この試合の得点は、すべてセットプレーから決まったが、中でもデポルティーボの1点目は興味深い。
この時、デポルは2回連続でコーナーキックを手にし、2度ともショートコーナーを行った。
一本目は、
図1のような形から始まった。
この時、バルセロナ選手は、コーナーへと近づく相手に対して一人しかマークに行っていない。
この結果、
図2のようにフリーの状態でクロスを入れられた。
これは、サイドで2対1の状況になっているためであり、赤い点線が示すパスフェイントを入れられるとボールにプレッシャーをかけるべき選手は止まらざるを得ず、どうしても相手との距離が開いてしまう。
このため、ボールを持っている選手はフリーの状態でクロスを入れることができる。
最初のクロスは、ニアサイドでクリアされ、2度目のコーナーは
図3のような形で始まった。
今度は、ショートコーナーを受ける選手が最初からボールの近くにいるにもかかわらず、バルセロナは一人しか選手を送っていない。
この結果、最初のコーナーと同じ理由でボールを受けた選手がフリーになり、
図4のように、正確なクロスから得点が生まれた。
図1と
図3、
図2と
図4を見比べると、サイドと中央の選手の動きはともによく似ている。
つまり、バルサは、よく似たことを2度繰り返されにも関わらず、同じように対応を誤っている。
なぜ、バルサがこのようにミスを犯したかといえば、相手のコーナーキックに対して図5のように、前線に3人の選手を残すことが関係している。
相手が、ペナルティーエリア内部もしくは周辺に4人の選手を配置した場合に、守備側としては数的優位を保つために5人の選手を配置せざるを得ない。
また、これに加えて、ニアポストに1人置き、キーパーを加算すれば、3+5+1+1で10人の配置が決まる。
そうなると、サイドに流れた相手に対し、マークに行くことのできる選手は1人しか残っていない。
このため、ショートコーナーに対応しづらい状況が出来上がっている。
このことから、一般的に、コーナーキックに対して3人のフォワードを残す相手にはショートコーナーが有効になる。
また、守備側としてこの弱点を補強するためには、フォワードを一人下げるか、ニアポストの選手を削ってサイドの人数を増やすしかない。
この試合では、デポルティーのコーナーキックがこの2本しかなかったため、ライカールトの対応を見ることはできなかった。
今後、バルサのショートコーナーへの守備にどのような修正が加えられるのか。非常に興味深い。
また、この試合における他の興味深い点としては、デポルティーボのフォワードの動きがあげられる。
相手のセンターバックがボールを持つと、ツートップのうち近い方がプレッシャーをかけ、もう一人はボランチ(エジミウソン)をマークする。
そして、そこから別のセンターバックへとパスが出ると、ボランチをマークしていた選手がボールに近づき、もう一方がボランチをマークする。
この動きは延々と繰り返され、無限ループのように続く。
具体的には、
図6、
図7、
図8、
図9、と来て、図6に戻る。
この動きをムニティスとアリスメンディは、果てしなく繰り返す。
デポルのフォワードが、トリスタンではなくアリスメンディであるは、この繰り返しに耐えられるか耐えられないかの違いに起因している。
さて、オレゲル、モタ、メシを温存してデポルに勝利したバルセロナは、火曜日にチェルシー戦を控えている。
バルサの先発は、
図10のように、1−2で勝利した第1戦と同じだと予想されている。
これに対し、チェルシーは、図10もしくは
図11のような配置が予想されている。
どちらの配置にせよ、初戦を落としたチェルシーは、前線からのプレッシャーを強調して戦うことは間違いない。
そのプレッシャーのかけかたとして、図11のように3トップ気味でかけていく方法と、図10のように2トップでかけていく方法の2通りが予想される。
一方で、バルセロナは、相手の圧力を受けた場合に、モタ、プジョル、エジミウソンにミスが出やすい。
モタは、図12のように、逆サイドでフリーの選手に山なりのパスを出そうとして途中でカットされることが多く。
プジョル、エジミウソンは、図13のように、一瞬判断が遅れた後に、無理にドリブルをしようとしてボールを失うことが多い。
バルサ対チェルシーの戦いでは、ミスを起こさせようとするチェルシーに対して、バルセロナがいかに安全にプレーするかが試合の鍵を握っており、その攻防が注目される。

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