「いやー、遂にペレスが辞めたな。」
「ああ、辞めよったな。」
「なんや。もうちょっと喜ばんかいな。いつもお前が望んでいたことちゃうんか。」
「いや、嬉しいことは嬉しいんだが、なんで月曜日に我々がしゃべっているのか、というのが心に引っかかるわけだ。」
「なんや、そんなことか。先週の水曜日にチェルシー対バルサに枠を取られたから、その埋め合わせらしいで。」
「なんじゃそりゃ。」
「まあええがな。今日はフロレンティーノの辞任にからめて、彼の作ったマドリーを時間をさかのぼって眺めようという企画なわけだ。」
「そうか。」
「じゃあまず
これからいこか。」
「これは、あれやな、ロペス・カロが上手く行っていた時のマドリーやな。」
「そうや。」
「ボランチの弱さをバティスタが下がってカバーして、ロビーニョが左前に残ってカウンターをしかけるというやつやな。」
「それが
こうなるわけやな。」
「うむ。ロナウドがトップに入ると上の話が全部崩れてチームのバランスがボロボロになると。」
「それならなんでカロはロナウドを起用し続けたか、というのが問題なわけだが。」
「それは上の問題かと。」
「なんや。会長が外せない選手を指定するから、とはっきり言わんかい。」
「まあ状況証拠はそうやけどな。」
「それで、次の
これはどうや」
「なんじゃこりゃ?ロペス・カロがこんなことをやったか?」
「監督はルシャや。」
「クラシコか?」
「正解。」
「0−3のあの試合もひどかったわな。」
「で、
これはどうよ。」
「今シーズンのルシャの基本形か。」
「それで、
このような形もあるわけだが。」
「ああ、懐かしいな。デポル戦の後半やな。」
「セルヒオ・ラモスがボランチで、バルボアが右サイド、トップがソルダドときたもんだ。」
「まあ、人手不足やったからな。」
「それにしてもひどいやろ。」
「確かに。でも、ソルダドは使い続ければ結果を出す選手やと思うで。」
「それで、
この図が出てくるわけだな。」
「ユニフォームが変わったな。」
「その辺がヒントやな。」
「04−05シーズンの後半、バルサを猛追したころのカウンターマドリーやな。」
「これは強かったな。」
「3人ボランチ気味でラインの前をカバーして前の3人でカウンターというのは、戦い方がわかりやすいしな。」
「しかし、ジダンがこの位置はないな。」
「それは言わない約束やろ。わしは、この時期に大活躍したオーウェンを次のシーズンで切られた恨みがまだあんねんけどな。」
「わりとしつこい奴やな。それで
これはどうや。」
「ユーベに負けた後、一時的に1−4−2−3−1に戻った頃やな。」
「というか、ラウール・ブラボの右サイドバックとはこれいかに、ちゅう感じやな。」
「まあ、それも含めて上手くいかずに、上のカウンターマドリーに変形するわけだが。」
「で、
こんな図もあると。」
「ああ、フィーゴがトップ下に近づいた奴か。」
「ルシャの最初の大手品やったな。」
「でも、この配置でよくユーベと互角近くに戦えたと思うぞ。」
「なにしろ魔法やからな。で、
これに見覚えがあるか?」
「ケイロスか?」
「サムエルがおるやろ。」
「じゃあガルシア・レモンか。」
「そう。彼には、
こんな図もある。」
「これはデビュー戦やろ。」
「これを見るとレモンは1−4−2−3−1をやりたくてやったとは思えんな。」
「まあな。」
「それで
これは強烈やで。」
「これは、カマーチョ大先生がご乱心されてベッカムとラウールをベンチに置いたエスパニョール戦やな。」
「なんかカマーチョの叫びが聞こえて来そうな布陣やな。」
「俺はもっと走るチームが欲しいんだ。てな感じか。」
「これは、クビ覚悟の会長への反抗と見てええんやろな。」
「そりゃもう、試合前には辞める気だったんだと思うぞ。」
「その前は、
こういう感じだった。」
「あれか、ケイロスがなんとか勝ち続けていた頃か。」
「ベッカムとグティのダブルボランチでどうよ、という布陣やな。」
「最初は良かったけど、ベッカムにプレッシャーをかけられるとどうにもならなかったな。」
「で、その最終的には
こうなるわけや。」
「ケイロス最後の試合か。ジョルディとボルハやな、ボランチが。」
「そして、男の散り際が
こうなるわけだ。」
