Barcelona vs Real Madrid
07.03.09.sabado
日時:2007年3月9日(土)
対戦:第26節 バルセロナ対レアル・マドリー
結果:3−3
得点:5分 0−1 ファン・ニステルローイ
11分 1−1 メシ
13分 1−2 ファン・ニステルローイ
27分 2−2 メシ
73分 2−3 セルヒオ・ラモス
90分 3−3 メシ
審判:ウンディアーノ・マジェンコ(ナバーロ)
退場:オレゲル(45分、バルセロナ、イエロー2枚)
警告:マルケス、シャビ、デコ(バルセロナ)
セルヒオ・ラモス、ファン・ニステルローイ、ディアラ、サルガド(マドリー)

「さて、今回はヘタッフェ対レクレをお送りするわけだが」

「そうか」

「その前に避けては通れないバルサ対マドリーなわけだ」

「うむ」

「今回のクラシコは、色々な意味で恐ろしい試合だった」

「特に戦術的な意味では、戦慄すべき試合だったと言っていい」

「そうやな」

「まず先発はというと」

このようになっていた」

「両者ともに、妙に上と中央に選手が固まった布陣になっている」

「確かに」

「そして、このシステムというか配置は、守備的に穴だらけなんやな」

「特にバルサがそうやな」

「図にあらわすと、このようになる」

「赤がバルサの穴で、青がマドリーの穴やな」

「バルサのように、1-3-4-3で中盤を菱形に組むシステムの弱点は、サラゴサ対バルサを見ていただくとして」

「実践でも、その理屈通りに、空くべき場所が空いていた」

「まず、開始早々の2分5秒にこのような形があった」

「赤い場所に驚くほど広大なスペースが生まれている」

「まさに1-3-4-3菱形の弱点が出ている」

「しかしだ」

「なんだ」

「このシステムの眼目は、後ろにスペースを空けるのを覚悟の上で、前からプレッシャーをかけることにあるわけだ」

「そうやな」

「ところがどっこい、今のバルサはそうではない、というのが次の図なわけや」

こうなる」

「まず、図の上の絵では、レアル・マドリーの左センターバックであるセルヒオ・ラモスがボールを持っている」

「しかし、見ての通り、まったくプレッシャーはかかっていない」

「おまけに、その横のミゲル・トーレスの近くにも誰もいない」

「こうなるとディフェンダーは落ち着いてパスを出すことができる」

「そして、バルサの後方は、下の図のように大穴が空いているから、出す場所にも困らない」

「この場合は、左サイドの穴にファン・ニステルローイが走って、そこにパスが送られている」

「この一本のパスで6人の選手が置き去りにされるわけやな」

「そういう話になる」

「後ろは大穴、前は中央にロナウジーニョを置く関係でプレッシャーがかからない」

「これでは守れるはずがない」

「例えば、次の図を見ても、意味のわからない場所にテキサスの野のごとき大平原が広がっている」

「いや、テキサスの野を見たことはないけどな」

「わしもないけどな」

「そして、この試合のバルセロナのディフェンスは、これに留まらず新しい守備隊形を生み出した」

こんな感じやな」

「中央で4人か5人が四角状に位置を取り、サイドをガラガラに空ける」

「例えばこうなる」

「これはひどい」

「ひどいとか、そういうレベルの話でもない」

「この形でサイドに展開されたらどうするのかと」

「まあ、どうにもならんわな」

「実際にも、下のように、左サイドに流れたイグアインにボールが渡って、その後、センタリング、クリアがこぼれる、ファン・ニステルローイのシュート、マドリーの先制点と話が進む」

