国王杯の風景 (2007.06.28)

国王杯決勝の決勝も終わり、シーズンが終了した今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。

本日は、セビージャとヘタッフェが争ったその決勝の一風景についてお届けしようかと。

この試合は、夜の9時に開始予定で、直前まで別に行く気がなかったはずが、8時20分ごろにムラムラと欲求が高まり地下鉄へ。

グレゴリオ・マラニョンという駅で10番線に乗り換えてサンティアゴ・ベルナベウ駅へと向かう。

普段、レアル・マドリーの試合がある日なら、試合開始30分前の地下鉄10番線というのは、マドリーのマフラーを巻き、ホーンを鳴らしまくる人々が数多くいる。

ところが、この日は閑散としていて、セビージャのユニフォームを着た人もヘッタフェのユニフォームを着た人もほとんどいない。

「しめしめ、これは当日券にありつけそうだわい」とほくほく顔でサンティアゴ・ベルナベウ駅のホームに到着。

すると、意外な光景が目に飛び込んできた。

寂しげな顔をしたセビジスタ達が、逆のホームにちらほらと入ってくるのである。

「これはいかん。この光景というのはチケットにあぶれた連中が仕方なく帰っているのではないのか?」という脳内の疑問に対し、「まあ、何か別の理由があって帰っているだけだろう」と言い訳にもならぬ言い訳をしてスタジアムに向かう。

地下鉄の出口を一歩出るとそこはゴミの山だった。

道路はポテトチップのフクロ、空き缶、透明コップが散乱しており、清掃人が黙々とそれを片付けていた。

それを横目に切符売り場の方に歩いていくと、人がいつもより少ない。

「これは期待できるのではないのか?」と気を持ち直して穴場に向かうが、全部シャッターが下りていた。

仕方ないからスタジアムの扉の隙間から場内をのぞいてみると、20分前だというのに人がぎっしり。

なんのことはない。普段はぎりぎりまで外で酒をあおっている連中が、きっちり定刻前に入っていたから周囲に人が少なかっただけの話である。

「なんだよぬか喜びさせやがって」と思い帰路につく。

と、セビージャの旗に身をくるんだ若者2人が入り口の警備員になにやら頼み込んでいる。

どうやら、「お願いだよ、セビージャからこの試合を見るためにわざわざ来たんだ。なのに券がないっていうんだ。頼むから入れておくれよ」ということらしい。

当然首を横に振る警備員に対し、さらに、「いいじゃんか。別に席に座るわけじゃないし、通路でいいんだ」と懇願する若者。

しかし、そんなことで入れてくれるはずもない。

というか、そんな馬鹿なと思われる物事に対してもとりあえず駄々をこねてみるセビージャ人の特性は大したものだと思わざるをえない。

セビージャの大人は総じて子供に甘いため、子供はとりあえずごねればなんとかなると思う傾向が強く、それがサンティアゴ・ベルナベウのゲートで警備員を相手に発揮されているわけである。

とぼとぼと駅に引き返していくと、やはり券にありつけなかったセビージャファンがちらほらと集まってくる。

しかし、ヘタッフェファンの姿はない。

あぶれて帰るのはセビージャ人ばかりである。

最初は、とりあえず行けばなんとかなると思って、後先考えずに動いてしまうアンダルシア魂が生んだ現象かと思った。

しかし、思い直してみるとそんなことはなく、単にヘタッフェは1時間半で来られる場所にあるからして最後の瞬間までチケット情報をネットなり知り合いなりから入手して動けばいいから無駄がなかっただけの話である。

そう考えると、自分もちゃんと情報収集してから来ればよかっただけのことちゃうんか、と思いつつホームのベンチに座り、それだけもらってきたマッチデイ・ブログラムをながめた。



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