Real Sociedad vs Atletico
07.04.21.sabado
日時:2007年4月22日(土)
対戦:スペインリーグ31節 ソシエダー対アトレチコ
結果:2−0
得点:6分 1−0 コバチェビッチ
83分 2−0 サビオ
審判:メディーナ・カンタレッホ(アンダルシア)
退場:リュクサン(70分、アトレチコ、レッド)
エレル(80分、アトレチコ、イエロー2枚)
警告:コバチェビッチ(ソシエダー)
ガビ、ペルニア、ミスタ(アトレチコ)

「さて」

「どうした」

「今週のリーガは波乱の展開だった」

「波乱と言うかなんと言うか」

「バルサはビジャレアルに負け、バレンシアはマドリーに負け、アトレチコはソシエダーに負けた」

「マドリーがバレンシアに勝つのはそんなに不思議でもないと思うが」

「中でもソシエダーの勝利は意外だった」

「そう言えなくもない」

「先発はこんな形をしていた」

「アトレチコはいつもの布陣で、ソシエダーは1-4-2-3-1やな」

「最近はこの形で戦っている」

「コバチェビッチがトップ下というのは目新しいな」

「このシステムの狙いはこのようになっている」

「ふむ」

「根本的に攻撃の鍵を握るのはサビオで、それをガリードがフォロー。中でディアス・デ・セリオ、コバチェビッチ、シャビ・プリエトが叩く」

「ディアス・デ・セリオは最近、ディエス・デ・セリオに改名したらしいけどな」

「面倒なので、今シーズンは変えずにいこうかと思う」

「しかし、普通に考えるとトップ下は、コバチェビッチよりもパスの上手いアランブルで良さそうなものだが」

「そこは、困った時のロングボールのためやと思うで」

「うむ」

「アランブルは競り合いに強くないからな」

「抜群に上手いのにな」

「ソシエダーは、前線の4人と左のガリードが攻めるのを、ボランチ2人とセンターバックと右サイドバック、キーパーの6人で守る構成になっている」

「これは大変やな」

「なんでや」

「中盤前方の3人、サビオ、コバチェビッチ、シャビ・プリエトは揃いも揃って遅いやろ」

「まあそうやな」

「ここが戻れないと、どうしてもサイドバックの前が空くわけだ」

「それはそうなる」

「センターバックの弱いソシエダーがこの状態で持つのかどうか、心配にならんかね」

「それで言うとだな」

「なんだ」

「アトレチコの攻撃が始まるのは左のフラドからなわけだ」

「いわゆるトリガーという奴やな」

「ソシエダーのシステムで空く場所というのは、ちょうどフラドの生息地域で、これはまずい」

こんな感じか」

「フラドの応対に出るのはヘラルドで、彼が縦に抜かれたり、間合いを詰めきれずに簡単にパスを通されると非常にまずい」

「それで結果はというと」

「見事に抜かれなかった」

「ヘラルドは大したもんやで」

「フラドは押さえるわ、センターバックの子守は堅実だわ、ロングボールにフリーキックも正確だわで得がたい選手やな」

「あと、ソシエダーの動きを見ていると、前線でこのような狙いを持っていた」

「右から右からか」

「アトレチコのバックラインからパスを出せるのはエレルかペルニアで、それにプレッシャーをかけるディアス・デ・セリオは、エレルの左足に右からかぶせていた」

「そうすればアトレチコの右サイドにボールが流れる割合が多くなる」

「そうなれば、パスの下手なパブロとペレアにボールが渡る」

「これによってフラドにいいパスが出る確率も少なくなるし、ミス大王のペレアがボールを渡してくれるのでチャンスも増える」

「ソシエダーとしてはほくほくやな」

「ただし、ガレッティとガリードの1対1が増えるので、それが心配ではある」

「ガリードは抜かれやすい体質やからな」

「それを差し引いても、アトレチコの右サイドにボールを流す利点は大きいということかね」

「おそらくそうやな」

「ちなみにこの試合のソシエダーの先制点はこのような形から生まれた」

「左サイドでガリードとのパス交換からサビオが抜け出し、中で上から順番に、ディアス・デ・セリオ、コバチェビッチ、シャビ・プリエトが待っている」

「ペナルティーエリア角の手前から、キーパーエリアの手前に入れられたボールをコバチェビッチが叩いてゴール」

「これほど狙い通りに決まるのも珍しい」

「この形はシュート練習にも使えるな」

「どういうことや」

「いや、始まりがこの形だったらゴールになる確立は非常に高い。つまり、意図的にこの形を作れればゴールは決まりやすい。ならばその最初の段階として、シュート練習の時にこの形でやる、というのは有効だろうと思うわけだ」

