Real Madrid vs betis
05.03.02.miercores
日時:第26節 2005年3月2日(水)
対戦:マドリー vs ベティス
結果:3−1
得点:1−0 10分 オーウェン
2−0 40分 ロベルト・カルロス
2−1 59分 エドゥ
3−1 61分 エルゲラ
審判:エドゥアルド・イットゥラルデ・ゴンサレス(バスク)
警告:ラウル・ブラボ(マドリー)
−(ベティス)

まずは、3日前のバレンシア戦におけるベティスと、この試合の先発メンバーを比べると、4人が入れ替わり、加えて、微妙にシステムが変化している。

まず、フアニートとベンジーは、出場停止のリバス、アッスンソンの穴埋めのために出場している。

次に、右サイドバックに入ったバレーラは、バレンシア戦で満足な働きのできなかったセンターバックのレンボの代わりであり、前の試合で右サイドバックを務めたメジがセンターに入っている。

最後に、左サイドの引き気味の中盤としては、カニャスではなくパブロ・ニーニョが置かれている。

現在のベティスは、三人ボランチに近い形をとることで、右サイドのホアキンを高い位置に保ち、それにエドゥとオリベイラを絡めることで攻撃の核としている。

このため、左サイドの中盤には、前に出ての働きよりも、守備ラインの前を押さえる働きが要求される。

カニャスをその位置に置けば、確かに引いた位置での働きは十分なのだが、サイドでのボールキープ率が極端に下がる。

ボールがある時とない時のプラスマイナスを合計した場合に収支がよろしくない、ということから、この日は左利きでボールキープに優れるパブロ・ニーニョが先発したのだろう。

ベティスの長所は、前線の三人破壊力にある。

その一方で、攻撃における最大の短所は、サイドを広く使いたがるわりには、中盤の引いた位置から正確なミドル、ロングパスを出す選手がいないことである。

このことは前にも書いたかもしれませんが、ボランチのベンジー、アッスンソン、カニャス、アルス、誰が出てきてもサイドに開くパスの精度は非常に粗い。

この日もベンジー、アルスが、何度も、サイドライン際に開いた選手へのパスを試みていたが、すべて長すぎてラインを割るか、短すぎて敵にカットされるかのどちらかだった。

このことを考え合わせると、ベティスの長所は短所によって足を引っ張られていることになる。

サイドに開いたオリベイラ、エドゥ、ホアキンへのサイドチェンジが決まり、サイドバックとの一対一になる場面が増えれば、この三人による攻撃の破壊力はより大きくなる。
しかしながら、それを可能とする選手がいないために攻撃陣の才能を100%引き出すことができない。

この歯痒い関係が改善されれば、ベティスはより順位を上げるものと期待される。

試合内容はというと、10分に、ソラーリが左サイド、ゴールライン手前からのセンタリングを上げ、ニアサイドに走り込んだオーウェンは、後ろへ流すコントロール一発で背中に張り付いたセンターバックの裏を取ってゴールを決めた。

これにより、レアル・マドリーはお得意のカウンターモードに入り、問題なく試合を進めることができた。

マドリーの2点目は、40分にバックパスをキーパーがキャッチしたとして、キーパーエリア(ゴール前の小さい四角)のやや外側で宣告された間接フリーキックをロベルト・カルロスが決めた。
そのシュートスピードは141kmという破壊的なものだったらしいが、あの場面では様々におかしな出来事が起きていた。

まず、間接フリーキックを与えたのは審判の誤審だった。

ディフェンスラインの裏に出たロナウドを追いかけたベティスの選手(おそらくルイス・フェルナンデス)は、走ってきた勢いそのままにロナウドの足の間にあるボールに触れていた。
あの状況でキーパーの位置を確認して、ロナウドの股を通して正確にパスを送ることが可能だとは思えないし、その意図があったとも思えない。
また、後に確認されたところによると、ボールはロナウドに触れた後に方向を変え、キーパーの手の中に吸い込まれていた。

このフリーキックにおいて、まずはベッカムがボールをプレースしようとした。
そこにフアニートがやっきて、ベッカムが丁寧に置いたボールを蹴り飛ばした。
瞬間的に切れたベッカムは、フアニートの足を蹴りつけるような仕草をした。
しかし、フアニートは動じず、ベッカムに向かってなにかを言った。
ベッカムも言い返すが、一歩後ろに下がり、先に視線を逸らした。

取りあえず、ここまでの段階を喧嘩として捉えるならば、フアニートの勝ちである。

しかし、そこへボールを拾ったフィーゴが現れた。

フィーゴはわざとフアニートの正面へと歩いていく。
二人の体が触れる。
フアニートが「なんだおめぇは」とばかりに軽く押し返す。
フィーゴは左手を振り上げ、「うるせぇ、審判がもっと前だって言ってんだよ」というように歩きつづける。
フアニートは道を譲る。

この喧嘩は、フィーゴの勝ちである。

これから、相手を押さえつける能力、というか、わが道を行く能力というか、そういうもの推し量ってみると、

フィーゴ > フアニート > ベッカム

の順になる。
これを、人の良さ、というファクターに変換すると、

ベッカム > フアニート > フィーゴ

という話になる。

最後に、ロベルト・カルロスのキックに対するドブラスの反応は常識とは異なっていた。

ゴールに非常に近い位置での間接フリーキックにおいては、フィールドプレーヤー全員でゴールライン上に壁をつくる。
キーパーは、壁の前に立ち、最初のボールタッチと同時に前に突っ込み、体のどこかにボールが当たるのを期待する。

というのが一般的な動きだが、ドブラスはゴールライン上から動かず、壁との間を抜かれて失点した。

なぜ前にでなかったのか、疑問はつのる。

このゴールで2−0となった時点で、ほぼマドリーの勝ちであろう、という雰囲気が漂っていたのだが、その後イケル・カシージャスが負傷してしまった。

守備組織、という観点だけからすると、マドリーが一試合一点以下の失点で切り抜けている現状は説明がつかない。

組織で説明できないのならば、個人に説明を求めるしかない。
そして、個人の中でも、カシージャスの存在が鍵になる。

マドリーのぬるい守備組織からパラドンを連発するイケルを抜いた場合に何が起こるのか、というのは、非常に興味のある疑問だったのだがこれまではわずかな検証機会しかなく、その解答は得られていなかった。

カシージャスの怪我の期間は未だに謎ではありますが、長期に渡った場合には、セサルも優秀なゴールキーパーであるとはいえ、疑問を解く絶好の機会ではなかろうかと。

マドリディスタの方々は、早期回復をお祈りであるとは思うのですが。

c60 logo
トップページへ