この試合では、昨シーズンよりも様々な面で改良されたバルセロナが見られた。
攻撃面では、最終ラインでボールを落ち着けるテュラム、ポジションチェンジを繰り返しながらゲームを組み立てる3人の中盤、デコからエトーへのロングフィードが目についた。
これを図であらわすと、概念的には
このようになる。
昨年のバルサは、ボールを持ってのミスが多いプジョルの存在が弱点となることが多く、わざと彼にボールを持たせて組み立てを阻害するチームも見られた。
しかし、マルケス、テュラムでセンターバックを組んだ場合にはそのような弱点は見られなかった。
この日は、中盤の3人が互いに位置を変えながらボールを引き出し、そこから、細かいつなぎとデコのロングパスと組み合わせて崩す、とい攻撃が随所に見られた。
この一方で、後方からの組み立てと、中盤でのボールキープが安定し、昨年よりもロナウジーニョに頼る回数が減ったことで、
図の左サイドに記された攻撃が行なわれる場面も減少した。
前線のロナウジーニョにボールを入れ、それを左サイドバックが追い越す。スペースをもらったジーニョが中へ切れ込み、そのパスから相手を崩す。これが、昨シーズンの攻撃の核だったが、より多彩な攻撃を仕掛けられるようになった中盤からメシとエトーへのパスの供給が増えたことで、結果的にロナウジーニョへのパスは減少した。
これは、ロナウジーニョの変態的な技術を愛する人には悲報だが、チームにとっては良い方向に働くと予想される。
一例としては、バルサの中央から右サイドの圧力が増したことで、相手ディフェンスは、
図のような形で右に寄らざるを得ない場面が多く、結果として、左サイドのロナウジーニョが大きく空く場面が多かった。
この試合では、先週の怪我の影響からか、はたまたあまりにもフリーでボールをもらい過ぎてビックリしたのか、簡単なドリブルミスやパスミスを連発したためジーニョの活躍機会は少なかったが、今後は、より楽な状況での活躍が期待される。
一方、守備面では、一昨年に行なわれていた前線でプレスが復活し、特にメシの出足が著しく改善されている。
実際に、バルサの3点目は、メシの前への守備から始まった。
図のような形から、メシがエジミウソンへとパス。これはミスに終わったが、メシはコラレスに当りサイドに流れたボールに対して素早くプレッシャーをかけた。
この結果、引き起こされたバックパスにエトーが詰め、キーパーのキックを引っ掛けると、
図のような形でこぼれ球を拾った。
その後、前へのドリブルから中央へマイナスのパス、詰めてきたメシが冷静にキーパーの足の間を抜いてゴールを決めた。
この日のバルセロナは、多彩なパターンでゴールを決めており、
1点目は、パスを回した後、昨シーズンの得意な形から、デコとのワンツーで抜け出したロナウジーニョがアシスト、最後はエトーが押し込み、
2点目はデコのロングパスから縦に抜け出したエトーが決めた。
ボール回しからサイドでの崩し、
ロングパス一本からのシュート、
相手陣でのボール奪取からの
股抜き。
オサスナ側からすれば、やられたい放題の有様だった。
今のバルサは、去年からの弱点も改善され、構成上の問題はほとんどない。
しかし、中盤でボールをスクリーンをしようとして相手に奪われるエジミウソンのプレーと、どこにいくのかはボールに聞くしかないビクトル・バルデスのキックの2つは際立って謎の多いプレーといえる。(
図8)
謎といえば、バルセロナのディフェンスラインがこれからどうなっていくのかも大きな謎である。
少し考えただけでも
図のようなバリエーションがあり、これにはジオもベレッティも入っていない。
この2人を加えて、どのよう形がベストとして採用されるのか、今後の楽しみの1つだと考えられる。

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