「状況練か」

「まあそういう感じや」

「それにしても、ソシエダーはよく勝てたもんやな」

「先週のベティス戦といい、今回のアトレチコ戦といい、負けてもおかしくない試合だった」

「基本的にセンターバックにミスが出すぎやからな」

「特にアンソテギが酷くて、クリアボールが足に当たらずエリア内の敵に渡す。裏に出るパスの目測を誤る。キーパーが出てくると思い込んでボールをスルーして敵に渡す。などなど、鬼のようなミスを連発する」

「どうしたことかと」

「まだ24歳と若いので、この降格のかかった状況ではいたしかたないかと」

「この試合の1つの見所は、アンソテギとペレアのミスの応酬にもあったわけだが」

「それは違うと思うが」

「今週は、この2人を超える鬼のミスを連発していたディフェンダーがいてだな」

「というとあれか」

「それだ」

「あの彼か」

「うむ」

「シガンか」

「ビジャレアルのセンターバック、パスカル・シガンなわけだ」

「彼はすごかったな」

「ゴール前で取り返したボールをすばやく中央にパス。ペナルティーエリア前の敵に渡した時はどうしようかと思ったぞ」

「いや、どうにもならんだろ」

「33歳を目前にして、1試合に3本も相手へのパスをするとはどういうことかと」

「彼のおとぼけぶりは昔から定評のあるところやからな」

「先発はこうなっていた」

「バルサはまたもデコ、シャビ、イニエスタにメシ、ロナウジーニョを入れてザンブロッタか」

「そうやな」

「これは駄目だと結論が出ていると思っていたが」

「まだ諦めていないらしい」

「ヘタッフェ戦の後半はロングボール一発でアップアップやったのにな」

「しかし、この試合は少し状況が違ってだな」

「なんだ」

「ビジャレアルは、トマソンとギジェ・フランコが使えない関係で、ロングボールに強いフォワードがいなかった」

「ホセ・マリを一番前に持って来て競らせる方法はある」

「しかし、トラップが離れがちな彼では苦しい」

「うむ」

「そこでどうするのだろう、と思っていると、最前線にフォルラン、その下にピレスだった」

「ボールの動きとしてはこんな具合か」

「ピレスに入れてバルサの中盤を引き付ける。そうするとロナウジーニョもメシも戻りが甘い相手のサイドは無人の野だから、好きなようにボールを前に運ぶことができる」

「そうなると、デコ、イニエスタは深い位置まで帰らざるを得ない」

「この場合、ピレスが中盤でキープできるかどうかが鍵だが、なんの問題もなかった」

「神様のように上手く見えたしな」

「むしろ、中盤の守備を弱くしたバルサのおかげで、上手いピレスがさらに上手く見えたという話やな」

「ちなみに、ビジャレアルは守備でも特徴的なことをしていて、図で表すとこうなる」

「サイドの2人がマンツー気味なわけやな」

「その通り」

「通常、サイドバックというのはセンターバックとの間を保つように動くけれども、この試合ではぎりぎりまでサイドに残り、メシとロナウジーニョをマークしていた」

「こう守ると、なにが怖いといって、中盤から赤いゾーンに出てこられるのが怖い」

「守る手段がほとんどないからな」

「これを防ぐためには上の話に戻って、ビジャレアルがボールを持った時にサイドから押し込み、イニエスタとデコをできるだけ後ろに押し下げればいいという話になる」

「それができなければビジャレアルの負け、という話になる」

「その辺りのせめぎ合いはエキサイティングやったな」

「そうかね」

「バルサの中盤が甘すぎる分、ビジャレルの思惑通りに試合が進んでいたとは言え、サイドバックを上げて相手を押し込む分、一発のカウンターや個人技で沈む可能性もあった」

「それはそうやけどな」

「前半は、ビジャレアルの側に2回チャンスがあった後、バルサにも3回チャンスが来た」

「そのうちの1回はキーパーと1対1になる決定的なものだった」

