この所、レアル・マドリード関連の話ばっかりで偏っているのではないか、という意見がスタジオ内でも聞かれる昨今ではありますが、今週もその関係で。
いや、今はそれがパタタ・カリエンテ(熱いじゃがいも)でありますから、時事ネタということでご勘弁願えればと。
左サイドバックにメヒア、左ボランチにセラデスが入った以外は見慣れた面々。
つなぎ監督の鉄則としては、
1 システムをむやみにいじらない
2 クサッていた選手に機会を与える
3 どこかでまったく新しい人間を使う
といったものが挙げられるが、それを確実に踏襲している。
まぁ、ガルシア・レモンがただの「つなぎ」か第二のデル・ボスケになるのかはわからんのではありますが。
この試合の場合クサッていた選手とは、前節カマーチョに外されたラウール、ベッカムがそれにあたり、新しい選手としてはジョタがそれにあたる。
ちなみに、カンテラ出身のトップ下、ジョタは
Jotha と綴る。
普通にカステジャーノ(スペイン語)読みすると、「ホタ」になるはずだが、グラン・カナリア(アフリカの西に浮かぶ島)の出身のため、「ジョタ」と読むらしい。
なにやらよくわかりませんが。
最近、怪我人だらけのレアル・マドリード。この日は、指に負傷を負っているはずのイケル・カシージャスが先発した。
折角のチャンスに膝を負傷したセサル、なんともいいようがない。彼は、ご存知のように、城がいた時代のバジャドリードでプレーしていた選手なのですが、先週のエスパニョール戦で見せたようにその能力は極めて高い。
にもかかわらず肝心な場面で怪我を負い、イケルに座を譲ることが多い。
ちなみに、どうでもいいことだが、10人位運べそうな軍用車のごときごっつい車に乗っている。
そんな前半12分、マドリードを更なる不幸が襲う。
ジャンプをしたソラーリの右膝が着地の際、ロックした形で逆に入ってしまい、アルゼンチン人はそのまま担架で退場した。
ここでガルシア・レモンはラウールを左サイドに置き、トップ下にモリエンテスを置いた。
ファンフランを右に置き、フィーゴを左に配置する手も考えられるが、ラウールを左に持って来たほうが守備面での得が大きい。
一方のオサスナのシステムはクラシックな1−4−4−2。
去年、ベルナベウで0−3と大勝したオサスナだったが、その時のシステムはトップ下にアロイシ、トップにモラレスを置いた1−4−4−1−1だった。
これはアロイシをマドリードのボランチの2人、グティとベッカムへのプレッシャーに参加させ、相手の攻撃の組み立てを阻害するためだったのだが、この試合ではシステムを変更してきた。
果たしてそれが上手くいっていたかというと、そうともいえない。
試合を見ていると2人のフォワードでマドリードのディフェンスラインに圧力をかけていく予定だったと思われるが、全くの空振りだった。
確かに一方のサイドにボールを追い込むことはできるのだが、サイドバックからサイドバックへ、例えばロベルト・カルロスからメヒーアへ簡単にボールを捌くことで攻撃の方向を変えられてしまう。
あれでは折角走ったところであまり意味がない。
結局前に二人残して、後ろを4−4、2枚のラインで守ることになるのだが、あれなら去年と同じくフォワードを一枚下げてボランチをマークし、中盤でお得意の肉弾戦をガシガシと仕掛けた方がなんぼかよい。
中盤の4人とトップのアロイシは昨シーズンと全く変わらない面々だっただけになぜに手法を変えたのか、その真意はハビエル・アギーレにしかわからない。
この試合で非常に目立ったのが、左ボランチのパブロ・ガルシア。
焦点のぼけたアルベルティーニのような顔をしているが、若くしてウルグアイ代表でレギュラーを確保した経歴を持つ。
アトレチコBからミラン、バレンシアと渡り歩いて鳴かず飛ばずだったが、強烈に上手い。
いわゆる逆算ができるタイプで、例えば、ここでボールをこれだけ転がせば相手はこう動く、それによってここにこれだけのスペースができるので、そこにこの角度でボールを出せば繋がる、といったことが常に計算できる。
この試合でも、ボールを触って失った場面はほとんどない。
なぜこんなに上手い選手がもっと高名なチームでプレーしていないのか、その理由をつらつらと考えてみると、向こうっ気とギリギリのパス、この2つが足りないのではなかろうかと。
まずこの選手は極めて冷静である。ファールを受けて抗議するときもほとんど表情が変わらないし、自分でファールしても同じである。
さらに言えば味方が決定的なシュートを外しても淡白で、ボールが枠を外した瞬間にちょっとだけ視線を地面に落とし、「はぁ、ダメか」というそぶりを一瞬見せた後、黙々とポジションに戻る。
ほとんどあらゆるシーンで、向こう気を全く感じさせない。
また、パスが非常に上手いのだが、とにかく確実な選択肢しか選ばない。
一発で決めに行くパスと、状況を改善するパス、二つの選択肢がある場合、確実に後者を選ぶ。
周囲が彼と同じレベルを持っていればそれでも良いのだが、そうでないならばこの二つ混ぜていかない限りプレーが行き詰まる。
逆に考えれば、この二つの点を補強してしまえば彼の才能は最大限にいかされるはずである。
つまり、気合と強さを兼ね備えた選手をボランチの片割れとして置き、前方にヤクザなパスを連発する選手を配置すればパブロ・ガルシアの能力が最も発揮されるはずである。
そんなチームをリーガで探してみるとエスパニョールが思い浮かぶ。
隣りを、イト、フレッドソン、アレックス・フェルナンデスのいずれかで固め、前にデ・ラ・ペーニャを置く。
タムード、マキシ、オスカル・セラーノを大きく使うことでスペースを生み出し、そこで浮いたデ・ラ・ペーニャにパブロ・ガルシアが黙々とパスを送る。
そうすればペーニャのキワキワなラストパスを見る機会が格段に増えるはずである。
以上のように書くと、守備が下手なパサーのように見えてしまが、そんなことはない。
とにかくポジショニングが良く、ファールのしどころも心得ている。さらに言えば、相手のカウンターに対応して戻るそのコース取りが絶妙に上手い。
パスを受ける選手に対してそれをカットする位置に自分を置きながらポジションに戻るのだが、相手との距離、戻るコース、スピードが絶妙なので、ビデオをお持ちの方は確認されると面白のではなかろうかと。
選手の話がちょっと長くなりましたので、レアル・マドリードの現状をまとめて終わりにしようかと。
まず、エルゲラはディフェンスラインに置いた方がよい。サムエル、ウッドゲイトが使えるとしても、彼を最終ラインに置いた方がよい。そうでないと、相手のプレッシャーで簡単にボールを失うことになる。
左のボランチにはこのまま守備ラインとの距離感覚の良いセラデスを置いて、後はこの試合のようにひたすら走るよりしょうがない。なにしろスターをピッチに置かねばしょうがないのですから。
しかしながら、このまま抜本的な改善がなされなければ、2試合の後にまた恐ろしい事態が起こると思うのですが、どうなりますやら。