「さてと、今日はデポルティーボ対レアル・マドリーの試合について語るわけだな。」
「ん?今日は小話じゃないのか。」
「いや、スペイン代表がプレーオフに回る不始末をやらかしたおかげで、11節が今週の水曜、木曜に回ったのよ。その関係でわしらのゴールデンコンビが試合も担当することになったわけだ。」
「ああ、さよか。」
「そう。それで、何から始めるかね。」
「何からってか、、、個人的にはデポルのメンバーが相変わらず5年前の繰り返しみたいなのが気になるけどな。」
「そうか?デ・グスマンとかフアンマとか、微妙に新しいメンバーが増えてるぞ。」
「まぁ、確かに。ところで、この2人は何者なんだ?」
「デ・グスマンはリーガ初のカナダ人やな。ドイツに5年程いてからデポルに来たらしい。本来はボランチだという噂だが、スペインでは右サイドでやっているところしか見たことがない。フアンマは去年までラシンにいた選手で、左利きのセンターバックやな。」
「カナダ人か、そりゃ珍しいな。しかし、なんでまた、”デ・グスマン”とか異常にスペインっぽい名前なんだ?」
「両親がスペイン系なだけじゃないか?」
「それだけ?」
「多分。ちなみに、彼のマルカのギア(ガイド)でしらべると、出身地が、”コレア・デ・スール(韓国)”になってる。誤植だと思うんやけどな。」
「スペイン語圏の両親を持ち、韓国で生まれてカナダ国籍を持ち、ブンデスリーガでプレーしていた、となると、そりゃ随分とグローバルな人やな。」
「まぁ、誤植やろ。デ・グスマンの特徴はバランスが崩れているようで崩れていない独特のドリブルで、見た目は格好わるいが、意外と止めにくい。」
「なんで?」
「守る側としては、相手がバランスを崩した時に飛び込みたいけど、デ・グスマンの場合は崩れているようで本人は普通だから、飛び込むとかわされる。そうなるとディフェンスは本当にバランスを失っている時にも飛び込みをちゅうちょしてしまうので、ボールが取れない。あの不思議なドリブルはリーガにはない貴重な芸やで。」
「ええのか悪いのか分かりにくい芸やな。」
「いや、人と違うってのは大体ええことやで。人の勝負できないところで生きていけるから。」
「さよか。しかし、あれやな。デポルはここ最近、全然勝てなかったのによくこんな大差で勝てたもんやな。」
「まぁな。カパロスの得意技は寄せと集散の早いゾーンディフェンスなんやけど、あれは上手く機能しないと後半に疲れを残すだけになる。だから、普段の試合では、先に点が取れないと尻すぼみになって、相手にリードされるとしょんぼりと負けたり、しおしおと引き分けてしまう。」
「はっ?それはおかしくないか?バルサ戦では1−3から奇跡的に追いついたやんか。」
「確かにあの試合では追いついたけど、あれは宝くじに当たったようなもんや。まずシャビがアホみたいな横パスをミスったのがきっかけでムニティスのゴールが生まれてきっかけになったけど、その前までの時間帯は、それこそ手も足も出ない状態に陥っていた。あれは例外やで。」
「そうかね?」
「そうや。だから、バルサに引き分け、マドリーに勝っても順位は10位でしかない。」
「でも、これまではさて置き、マドリーに勝ったのは大きいやろ。」
「まあ、それは相手が相手やからな。」
「どういう意味や。」
「まずな、マドリーの先発を見るとエルゲラ先生とパブロ・ガルシアがボランチにならんどるやろ。」
「そうや。」
「これな、はっきり言うてキャラがかぶってんねん。」
「は?」
「まず、この2人とも瞬発力がないやろ。どっちも読みとファールで相手を潰すタイプや。だから相手がスピードにのって攻めてきたり、スペースに速くカバーにいかないかん状況ではどっちも遅れる。そんで、ボールを持った後も、前に突っ込んで行ってサイドからのボールを叩く、というより後ろで構えてパスで組み立てる方が好きなタイプやねん。だから思いっきりプレーゾーンがかぶってボールが上手く回らない。こんな無茶な組み合わせもないで。」
「そんなん言うても、グラベセンもバティスタもいなきゃしょうがないやろ。」
「しょうがないのはしょうがないけど、もともとバティスタはボランチとして買ってないやろ。グラベセン一人が使えなくてその結果がこの布陣じゃ、なんのために補強をしとるのかさっぱりわらんよ。」