「それを乗り越えた後半からは一方的なビジャレルペースになって見事勝利。ビジャレアルの側からしたら熱いことこの上ない展開だった」

「バルサはまたも自爆しただけという話やけどな」

「ちなみに、後半途中からのバルサはこうなっていた」

「イニエスタが左サイドバックかね」

「どういう意図かはわからないが、それに近い位置でプレーしていた」

「これだけ夢見がちに上手い選手をピッチ上にばらまいても、後半のバルサのチャンスはグジョンセンのシュートの1回のみ」

「バランスというのがいかに大切かを思い知る出来事ではないかと」

「バランスで言うと、ビジャレアルの交代も面白い」

「ピレスからホセ・マリやな」

「この時、ホセ・マリがそのままトップ下の位置に入っている」

「そうやな」

「もし、前半の意図を継続しようと思ったら、ホセ・マリを右に置き、カニを中央に置くという手もある」

「カニの方が明らかにボールキープからのパスは上手いな」

「つまり、ここでペレグリーニは、中央でボールをキープすることよりも、動けるホセ・マリでバルサの中盤にプレッシャーをかける、という道を選んだことになる」

「面白いな」

「非常に現実主義的な采配ではないかと」

「カニを中央に置いていたらどうなったか、とうのは興味深い問題やな」

「この試合では、メシをマークするホセ・エンリケの見事なプレー振りと、自分達の強い部分をバルサの弱い部分に当てて、時間とともに試合を支配したビジャレアルの戦いが注目ではないかと」

「うむ」

「そして、最後にこの試合が来るわけだ」

「セビージャ対アスレチックか」

「そう」

「アスレチックは5バックやな」

「それはこういう意図を含んでいる」

「セビージャが4トップにセットアップしてくるから、最初から5人置けば数的不利を招かない、ということか」

「そうやな」

「しかし、この配置だと、セビージャの右サイドバック、アウベスにガビロンドとジェステが向かい合うことになる」

「それなんやな」

「ガビロンドもジェステもアウベスのスピードには絶対についていけないし、そもそも守備に強くもない」

「しかし、もしそこを止めることができたら、左に残り気味になるエチェベリアにボールを回してカウンターの楽しみがある、という配置なわけだ」

「それで、ガビロンドとジェステは耐え切れたかというと」

「前半はどうにかなったけれども、後半開始からどうにもならなくなった」

「ガビロンドがポジションに戻らず、ジェステとアウベスが1対1になるようになった」

「これは非常にまずくて、1点目もその流れから生まれた」

のようにセビージャがボールを持った場面から始まる」

「この時ガビロンドは中央の高い位置にいる」

「こうなるとサイドにパスが出た時、非常に薄い状態になる」

「つまり、サイドでの数的優位を保てない」

「ちなみに、この図では、セビージャの前線に4人置くセットアップ状態を確認することもできる」

「戦術的に正しくやるなら、ジェステとムリージョは素早くサイドに寄せて、その穴をガビロンドが下がって埋めるしかない」

「しかし、ガビロンドは戻ってこず、結局中央からアウベス、ルイス・ファビアーノと渡って、最後はケルシャコフに決められてしまう」

「相手の強い部分に自分の弱い部分が当たっていると、時間の経過とともに苦しくなる、ということかね」

「そうかもしれん」

「バルサの試合もそうやしな」

「ただ、セビージャ戦を見ると、短時間なら、相手の強い部分に弱い部分を当てることで呼び込み、その逆からカウンターをかける、という手はある」

「博打やな」

「弱い方のチームが一発勝負で使うとしたら有効かもしれんで」

「そうかね」

「そんなこんなで」

「今週はこの辺りで」

「また来週」

「ご機嫌よう」



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