「ああ、、、血染めのメッセージやな、、、」
「いわゆるフィーゴボランチ説というやつや。」
「いや、フィーゴはボランチに近づきたくないんだけど、前と横が人で詰まっているから自然とそうなるわけだな。」
「これが、ケイロスのダイイング・メッセージなわけか。」
「わしはそう思うで。そこまでバランスの悪いチームを何とか飛ばして来たのに、全責任を負わされて首を切られたケイロスが、チームに何が足りなかったのかを明快に表したメッセージやと思うで。」
「カマーチョもケイロスも、メンバーで何かを言い残して去ったわけか。」
「チームを去ることが決まった監督は、最後にそういう事をやりたくなるのかもしれんな。」
「しかし、こうして見ると3年前からなにも変っとらんな、マドリーは。」
「そう言うことやな。デル・ボスケとマケレレが去った後は、どんどん重くなる前線をボランチが支えきれなくなっていて、来る監督の仕事と言えば、その矛盾をどうやってごまかすか、ということだけやった。」
「ワンボランチにしたり、ダブルにしたり、人をコンバートしたり色々やっても、結局ボランチの回りが開く弱点だけは延々と保持し続けたわけやな。」
「まあな。監督とチーム・ディレクターが何度も変わって、3年同じことを繰り返したとしたら、責任者は一人しかおらんわな。」
「でも、去り際は綺麗やったんちゃうか。」
「まあそれも見かたは色々やで。」
「どういうことや。」
「次のアーセナル戦に負けた後に辞めるのと今辞めるのでどちらが自分へのダメージが少ないと思う?」
「それは今やろ。」
「やろ。もちろんアーセナルに勝つという可能性もあるわけだが、マジョルカ戦を見る限りその確率は果てしなくゼロに近い。」
「まあそうかね。」
「となると、まだ会長への非難が小さい今のうちに辞めた方が彼はイメージを保てる。今のマドリディスタは、アーセナルになんとか勝てるかもしれない、というはかない希望でなんとか保っている状態だから、それがなくなったらえらいことになるで。」
「なんや、結局は保身やと言いたいんか。」
「わしはそう思うで。」
「あいかわらずひねくれた奴やな。」
「いや、わしは素直に世の中を見ているだけやけど。」
「ほんで、マドリーは変わるかね?」
「どうやろ。後任のフェルナンド・マルティンはペレスの右腕らしいからな。」
「でも、デル・ボスケやイエーロとは仲良しらしいで。」
「らしいな。でもな、監督の交代の前に、ロペス・カロに先発その他を決める全権を渡して欲しいと思うな。それが最低の出発点やで。」
「取り敢えずは週末のアトレチコとのデルビかね。」
「そこでどう変わるかやな。監督の交代がチームに及ぼす影響を見る機会は沢山あるけど、会長の交代はなかなかないから、結構注目かもしらんな。」
「そうやな。」
「あのな、一つ質問があるのだがええか?」
「なんや。」
「今回は試合の話をまったくしていないような気がするのだが、それでいいのか?」
「ええところに気付いたな。」
「やろ。」
「それについては、ペレスが良いことを言っとったで。」
「なんや。」
「かいつまんで言うと、”チームには一体感が必要だ。チームが得点を決めたら、マジョルカのように皆で喜んで欲しいもんだ。セルヒオ・ラモスのゴールが決まった後、そのような姿は見られなかった。”というやつや。」
「ああ、それか。」
「ゴールを決めてマーキュリーのポーズを決めたセルヒオ・ラモスが立ち上がった後、振り返ったら誰も来てなくて、ちょっとビックリしとったからな。」
「いや、ベンチではもっと凄いことになっていて、ゴールを見たミチェル・サルガドは、最初は拍手どころか微動だにしなかったぞ。」
「その辺にマドリーの敗因は詰め込まれていると思うぞ。」
「じゃあマジョルカの勝因なんや。」
「守備でサイドチェンジに振られないように対応したことと、プレスか待ちかの判断が正確だったことが大きいんちゃうか。」
「そうか。」
「まあまあ、マジョルカに負けたマドリー派にとっては、今週は長い一週間になるやろうから頑張ってくれ。」
「まあ、今後に期待し過ぎない程度に頑張ってみるかね。」

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