「ディフェンスとしては終わった状態なのだから仕方がない」

「そして、その7分30秒後にもこのような形になる」

「ほとんど同じ形やな」

「今度は左サイドを駆け上がるグティにパスが出てドリブル、PKエリアで切り返したところをオレゲルが倒して笛が鳴る」

「これをファン・ニステルローイが決めてマドリーの2点目につながる」

「この2つだけでも、バルサのディフェンスはバカバカしいほど酷いわけだが」

「どうした」

「さらに凄いことにこれを越える形がある」

「ほんまかいな」

これがその図で、選手が十字に配置され、周囲のスペースはどこもカバーされていない」

「これは最新式やな」

「まさに相手がミスをするのを祈るしかない状況になっている」

「マドリーが3点を取った背景には、このようなバルセロナのディフェンスがある」

「そして、レアル・マドリーの方に目を転じると、バルサよりはましとはいえ、守備はガタガタだった」

「特徴としては、のように、サイドに位置するべきグティとラウールが中央に入ることによって、サイドライン際が大きく空く」

「バルサとの違いは、その空いたスペースの後ろにサイドバックがいて、一発で致命的な状況にならないことやな」

「しかし、この状況では、バルサのサイド、エトーやメシ、もしくはサイドに流れてきたロナウジーニョにボールが入りやすい」

こんな形やな」

「単純なサイドへのパスが通った後、下の図のようにボールを受けた選手の周囲が大きく空く」

「こうなるとディフェンスは下がらざるをえないし、ボランチはサイドに詰めざるをえない」

「そうなると最終的にのような形になることが多い」

「中央と逆サイドがスカスカになるわけやな」

「その通り」

「まあ、両者共に組織的な戦術という意味では、最低に近かったということが見て取れる」

「最低というか、小学生並みやな」

「チャンピオンズリーグから敗退したのもうなずけるかと」

「残念ながら」

「そして、これとは打って変わって、組織的な守備が目立ったのがヘタッフェとレクレアティーボの試合だった」

「先発はこうだった」

「レクレはいわゆる本当の1-4-4-2ですべてのラインの選手が平行にならぶ」

「そして、選手間の距離を常に保つように移動する」

「これはいわゆるアリゴ・サッキの連環の計というやつやな」

「今では、”ボールに近いところは密に、遠いところ疎に”という形で、選手の距離に濃淡をつけるのが主流だから、レクレのやり方は非常に珍しい」

「これに対して、ヘタッフェは1-4-1-4-1に近い」

「パチョンの位置がフォワードか中盤かは微妙やけどな」

「それが原因で点線の場所が空き、前半はいったりきたりの展開になった」

「ボール支配率では圧倒的にヘタッフェが勝ってたけどな」

「しかし、チャンスの数ではレクレの方が上回っていた」

「そして、後半に入ると、のように配置が変わる」

「シュスターが殴りあいを嫌ったわけやな」

「パチョンを右に回し、コテロを中央に入れている」

「本質的にフォワードのパチョンを外し、ボールを追いまわせるコテロを入れることで、中央の守備を固めたわけか」

「そういう話になる」

「しかし、ヘタはホームで戦っているのに手堅いな」

「その辺が戦術的な呼吸として面白いかと」

「シュスターも、最後の最後まで守る気はなく、73分にはパチョンをアルビンに変えている」

こうやな」

「フォワード、もしくは、トップ下の選手であるアルビンを中央に入れることで、もう一度勝負をかけている」

「勝負は最後の20分ということやな」

「ところで、ヘタッフェのシュスターは、来期のレアル・マドリーの監督だと言われている」

「そういう噂やな」

「しかし、シュスターは、この試合でも垣間見られるように、相手に合わせて細かくチームを調整するタイプであって、今の粗大なマドリーに合うとは思えないのだが」

「そこを解決するためにもシュスターなんやろ」

「いや、守備の細かさに関して知られたカペッロが監督をして、これだけ粗大なサッカーをしているのがマドリーの現状やで」

「それもそうやな」

「果たしてシュスターが就任したところで、なんとかできるものなのかどうか」

「そこは来期のお楽しみというところで」

「今週はこの辺で」

「また来週」

「ご機嫌よう」



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