「さて、本日はクラシコについて語っていくわけだが。」
「、、、」
「なんだ?無言で。腹でも痛いのか?」
「いや、マドリーについては、もう、語る気力も残っていないんだが。」
「なんや。マドリーがこてんこてんに負けたから凹んでいるのか。情けない奴やな。」
「ほっとけ。」
「ほっとけるわけあるかいな。お前さんが語らねばこのコンビも終わってしうんやからな。わしにとっては死活問題や。」
「、、、、、」
「ほれ。マドリーが駄目なら、バルサについてでも語ってみろ。すっきりするかもわからんぞ。」
「すっきりねぇ、、、バルサで言えば、プジョルとマルケスの位置が注目ちゃうかな。」
「いきなりセンターバックか。」
「最近の試合では、
図のようにプジョルが左、マルケスが右で始まることが多い。」
「昔から、この2人が組む時はそのパターンが多くないか?」
「確かにその通り。ただし、今の場合、左のジオを多く上げることが多いので、プジョルを左に置いた方がカバーにおいて安心感があるという点が、この配置の意味合いとして大きい。」
「まあそうやろな。マルケスの足の遅さは有名やからな。”走るマルケスより、ドリブルするホアキン”ってな標語もあるらしいぞ。」
「、、、それはさておき、この2人は試合の途中に位置を入れ替えることが多く、この試合でも替わっている。それは、主にボールを捌きが原因になっている。」
「ほう。」
「プジョルのロングパスの範囲を概念的にあらわすと、
図1のようになり、右サイドが死角になる。」
「ほう。」
「そうなると、相手チームとしては、一人のフォワードにマルケスをマークさせ、プジョルにわざとボールを持たせれば後ろは非常に守りやすくなる。」
「そんなもんか。」
「そんなもんだ。そこで左にマルケスを置けば
図2のように右サイドは死なない。おまけに、相手が同じようにマルケスをマークしても、こんどはプジョルが右に来ているので、
図3のようにロングパスの出る範囲は広い。だから、相対的に見てパスを出す場所に困らない。」
「しかし、それをやるとジオのカバーが甘くなるんじゃないか?」
「そう。それが痛し痒しだけど、マドリーのようにサイドに人がいないチーム対してはそれほどの問題にはならない。」
「そんなもんか。」
「そんなもんだ。」
「後ろはそれとして、前線ではなんかないのか?」
「前線でいうと、前半はロベルト・カルロス、ジダンの間へドリブルするメシが有効で、後半はサルガドの裏に入ったロナウジーニョが有効だった。」
「そうそう。人が聞きたいのはそういう話や。」
「ロナウジーニョでいうと、彼の2点はいずれも同じような文脈から生まれていて、
図4、
図5のようになっている。」
「いわゆるカウンターやな。」
「そう。まず、あの50分を過ぎた辺りの時間帯は、レアル・マドリーがサイドバックを無理矢理上げて点を取りに行っていて、それはある程度まで成功していた。」
「ふむ。」
「57分にペナルティーエリア内のサルガドがロビーニョのパスを受けて決定的なシュートを放ち、ビクトル・バルデスのパラドンが飛び出したの典型的な例だが、その代償として、守備ラインは常に3対3になっていた。」
「
図4でもそうやな。」
「だから、あの時間帯は、マドリーが右サイドから点を取るか、3人残したバルサの前線が追加点をあげるか、という展開だった。」
「それで結局バルサの勝ちか。」
「まあ、そうやな。ただ、レアル・マドリーの攻めは後ろを無視した無茶攻めだから、もともと無理な賭けだった。そういう意味では、確率の高い目が妥当な形で出たともいえる。」
「なんじゃその真面目くさった言い方は?」
「なんにせよ、ロナウジーニョのドリブルシュートは、切れ、爽快感、スピード感において抜群のものがあるので、是非ともニュースその他で見ていただきたいと思う。」
「確かに。あれはいわゆる必見というやつだな。」
「そして、バルサの3点目だが、
図5を見てもわかるように、レアル・マドリーの配置は馬鹿げている。」
「ほれ、マドリーについては語るな。血圧が上がるぞ。」
「、、、この場面では、選手が中央に固まり過ぎてパスを出す場所がなく、バティスタがボールを失った。そして、それをデコに拾われて、後は見ての通りやな。」
「しかしあれやな。セルヒオ・ラモスもここまでドリブルで置いていかれたことはないやろな。」
「多分な。体を当てる暇さえもらえなかったのは初めてなんちゃうか。」
「それで、ベルナベウの観衆はロナウジーニョに拍手を送ると。」
「まあな。あそこまでやられたら、もう、それしかないやろ。」
「いやいや。あの態度は素晴らしいと思うぞ。」
「”最悪だったレアル・マドリーの中で、ファンの態度だけが救いだった。”とか言い出すのはやめてや。わしはそういう逃げ口上みたいなんは嫌いやねん。」
「アホか。誰もそんなベタなことは言わへんわ。わしには、あの試合のアイドルが別におんねん。」
「誰だ?」
「イッティやイッティ」
「イッティ???」
「わからん奴やな。審判のイットゥラルデや。」
「、、、どこで彼はイッティなどと呼ばれているんだ?」
「ここでや、こ、こ、で。」
「、、、」
「彼のレフェリングは良かったで。大荒れになってもおかしくなかった試合がほとんどなんの事件もなく終わった。」
「確かに。」
「試合が始まった時に、一番精神的に安定していたのがイッティやと思うんやな。ものすごく落ち着いた、いい顔をしていた。そんで実際にあの裁きやろ。大したもんや。」
「それはそう思う。」
「わしとしては、彼がワールドカップに行けばいいと思うんやけどな。ダウベンやメフートよりずっといい審判だと思うぞ。」
「多分あれだな。それは芸風の問題とちゃうか?イットゥラルデは、文句をつける選手に対して審判の方がしゃべり倒してペースを握るところがあるから、スペイン語が通用しない相手には難しいかもしれん。」
「そうかねぇ。ドイツで笛を吹く彼を見たいけどなぁ。」
「まあ、それが実現することを祈っとるわ。」
「そうか。ありがとう。ほんなら、わしは君の好きなチームが復活することを祈ってあげるわ。」
「復活ねぇ、、、それよりもなによりも、会長さんをどうにかできんもんかねぇ、、、」

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