スペインは、トルコを相手に快勝した。
スペイン代表がこの試合で用いたシステムは、完全な1−4−2−3−1であり、これは、監督のイニャキ・サエスが判で押したように使用することで有名である。
攻撃面において、このチームの鍵を握るのはトップ下に位置するチェスク(セスク)であり、抜群のテクニックを誇る彼が中央で相手を引き付けた後のドリブル、もしくは、左右へボール捌きによりチームを前に運ぶ。
スペインフル代表との絡みで見ると、現在、足りない人材は、
・ゲームを組み立てるセンターバック
・守備の安定した左サイドバック
・どうでもいいから点を取るフォワード
だと考えられる。
この試合のセンターバックは、アレクシスとロブステであったが、残念ながら、90分を通して周囲をうならせるようなパスを見せることはなかった。
そうなると、ボランチのサパテール、マルケルの位置を下げるオプションもあるが、両名ともにミドルからロングのパス精度に問題が残る。
次に、左サイドに目を転じてみると、フル代表では、デル・オルノがそのポジションでプレーすることが多い。
しかし、アラゴネスは、ボスニア・ヘルツェゴビナ戦においてアントニオ・ロペスを先発させた。
デル・オルノの見所といえば、センターラインを超えてのドリブルにセンタリングとペナルティーエリア内に入ってのヘディングであるが、守備においてはポジショニングを間違えることが多く、さらには、苦しい状況で決定的なクリアミスを犯す。
ユースの左サイドは、ホセ・エンリケが務めており、この試合ではセンタリングの精度で人目を引いたが、相手右サイドが不活発だった関係で守備の腕前は未知数のままである。
最後のフォワードはフェルナンド・ジョレンテだが、この試合では、その長身を生かしてボールを落とし、最初の2ゴールを演出した。
ジョレンテは、193cmといわれているが、相手センターバックが彼と比較として大きくない場合、このようなフォワードをいかすためには、ライナー性のボールよりも山なりの高いところから落ちてくるボールを入れた方がよい。
これは、上から落ちてくるボールに対しては、大きなフォワードがポジションを取ってしまえば、競り負けることはなくボールに触れることができること、そして、その後のヘディングにおいて、スピードの遅いボールの方が狙った場所に落としやすいことによる。
スペインの一点目は、相手に当たったフリーキックが大きく上空へ跳ねてジョレンテの頭に落ちてきたことから始まっており、頭でファーサイドに落としたボールをファンフランがフリーで決めた。
スペインの二点目は、キーパーのビエル・リバスの山なりのパントをジョレンテが落とし、相手左サイドバックのエルグンがクリアミスしたボールを、これまたファンフランがフリーで決めた。
両方の場面においてジョレンテの特徴が良くいかされていた。
スペインの2点目が決まったのは、36分であり、トルコの左サイドバック、エルグンが交代させられたのは38分だった。
これは、
・エルグンではファンフランの相手は無理だと判断した
・ファンフランを二度フリーにした責任を取らされた
のいずれかの理由による交代だと考えられる。
どちらにしても、若者に厳しい交代といえる。
それはさておき、この試合でも活躍したジョレンテが代表の得点不足を解消する切り札となりえるか、というと微妙な話になってくる。
ジョレンテのプレースタイルは、一人で状況を打開してシュートに持っていくというよりも、体の大きさをいかしたキープと頭での捌きから味方を使って攻撃をリードする、というものである。
そういう意味では、代表に欠けている、なにがなんでもボールをゴールに放り込むフォワードではない。
しかし、「サイドからボールが上がるのに中の人が居ない」という弱点を抱えるフル代表にとって、彼の高さは有効な解決策と成る可能性はある。