Real Madrid vs Villarreal
05.04.23.sabado
日時:第33節 2005年4月23日(土)
対戦:マドリー vs ビジャレアル
結果:2−1
得点:0−1 39分 リケルメ(PK)
1−1 69分 ロナウド
2−1 74分 ミチェル・サルガド
審判:ゴンサレス・バスケス(ガリシア)
警告:サムエル、ジダン(マドリー)
キケ・アルバレス(ビジャレアル)
警告:サムエル、ミチェル、サルガド、ベッカム(マドリー)
アルアバレーナ、ソリン、リケルメ(ビジャレアル)

本日は、マドリー対ビジャレアルの前半をとりあげ、「果たしてマドリーの攻撃は面白かったのだろうか」という疑問に答える企画をお送りしようかと。

まず、攻撃を面白い、と思うためには、ディフェンスライン(キーパーの前で守る人々)とボランチ(ディフェンスの前で中央を守る人々)の間にボールが入ることが不可欠だと思われる。

図0で言えば、C1にあたる場所で誰かがボールを持つことを指すのだが、ここで前を向けば、スルーパスにシュート、シュートフェイクからの切り返しに、サイドへの深い展開、といった様々なオプションが生まれる。

もちろん、そんなことをされては守備側としてはたまらないので、ここで誰かがボールを持つと、みんなで寄ってたかって自由を奪う。

その中で、攻撃側がいかに有効なプレーを見せるか、といったしのぎあいもまた、攻めを見る醍醐味だと思われるが、とにかくそのゾーンにボールが入らなければしょうがない。

よって、今回は、ペナルティーエリアに程近い位置で、どちらがどれだけボールを持ったか、という基準で攻撃の面白さを決めることを主な方針にして進んでいこうかと。


図1

図1には、0分から10分までにおける両者チームのボールの動きが記されています。

今回は攻撃を見たいだけなので、相手陣でのボールの動きのみが記されており、レアル・マドリーは上半分を下から上へ、ビジャレアルは下半分を上から下へ攻めています。

まず、C1のゾーンに出たり入ったりしたボールは、マドリーの1に対してビジャレアルは5、ビジャレアルに軍配が上がる。

マドリーの攻撃では、L1、つまり、左サイド奥に細かい矢印が目立つが、これは、オーバーラップしたロベルト・カルロスとジダンのパス交換によるものであると考えられる。


図2(10分〜20分)

C1のゾーンに出入した、もしくは、C1の内部で交換されたボールは、マドリーは0、ビジャレアルは6。
ビジャレアルの完勝に終わっている。
レアル・マドリーパスは、右からの一本のクロス以外は、相手になんの危害も与えないゾーンを通過しているだけであり、攻撃的には何もしていない。
これに対して、ビジャレアルは上手く攻撃の方向を変えながらマドリーゴールに迫っている。
これらのデータは、「なんかビジャレアルが一方的に攻めていたような気がする」という印象を裏付けている。


図3(20分〜30分)

C1のゾーンに入ったボールは、マドリーは2、ビジャレアルは3。
微妙に接近したが、その内容はマドリーがエリアの端に入っているのに対して、ビジャレアルは、中央の最も価値の高い場所に3本とも入っている。
特にペナルティーアーク内に入った一本の価値点は非常に高い。
両チームのボールの動きを見ていると、レアル・マドリーは、中央の肝心な場所にボールが入らず、サイドでのパス交換が多い。
ビジャレアルは、完全に右サイドに攻撃が片寄っており、これには、アルマンド・サ、センナの貢献が大きいと考えられる。


図4(30分〜40分)

C1のゾーンに出入りしたボールは、マドリーは4、ビジャレアルは1。
初めて逆転した。
しかし、マドリーのうちの2本は、ほとんどゾーンの淵にある。
この試合、初めてマドリーが完全な形でC1にボールを入れたのは、右サイドからのベッカムのボールをロナウドが受けた場面で、次のプレーで、ボールはエリア内に走り込んだベッカムへと渡り決定的なチャンスを迎えた。
結局、ベッカムが思いっきりボールを蹴りすぎてしまい得点には至らなかったが、速攻から得点機会をつくりだした見事なプレーだった。
図からはマドリーが優勢に思われるが、39分にリケルメのスルーパスから抜けたフォルランを、パボンがエリア内で倒してしまい、PKから得点を失った。


図5(40分〜45+2分)

C1でのプレーは、マドリー6、ビジャレアル0となっている。
たった7分間で前の40分に匹敵する数の見せ場をつくりだしている。
これは、39分に失点して尻に火がついたため、皆が発奮して相手を圧倒した結果だと考えられる。
個人個人の頑張りでチャンスを作り出すこの姿は、レアル・マドリーが集団として攻める組織を持っておらず、個人技だけで状況を打開している、という評判を裏付けるものとも解釈できる。

結局、C1でのボールを総合すると、マドリーの13に対してビジャレアルの15と大差がない。

しかし、最初の40分間に限れば、マドリー7対ビジャレアル15となり、倍以上の差がある。

この結果は、
「ビジャレアルが長時間にわたって有効な攻撃をしかけて先制点を奪い、リードされたマドリーが慌てて反撃して前半が終わった。」
と解釈することができる。

皆様の印象と比べてどう思われますでしょうか。

とりあえず、主な結論はこれで終了なのですが、0分から10分までの図1を、その後の図と比べてみると、

「ルシェンブルゴは、開始直後に相手を押し込んで勢いをつけるために、ロベルト・カルロスを無理に上げているけど、その後はあまり上げていないのだろう。これは、戦術の問題もあるけど、ロベカルの歳も影響しているのだろう。昔は、ホームの試合ではでたらめな勢い上がっていたもんだけどなぁ。」

といった想像にも浸ることができますので、お試し下さい。

また、それにより何かに気付かれた場合は、ご一報下されば幸いです。

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−−おまけ−−

図のつくりかたの規則


分析方法
各チームの相手陣におけるボールの動きを追跡することで、両チームの特徴を探る。

具体的手法
ピッチの半分を8つの部分にわけ、実際のボールの動きを図の上に記す。
自陣からのパスは記載しない。
ボールの動きを示す矢印は、パスまたはドリブルが有効に行われた時のみ始点と終点を記す。
「有効」とは、始点から終点に到ったボールが、パス、シュート、確実なボールキープ、相手のファールにつながった場合を指す。
フリーキックは記入する。
短いスローインは省く。
エリア内へのセンタリングはカットされたものも記載する。

ピッチの分割法(図0参照)
C0:ペナルティーエリア内
C1:C0直上(センターラインより)、横:ペナルティーエリア長辺、縦:ピッチ長辺12分の1
C2:C1直上(センターラインより)、横:ペナルティーエリア長辺、縦:ピッチ長辺12分の1
C3:C2直上(センターラインより)、横:ピッチ短辺、縦:ピッチ長辺6分の1
R1:横:ゴールに向かってC0直ぐ右からサイドライン、縦:ペナルティーエリアと同じ
R2:R1直上(センターラインより)横:R1に同じ、縦:C1とC2の縦の和に同じ
L1:R1の逆サイド部分
L2:R2の逆サイド部分

前半のパスを重ね合わせた図