりも後ろに走る場面の方が多かったことを考え合わせると、ヘタッフェの狙いは十分に達成されていたのではなかろうかと。
この試合をヘッタフェの攻撃面から見ると、ゲームを組み立てるべきアトレティコから出向中のガビが欠けていた。
クライオベアヌに入る前の段階でボールを失うことの多かったヘタッフェの中盤に彼がいれば、試合はもっと面白くなったのであろうと想像されます。
ついでに、さらに想像をふっくらませれば、ヘタッフェにオーウェン型のラインの裏に抜けるフォワードがいれば、ほぼ完璧な構成になるのではなかろうかと。
フォワード陣を見渡してみると、レアル・マドリーBでセンターフォワードとしてプレーしていたリキはテクニックに優れて絶妙のドリブルを見せるが縦へのスピードは欠ける。ジョルディは当たりに強く、相手を背負ってのボールキープに優れるが縦へ抜ける技術はさほどでもない。ミチェル・セグンドはがつがつ相手に当たっていくのが得意芸でラインの裏へ出るのは得意ではない。そして、クライオベアヌは、当然、スピードには欠けている。
こうなると、スピードという点ではパチョンだけが便りだが、彼もラインの間に浮いてボールをもらうのを好み、さらには一試合にまとめて点を取ってはしばらく休む、という監督としてはありがたくない特性を持っている。
点を一つ加えれば、キケ・サンチェス・フローレスの設計は完成するのにもったいない、と思うのですが。
はて。