代表選手の横顔(その一)
(2004.06.10)
ユーロ2004スペイン代表を楽しむための選手紹介
モリエンテス:
巷で評判の「いい人」。ファーストタッチのイメージが非常に良く、どんなに狭いスペースでもトラップで計画的にスペースを生み出し、シュートに持っていくことができる。入ってくるであろうパスから逆算し、前の段階でディフェンス逆に動かしておく技術も見逃せない。受ける動き、ファーストタッチのイメージ、トラップ技術、全てを結集して芸術的にキープしたボールを中学生のようなパスミスで失う癖があり、一部の人間からは「下手くそ」呼ばわりされてしまう。浮いてボールを受ける感覚を掴みたければ、ボールを持っていない状態のモロに注目するとよい。
どうでもよいが、モデル系の美人が多いサッカー選手の奥さんの中、本当に普通の人と結婚している。二人して病院から子供を抱えて出てきた時の、あの満面の微笑みにクラクラくる人が多いらしい。
フォワードがキーパーとの激突する場面で、悪人は自分を守るために肘、膝を前に出し、わざとキーパーに激突して我が身を守る。しかし彼は相手に怪我をさせないように無理に体を捻って衝突を避けようとして、自分が怪我を負ってしまう。人の良さが滲み出る話である。
ラウール:
ボールを持たない動きに関してはモリエンテスも上手いがやはりラウール。例えば、味方がサイドを縦に突破した時の動きと、サイドで内側に切り返した後の動きを比べれば彼の狙いがよくわかる。またボレーシュートが極めて上手い。そのコツは、どんなに人に寄せられても自分のイメージするヒットポイントにボールが到着するまで待つ点にある。蹴っても入らない位置で蹴るのは無駄だから、正しい位置まで待つ、単純な話だが、普通の人間は守備が来る焦りから、数分の一秒早くモーションを起こして失敗する。最近はゴールに見放されているが、一試合見続ければ何かを得られる選手。
バレロン:
異次元の声を持つ男。初めてインタビューを見ると仰天すること間違いなし。彼がドリブルを始めると、とにかくボールが遠くに逃げていく。ディフェンスが収縮する瞬間を見切って放すパスにファンが多い。体は大きいものの守備は苦手。また、そのテクニックからは想像できないほど簡単なシュートを外す。
フェルナンド・トーレス
縦に速く狭いスペースに弱い。「それしかない」難しいシュートは得意だが簡単なシュートは外す。性格的にトップ下向きだと思うがワントップとして起用されるらしい。「肉体的にも優れ、大器を予感させる選手だ」という意見と「あいつは普段へたれのくせに、たまにチュンゴ(すげえ)なゴールを決めて評価されてるだけだ」という意見の二つが存在する。
ビセンテ:
スペインの鍵を握る選手。その左サイドでのドリブル突破は一シーズン止められたことがなかった。最近は両足でゴールも決めるようになり、凶悪さに磨きがかかった。また守備にも熱心に働き言うことがない。スペイン代表の彼に対する依存度は高く、彼の出来次第でユーロの行く末が決まりかねない。彼のドリブルを学ぼうにも同じだけの瞬発力がなければ実行不可能なため、あまり参考にはならない。インタビューの印象は好青年である。
ルケ
マジョルカでフォワードとして活躍したが、デポルでは左のエストレーモ(ウィング)に近い位置にコンバートされた。そのドリブルはスペースがないと真価を発揮しないため、意外と使い所が難しい。監督がどのような場面で使うのか、興味が持たれる。ちょっとつるりとした印象の顔だが、インパクトにおいてはその外した私服には及ばない。
ホアキン:
とにかくスピードがあり、そのドリブルで有名、だが、試合によって全くパフォーマンスが変わる。持久力に問題を抱える彼に守備を強要すると、あっという間にアゴタールする(売り切れる)。後ろをボランチで支え、彼を高い位置に保つ戦術的配慮が必要。2002年ワールドカップでは心の平衡を失いダダッ子のような仕草を見せていたが、今回はその成熟に注目が集まる。
ホセバ・エチェベリア:
一瞬30過ぎのベテランに見えるが、まだ26歳。相手を引き付けた状態でのドリブルが上手く、また中央に入って後のシュートも正確。さらに戦術的にも正確に動く。代表では右サイドだが、シーズン途中ではトップ下、ワントップとして起用される場面も目立った。バスク人らしく地味な印象だが14ゴールをあげている。
アルベルダ:
イアタリアとの親善試合の後、アナウンサーから「おめでとう」と声をかけられ、「なんで?(De
que?)」と答えた経歴の持ち主。本人的には中盤にスペースが開き過ぎて不満だったらしい。ファリノスの控えとして活躍していたころはパスでゲームをつくろうとしていたが、立派な潰し屋として成長した。肉体的、守備的に抜群の強さを誇り、これで簡単にパスを繋ぐようになれば無敵。スペイン選手としては例外と言えるほど、精神が安定している。悪い状況で頼りになる選手。
シャビ・アロンソ
二シーズン前、ニハットと共にレアル・ソシエダーを引っ張りチャンピオンズリーグに引き上げた。が、今シーズンは沈黙。芸風は体の大きなグァルディオラ。一シーズンに何本か物凄いミドルシュートを決める。守備ではモービリティの高い(小回りの効く)ドリブラーに弱く、スライディングタックルも苦手。実に正しいスペインのボランチ。移籍問題には「いや、僕の手の中にはないから」と答えて逃げるのが定番。ボールを離すタイミング、及び、動く方向とパスの出る方向の相対角度に注目すると勉強になる。

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