2−2で引き分ければイタリアの結果によらずスカンジナビアの友人同士が決勝トーナメントに進むこの試合、計算したかのようなスコアで終わった。
これを受けてイタリア方面では色々と言われていることでしょうが、試合を見れば真実は明らかであります。
試合開始から、両者共にほぼベストの布陣。
スウェーデンは微妙な位置にいるリュングベリを中盤に数えると1−4−4−2、中盤の底をアンデションが埋め、カルストロームが中央から前に絡むが、有効なプレーをしているとは言い難い。アイディアのあるパスを見せるのだが、無理筋を狙うことが多く、重要な場所で無駄にボールを失っていた。スウェーデンの戦い方としては、ゲームをコントロールしていくよりも、ラーション、イブラヒモビッチ、リュングベリのスピードをいかしてカウンターを行う方が似つかわしい。トーナメントにおいて強さを見せるだろう。
デンマークは1−4−4−1−1。第二戦からチームに復帰したグロンヒャールとグラベセンは重要な役割を果たしており、グロンヒャールは左右で簡単に相手を抜き去り次々とクロスを上げ、グラベセンは前方に絡みながら目の覚めるようなゲームメイクを見せる。中盤からの長いパスでフォワードを動かしたかと思えば、ペナルティーエリア内でもシュートフェイクを織り交ぜながら三人を相手に問題なくボールをキープする。そのビジョンとテクニックは特筆すべきものがある。
中盤中央に位置する、ダニエル・ジェンセン、グラベセンともにボールを持ってよく、相手が試合を支配した場合、守備に問題が出る可能性もある。
28分、トマソンがトラップでちょっと浮かせたボールの下を叩き、ドライブ気味のシュートで先制点をあげる。わざと浮かせたのか浮いてしまったのか、個人的な意見では浮いてしまったように見える。
前半はデンマークが試合を支配しそのまま1−0で終了。
後半開始からデンマークは左サイドバックのニコラス・ジェンセンに変えてビョゲルンドを入れた。ニコラス・ジェンセンは守備面からもフリーキックの面からも大切な選手であるから、これは怪我以外には考えられない。
BO/GELUND、のO(オー)の真中にスラッシュが入った母音をなんと読めばいいのかわからないので上のように読んでおきます。日本では、ブーエルン、ベゲルンド、のどちらからしいのですが、あまりにも違いすぎてどれを採用したら良いのかわからないので、デンマーク語に詳しい方の解説をお待ちしております。
47分ラインの裏に抜け出したラーションがペナルティーエリア内で飛び出してきたキーパーよりも一瞬早くボールに触り、PKを奪う。自ら決めて1−1。
引き分けではスウェーデンに遅れを取り、イタリアにまくられるかもしれないデンマークは攻めるしか手がない。
57分に疲れの見えるヨルゲンセンに代わりロメダル、グロンヒャールを左のウィング、ロメダルを右のウィングに置き不退転の決意を見せる。
26歳の若さで母親をガンで亡くし、そのためにイタリア戦に間に合わなかったグロンヒャール、ボールを持っては軽々と左サイドを突破し攻撃をリードし、中に切り返しては再三シュートを狙っていた。そのうち、きっと、逆サイドネットに突き刺さるゴールが見られるに違いない。
試合はスウェーデンが散発的にカウンターを見せるものの、デンマークペースのまま進み、66分、トマソンがゴール前中央でこぼれ球を拾い、反転しながら左足でシュート、ボールはキーパーの左を抜けゴールに吸い込まれた。2−1。
これで今度は、逆に、イタリアが勝つと大会から消える運命を背負わされたスウェーデンが攻撃体制に入る。72分にカルストロームに代えてビレムションを入れたまではまだチームバランスが考慮されていたが、82分、中盤で黙々と守ってきたアンデションを下げアルバックを入れた段階では最早、攻撃しか考えていない。
イブラヒモビッチ、アルバックが中央前に残り、ビレムションは左ウィング、ラーションは下がりながらボールに絡み、リュングベリは中盤の中央へ移った。
デンマークはここで勝てばグループ首位が確定するのだから、なにも考えずに守る方法もあった。しかしながら、勝ち越すために行った攻撃的な交代の為に両サイドが大きく開き、それを修正することはできなかった。
左のグロンヒャールは明らかに売り切れてしまっていたし、右のロメダルはそもそも守備を得意とする選手ではない。
イタリアの側からすると、勝っているにもかかわらず戻らないロメダルの動きは「怪しく」見えるのだろうが、そもそも、第一戦を攻める気がなく引き分け、第二戦は守り切れずに引き分けたのだから、他人に言い掛かる理由もない。
トーナメントに強い構成のスウェーデン、チームとしての完成度の高いデンマーク、名のある国が確固たる方針を見出せない今回、大きな仕事をするかもしれません。