Sevilla vs Espanyol
04.11.21.domingo
日時:第12節 2004年11月21日(日)
対戦:セビージャ vs エスパニョール
結果:1−0
得点:1−0 39分 バプティスタ
審判:ホセ・ハビエル・ロスサントス・オマール
退場:−
警告:マルティ、セルヒオ・ラモス、エステバン(セビージャ)
イト、ロポ、アレックス・フェルナンデス、ポチェティーノ、デ・ラ・ペーニャ(エスパニョール)

密かにチャンピオンズリーグ圏内を目指して戦うセビージャとエスパニョールの対戦だったが、極めて渋々な展開に終始してしまった。

その主な原因はペリーコスの監督、ミゲル・アンヘル・ロティーナ。

まずのその作戦計画があまりにも渋い。

今シーズンは基本的に1−4−2−3−1の変形で戦っていたのだが、この日は1−4−3−3に見えなくもない配置。
フォワードが増えて景気だけは良さそうな気がするが、その中身は果てしなく守備を重視している。
まず、その最大の狙いは、フレッドソンでレナトをマンツーマン気味にマークし、セビージャの攻撃の中継点を潰すこと。
セビージャというチームは、基本的にはアランダ、バプティスタを軸としたカウンターを中心として戦うチームであり、セレソーンに入ったレナトのゲームメイクによる攻撃は二次的なものである。
しかしながら、ミゲル・アンヘル・ロティーナはその彼のボール捌きを非常に、極めて警戒し、最大の攻め駒であるデ・ラ・ペーニャを削ってフレッドソンを投入した。
これは、実に首尾の一貫した、彼らしい選択といえる。

エスパニョールの中盤は、アレックス・フェルナンデスがバプティスタを警戒しながら全体をカバーし、イトがマルティを、フレッドソンがレナトを、オスカル・セラーノとコロことコロミナスがサイドバックをマークしており、思想的には1−4−3−3というより、1−4−1−4−1に似ていたが、確かにこれだけ念を入れれば、そりゃ守れるのは守れる。

そして試合は、元来主導権を握って攻めるチームでもないセビージャがガチガチに来た相手を崩す場面は少なく、非常に眠たい展開に終始した。

こんな時は、サモーラ(最小失点キーパー)の称号を持ちながら、そんな威厳はかけらも感じさせないカメニに向かって、「なんかおもろいことしろ、なんかおもろいことしろ」と念じるしかないのだが、この日も期待に反しないプレーを見せてくれた。

前半の何分かは忘れたが、ラインの裏に出たロングボールに対して、アランダ(おそらく)がキーパーとほとんど同じタイミングでボールに触りそうな勢いで頭から突っ込んでいった。
普通のキーパーなら、飛び込みながら両手でしっかりとボールをキャッチして、相手に体をぶつけていく場面だったが、カメニは軽く右手を差し出すと、ちょんっとボールを上方にはたいてアランダをやりすごし、なにごともなかったようにそれを捕まえて場内の笑い誘った。

その他にも、エリア内に飛んできたボールを、手ではなく飛び蹴りでクリアするなどの活躍を見せていた彼だったが、39分、アランダのスルーパスに反応してペナルティーエリアの外にダッシュ、突っ込んで来るバプティスタの直前でクリアを試みた。
しかし、そのボールはバプティスタの足に当たり、跳ね返りは、運悪くキーパーを飛び越したフォワードの足元に落ち、先制を許してしまった。

あの失点を防ごうと思えば、クリアした後、足をちょっと上げて飛び越していくバプティスタをこかす以外にはないのだが、人としてはやってはいけない。

そして、その失点の後、エスパニョールは、えらい混乱状態に陥った。
まだ前半で、しかも一点しか差がついていないのに組織がバラバラになり、誰が何をしたいのか、さっぱりわからなかった。
攻撃を捨て、守備のみを考えた布陣で失点すると、それをひっくり返すのは難しい。そして、守ることだけに集中していたにも関わらず点を奪われたことで、自分達の手法に対する疑問が生じる。
もし、攻めに自信を持てる状態ならば、一点を失ったところで、「まあ追いつけばいいや」という希望をもつことができる。それがなければ人は悪い状態に耐えられない。

夢も希望もないシステム、戦術を採用する弊害は、こんなところにもあるのではなかろうかと。

後半開始からはさすがにデ・ラ・ペーニャを出すだろう、という期待も虚しく、選手もシステムもまったく変化なし。
負けているのに攻める術のないエスパニョールと勝っていて攻める必要のないセビージャ、双方の思惑が一致し、試合は見事にトーンダウン。
そして期待のデ・ラ・ペーニャは67分にやっと登場。
後二十五、六分しかないのにでどないせぇゆうとんねん、という思いが拭えない中、相手の守備にも味方の守備にも穴を空ける彼の活躍は光った。

その交代の後は、エスパニョールが相手ゴール前に殺到したと思えば、カルリートスがカメニと一対一になり、はたまたポチェティーノがペナルティーエリア内でなんでもないロングボールをトラップミスから手に当ててPKを取られ、「ケ・トント・エス(ばっかでー)」の声と忍び笑いが洩れる中、バプティスタがそれを外したり、突っ込みどころ満載な展開が続いた。

しかしながら、それを引き起こしたデ・ラ・ペーニャは、使われないイライラと負けているイライラにミスを犯す味方へのイライラが加わり、持てる力の全てを発揮できたわけではなかった。

最初から彼を使っていれば、笑える場面がもっと多かったんちゃうかな、と思うと、残念でならない。

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