「、、、」
「ほんでおまえ、後半に入るともっと恐ろしいことが起こってだな。ベッカムが、バルボアという3部から上がってきたばかりのに選手代わって、その後にパブロ・ガルシアがソルダドに代わると、図のような配置になったわけよ。」
「、、、ほう。これは斬新やな。」
「斬新もくそもあるかいな。恐ろし過ぎて目がくらむわ。」
「エルゲラがセンターバックに下がって、セルヒオ・ラモスとグティでボランチを組むんか。スーパーなアイデアや。」
「スーパー過ぎや、いくらなんでも。前に、”サルガドにボランチをやらせろ”とか言うとった奴がおったけど、それと同じレベルの話やで、これは。」
「でもまぁ、見方によってはナイスアイデアやろ。セルヒオ・ラモスやったら、おまえが言うとった瞬発力も抜群やし、ディフェンス無敵やろ。おまけにサイドバックをやる運動量もあるから前に突っ込んでフォワードを助けることも可能や。ええことだらけやがな。」
「だからな、そうじゃないねん。センターバックとボランチで何が違うといえば、センターバックは前から来る敵を守ればええけど、ボランチは相手を追いかけながら守備をすることが多いねん。この2つは技術的にまったく違うから、今のセルヒオ・ラモスでは苦しいねん。おまけにやな、対面のスカローニ、ドゥシェルとマドリーの2人を比べてみ。ボランチとしてみたら、どう考えてもデポルの方が上やで。補強にあれだけ金をかけて、借金苦のデポルより劣る選手しか残らないとはどういうことじゃね。」
「確かにな。デポルは、昔から”安くてよく働く”がモットーみたいなとこがあるからな。」
「やろ、借金を背負ってるわりには選手が手固いねん。交代後のデポルとマドリーの選手を比較すると、トリスタン>ソルダド、バレロン<ラウール、デ・グスマン>バルボア、ドゥシェル>グティ、スカローニ>セルヒオ・ラモス、ムニティス>ロビーニョ、マヌエル・パブロ>ディオゴ、コロチーニ>ウッドゲイト、フアンマ<エルゲラ、カプデビラ<ロベルト・カルロス、モリーナ>イケル、ほぼ全面的に負けや。」
「おいおい。そりゃないやろ。少なくともロビーニョ、グティ、イケルは勝ってるやろ。」
「ぜんぜん勝ってへんわ。まずロビーニョを左のミッドフィールダーとして使うならムニティス以下や。縦への突破力、左足からのクロスの精度が全然違うし、守備もムニの方が上や。グティは、ボールを持ったら上やけど、守備の穴をチームでカバーしてくれない以上、ドゥシェルより上ではありえない。イケルとモリーナは、単純に名前で比べたらイケルの勝ちやけど、今のイケルは心ここにあらずやからな。3点目を取られた後の表情を見てみ、諦めと虚しさが入り混じったあの顔はなんとも言えんで。」
「確かにな。あの顔をしたカシージャスはやたらとミスを犯すしな。」
「マドリーの配置は、もう、ぐちゃぐちゃもええとこやろ。わしはな、こんなアホなマドリーを見るのが嫌やねん。フロレンティーノ・ペレスが来てからは世の中がつまらなくなる一方や。あいつがおとなしくしていた2年目までは、サンスの遺産でまともなプレーをしていたけど、チャンピオンズリーグに勝って奴が増長してからは転落人生まっしぐらや。マドリーが駄目だと人生が辛い一方やから、ほんまいいかげんに勘弁して欲しいわ。」
「まあな。マドリーがここまで駄目だとアンチとしても張り合いがないやろうしな。」
「そうやろ、、、どうにかあれを辞めさせる方法はないもんかね。」
「それは無理ちゃうか。こんなマドリーでもロナウドが一人帰って来て、ベッカムが縦に一本出してくれれば勝てるやろ。この試合やバレンシア戦かて、左サイドでサイドチェンジを受けるのがロビーニョじゃなくてロナウドやったら、1点か2点は余計に入るやろ。そしたら結果は出る。そうなると、会長の首が危なくなる事態には至らない。」
「そうやねんな。こんなんでも勝ってしまう可能性があるのが問題やねんな、、、」
「まぁ、しゃあないな。今年も一年、苦しんでくれ。わしはシーズンの初めからにわかアトレティになることを決めてたからな。痛くも痒くもないわ。」
「、、、よりによって、アトレティかね、、、まあ、バルサに走らんだけましやな。」