スペインリーグの大旦那 (2007.01.10)

「さて」

「なんだ」

「そろそろリーガも折り返し点が近づいてきた」

「あと2試合で半分やな」

「そんな折に順位表を眺めてみるとだな」

「どうした」

「ある面白い現象に気づくわけだ」

「マドリーか」

「そうだ」

「確かに不思議やな」

「不思議ではないやろ」

「そうか?あれだけ駄目な印象のわりに、首位とわずか5ポイント差というのは驚異的だと思うが」

「そっちか」

「なんだ、違うのか」

「いや、今の順位表を眺めると、首位がセビージャ、2位がバルサ、3位がマドリーなわけだ」

「そうやな」

「そしてサラゴサが4位につけている」

「ビクトル・フェルナンデスのチームはいい調子やな」

「この4チームが、いわゆるチャンピオンズ圏内にいる」

「それがどうした」

「そこで、レアル・マドリーと他の3チームの関係を考えるとなかなか面白い」

「そうかね」

「まず、レアル・マドリーは、昨シーズン、セビージャからバチスタとセルヒオ・ラモスを獲得した」

「バチスタは、もういないけどな」

「その時にセビージャに支払った金額は、5150万ユーロ。今の1ユーロ155円で言えば約80億円に相当する」

「1%でいいから欲しいところやな」

「つまり、大量の資金がセビージャに流れ込んだわけだ」

「まあ、マドリーが太っ腹やという話や」

「太っ腹過ぎるという話もあるけどな」

「ちなみに、最近セビージャが補強した、マレスカ、カヌーテ、ファビアーノ、チェバントン、ポウルセン、ドゥダ、ヒンケルといった選手をみんな合わせていくらになるか知ってるか?」

「いや、知らんけどな」

「どんなにお高く見積もっても3250万ユーロや」

「差し引き1900万ユーロ残るわけか」

「約30億円になる」

「なんかここまで来ると、億の単位が子供銀行のお札みたいやな」

「ここまで来ると、マドリーはセビージャのスポンサーみたいなもんや」

「確かに」

「ちなみに、マドリーはバルサにも資金援助をしていて、フィーゴ獲得の際6600万ユーロという、狂った金額を提供した」

「懐かしい話題やな」

「今シーズンのバルサは、テュラム、ザンブロッタ、グジョンセンの3人に3070万ユーロを費やした」

「バルサにしては大盤振る舞いやな」

「ちなみに、これにロナウジーニョの移籍金3000万ユーロを足してもフィーゴ1人買えない」

「ついでに言えば、マドリーはエトーの保有権を1200ユーロという格安で譲ってあげてもいる」

「ここでも大旦那振りを発揮しているわけだ」

「実に太っ腹過ぎるという話やけどな」

「そして、話はサラゴサに及ぶわけだが」

「また資金提供か」

「この場合は人材提供やな」

「とりあえずは、ガビ・ミリートとディオゴか」

「契約するはずだったミリートをユニフォームが売れないという理由で破棄。いまや評判のセンターバックになった。600万ユーロで獲得したディオゴはろくに使われずにレンタル移籍して今シーズン最高の選手の一人や」

「まあ、ディオゴに関しては、成功と言えば成功やけどな」

「なにがや」

「シーズン前の段階で売っていたら原価割れは確実やったけど、今なら儲けを出して売れる。商売としては大成功や」

「それでライバルを強くしてたら世話ないけどな」

「まあ、そこで1つの事実に思い当たるわけやな」

「どんな事実や」

「レアル・マドリーは、スペインリーグのレベルアップに間違いなく貢献しているという事実や」

「嫌な事実やな」

「思えば、前会長のフロレンティーノ・ペレスは、借金で苦しんでいたマドリーを、サッカーを犠牲にすることで世界一豊かなチームに変えた。そして、そのようにしてマドリーが稼ぎ出したユーロは、過剰な移籍金となって他のクラブを潤した」

「その資金を有効活用したチームが順当に順位を伸ばしたわけか」

「さらに言えば、場当たり的に買ってきた有能な選手をレンタルという形で吐き出すことで、他のチームに格安の補強手段を提供している」

「つまり、レアル・マドリーは、スペインリーグの資金供給源であり、人材供給基地でもあるわけだ」

「人材供給で言えば、無闇な補強の煽りをうけて下部組織の才能ある若者達が各地へ散って行った。」

「いわば、マドリーはスペインリーグのため、世のため人のために身を犠牲にして貢献しているということか」

「涙なしでは語れん話やな」

「そんなマドリーは、マルセロ、イグアイン、ガゴを獲得して後半に向けて準備を整えた」

「またウン十億円散在したわけやな」

「南米ばかりで、ヨーロッパのチームにお金を渡していなところなんかは計算されてると思うけどな」

「これ以上リーガのチームに札束積んだらただのアホウやろ」

「サパテールとか色々欲しがってるらしいけどな」

「どうせならサラゴサ丸ごと買えばいいのにな」

「そりゃ無茶やろ」

「去年と今年で300億円以上補強費を使ってるんだからサラゴサやったらベンチも丸ごと買えるはずやで」

「それはそうやけどな」

「なんにしても、今週末のマドリーとサラゴサの対決は必見やな」

「そうやな」

「そんなこんなで」

「今週はこの辺で」

「また来週お会いしましょう」

「ご機嫌よう」


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