Atletico Madrid vs Zaragoza
06.10.29.domingo
日時:2006年10月29日(日)
対戦:第8節 アトレチコ・マドリード対サラゴサ
結果:0−1
得点:0−1 91分 オスカル
審判:ムニス・フェルナンデス(アストゥリアス)
退場:−
警告:(アトレチコ)
(サラゴサ)

「アトレチコは負けてしまった」

「うむ」

「国王杯も含めると3連敗やな」

「ちなみに、その3試合はすべて0-1で負けている」

「ちょっとまずい状態ではないかね」

「とにかく点が取れんな」

「チャンスはあるねんけどな」

「この試合でも、ガレッティとリュクサンが相手ゴール直前でヘディングシュートを放つ場面があった」

「あったな」

「2つとも100%のゴールチャンスだったけど、ガレッティはキーパーに阻まれ、リュクサンは豪快に枠の外に決めた」

「その前のデポル戦でもミスタが100%のヘディングを外していたから、アトレチコは頭に呪われているといえる」

「頭と怪我やな」

「この試合の先発はのようになっていた」

「アトレチコはデポル戦と同じく1-4-1-4-1、サラゴサは普通の1-4-4-2やな」

「サラゴサの方は、アイマールがいた時は中盤を歪んだひし形に組んでいたけど、ごく普通のシステムに変更されている」

「前半はアトレチコが有利だったと見ていいのかね」

「いいと思う。アトレチコは決定的なチャンスを何度か作ったのに、サラゴサは相手ゴールに近づくことすらできなかった」

「ボール支配率も64%対36%でアトレチコが有利だったからな」

「しかし、そのデータはほんまなんかね」

「なんでや」

「64対36といったら、バルサ対レクレなみの数字やで」

「前半のサラゴサはしっかり守ることに重点を置いていたから、その影響ちゃうか」

「どうも納得できんのやけどな」

「それに、1-4-1-4-1で守ったアトレチコを相手にしたら、そう簡単にボールはキープできんよ」

「それはそうやけどな」

「この形で守るアトレチコは異常に硬い」

「ただし、2つ問題があるけどな」

「なんや」

「1つは、アグエロの居場所がない」

「サイドで使えばいいだけじゃないか?」

「アギーレの性格からして、中盤前方の4人は忠実に走る選手しか置きたがらない。そうするとそこにアグエロの居場所はない」

「それならトップに置くか」

「そこはトーレスの指定席だし、1-4-1-4-1の一番前はアグエロのように前に行きたがる選手には向かない」

「じゃあベンチに置いておけばいい」

「そうすると会長やらファンが騒ぎ出すからチームが安定しない」

「会長まで騒ぐかね」

「エンリケ・セレッソは、アグエロが先発しない意味がわからずに悶絶寸前だと言われている」

「そりゃ大変やな」

「やろ」

「このアトレチコは強いのに理解されないもんかね」

「守備の強さ、チャンスの数、どちらも相手を上回っているのに結果が出てないからな」

「それで、2つ目の問題というのはなんだ」

「眠いねん」

「なにが」

「だから試合を見てると眠くなるんや」

「それはお前の問題だと思うが」

「いや、確実に眠いぞ。守備でも攻撃でもわかりきった動きしか起こらないから開始20分くらいで強烈な眠気に襲われる」

「それはアトレチコが悪いというより1-4-1-4-1全般に言えることではないかね」

「そうやねんけどな」

「それにこの試合の後半はなかなかスペクタクルだったぞ」

「確かに」

「前半は0-0で終わって、後半になるとサラゴサの配置がのようにかわる」

「これは珍しい」

前半と比べると、サラゴサは中盤の右左が丸ごと入れ替わっている」

「ふむ」

「次の交代はアトレチコが行い、61分にのような形になる」

「コスティーニャがフラドに変わって、アトレチコのシステムは1-4-4-1-1やな」

「この辺からガードがとけて面白くなってきた」

「これに対してサラゴサは66分にセルヒオ・ガルシアを送り込む」

「それにしても、ついに彼の季節が来たな」

「彼とは誰や」

「セルヒオ・ガルシアのことや」

「季節が来たのか?」

「そりゃ来たに決まってる。これまでのセルヒオ・ガルシアは、傍から見ると不思議なアイディアの持ち主で、なかなか周囲から理解されなかった」

「確かに多少ズレているような気がしなくもない」

「ありえない場所でスルーをしたり、わけのわからないヒールパスを見せたり、抜けそうにない場所を抜いてみたり、といった行動が多いわけだ」

「ふむ」

「それが原因でこれまで周りとの噛み合わせは今ひとつだった」

「そうかね」

「ところが、今の相方であるディエゴ・ミリートはそのアイディアが読めるみたいなんやな」

「ほんまかね」

「ほんまやって。ミリートがボールを欲しいと思う場所と、セルヒオ・ガルシアの謎のプレーがなぜか一致してるんや。そういう意味で遂に彼にも春が来たんじゃなかろうかと」

「ライバルはエベルトンやけどな」

「それが問題やねんけどな」

「それで、70分にはアトレチコが交代を行う」

のような形になるわけだが……」

「すごいことになってしまった」

「3トップかね?」

「そのように見える」

先発61分70分を見ると、恐ろしい勢いで形が変化している」

「ホームでは絶対に勝ちに行くアギーレの姿勢がよくあわられている」

「これに対して、ビクトル・フェルナンデスは、80分にラフィタをポンシオに代える」

「これはラフィタのテクニックより、ポンシオの運動量でアトレチコの空いたサイドを攻めていこう、という話やな」

「そして、84分にダレッサンドロをオスカルに代える」

「これが効いた」

「91分にオスカルが決勝点を決める」

「経緯はのようになっていた」

「右サイドからボールを受けたディエゴ・ミリートが中央でキープ」

「それを見てオスカルは斜めに走りこむ」

「スルーパスを受けてシュートを放つが、リュクサンのスライディングに阻まれる」

「弾んだボールに対していち早く反応したオスカルはヘディングで押し込む」

「これにてサラゴサの勝利が決定的になった」

「結果論としては、ビクトル・フェルナンデスの交代は的中し、アギーレの交代は裏目に出る形になった」

「まあ、スペースを空けての攻め合いになれば、餅は餅屋でサラゴサの方が有利だとはいえる」

「ちなみに、この場面ではオスカルの良さが非常によくわかる」

「そうかね」

「ゴールの場面を詳しく見ると、最初のシュートまではのようになる」

「ふむ」

「このシーンでは、走りこんだ方向とシュートの角度が大きくズレているためにバランスが保ち難い」

「それがどうした」

「ところが、体をひねりながらも、爪先立つようなバランスで体の平衡を保った。そのおかげでのように、いち早くこぼれ球に反応できたわけだ」

「そうか」

「彼はゴール前でまったく慌てずにシュートを決める稀な能力を持っているので、その辺りにも注目していただければと」

「オスカルはサラゴサのカンテラか?」

「いや、バジャドリーらしい」

「そうか」

「しかしなんだな」

「なんだ」

「アトレチコも最初から攻め合うような形にもっていけないもんやろか」

「監督の性格があるからそれは厳しいな」

「攻めれるだけの戦力はあると思うのだが」

「そうは言っても、理論的には、この試合の最初のように守って、決めるべきところを決めたら相当勝てるはずだが」

「それはそうやけどやな」

「ただ、今回の負けで、ちょっと尻に火がついた感じはあるかもしれん」

「来週のマジョルカ戦がアギーレの正念場かもしれないということで」

「今週はこの辺で」

「また次回」

「ごきげんよう」


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