ゴールをわすれたスペインリーグ (2007.01.27)

「さて」

「どうした」

「今日はスペインリーグとゴールの関係について語りたいわけだが」

「語るのか」

「語るのだ」

「それはちょっと勘弁して欲しいわ」

「そういうわけにも行かんのだな、これが」

「しょうがないな」

「しょうがないねん」

「で、何が言いたいんだ」

「何と言われても何とも言えんが、最近のリーガは守備的になりすぎだと思わんかね」

「思わんでもないな」

「ここ5年の流れとして、集団での守備を表に出すチームが異様に増えてきた」

「0-0とか1-0とか、渋いスコアもよく目にするようになったしな」

「それは、実際にデータにも表れていてだな」

「ほう」

「リーガの得点は、イタリアのセリエA、イングランドのプレミアと比べても少ない」

「イタリアに負けるのか」

「負けるもなにも、イタリアは一試合平均2.53点、プレミアは2.42点、スペインは2.39点で、イタリアの方が断然いい」

「あまり差がないようにも見えるけどな」

「そんなことはない。今の20節終了時点でいえば、イタリアが507点、スペインが477点で30点の差がある」

「誤差みたいなもんやろ」

「これだけならそうかもしれんが、去年データを見てみると、18節の段階でイタリアが475点、スペインが435点でやっぱり負けていた」

「2年連続か」

「そうなんや」

「それは今年だけよりも意味がありそうやな」

「つまり、データから見たら、守備のイタリア、攻撃のスペインという画一的な図式はすでに崩壊しているわけだ」

「ちとわびしいものがあるな」

「ちなみに、スペインリーグのゴール減少傾向は明らかで、18節を終わった時点で、00-01シーズンは506ゴール、02-03シーズンは470ゴール、05-06シーズンは435ゴールしか記録されていない」

「今年はどうなんや」

「今のデータを18節に換算すると、432ゴールに相当する」

「さらに少し減ったわけか」

「その通り」

「最近どうにも熱い試合が少ないと思ったらそういうことか」

「そういうことなんやな」

「これは一体どういうことかね」

「どうと言われても困るな」

「その理由を知りたいやろ」

「まあそうやな」

「強いて言えば時代の流れかね」

「時代か……」

「なにか不満か」

「いや、なんでも時代のせいにしたら話は簡単だと思っただけだ」

「サッカーもファッションと一緒で、流行が繰り返すわけよ」

「それは初耳な理論やな」

「スペースを空けての叩きあいが流行ると、その次にがちがちカウンターが実利を持って流行る。ところがそれが行き着くところまで行くと反動が出て、また攻めるようになる」

「そうなんかね」

「哲学とかで、唯一神論系が流行ったり、汎神論系が流行ったりするのと一緒の理屈やと思うで」

「ますますわけがわからんな」

「そのせいで、リーガがセリエAにゴール数で負けている、という話やな」

「なぜそれがスペインがイタリアに負ける理由になるんだ?」

「イタリアは今までが守る流れで、攻める波が来ている。スペインは今までが攻める流れで、守る波が来ている。それが合わさった結果じゃなかろうかと」

「となると、また数年したら逆転するかね」

「そうなるはずやけどな」

「なんにしても、なるべく早く叩き合うリーガが帰ってきて欲しいもんやな」

「そんな人には1つ楽しみ方があってだな」

「なんだ」

「ヘタッフェを追いかけることをお勧めしたいわけだ」

「ヘタか」

「そう。ボールを取り返した後に、選手の動きとパスの角度を合わせて、ボールをスペースに置きながら丁寧につなぐ、という昔懐かしい組み立てでいえば、リーガの中でヘタッフェが一番やで」

「バルサよりもか」

「最近のバルサは全然パスがつながらんからな」

「まあそうやけどな」

「しかし、昔のリーガ、といってもほんの5年ほど前の話やねんけどな」

「ほんまやな」

「7年単位で世の流れが変わるらしいから、そんなもんなんかもしれんけど」

「とにかくシュスターのヘタッフェに期待ということで」

「また来週」

「ご機嫌よう」



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