「さてさて」
「なんだ」
「昨日はユナイテッドとローマが対戦したわけだが」
「うむ」
「ローマは7点を取られてしまった」
「7点はびっくりやな」
「問題の先発は
こうなっていた」
「マンチェスターは1-4-2-31でローマは1-4-1-4-1か」
「マンチェスターの狙いは
図のようになっていた」
「種はギグスとロナウドか」
「攻める狙いとしては、クリスティアーノ・ロナウドを右サイドの高い位置に保つのが鍵で、そのためにギグスが中央から戻ってボランチを助ける」
「ボールを奪った後は、ロナウドにボールを前に運んでもらって、左サイドからルーニー、中央からギグス、その後ろからキャリックでフォローしようとういう話なわけだな」
「おそらくそれが狙いだったのだろう」
「マンチェスターの1点目は開始11分に入り、狙いに近い形からだった」
「まず、ロナウドがマンチーニの前でうねうねとボールキープするところから始まった」
「
こんな感じか」
「マンチーニはロナウドに寄せきれず、そのため中央からピサーロとデ・ロッシが応援に駆けつけた」
「ところが、その裏側にキャリックが走りこんできた」
「
図のような具合やな」
「ボッカリと中央に空いた穴からループ気味のミドルシュート。これが見事にゴールネットを揺らした」
「見事な流れだった」
「しかし、この得点はありえない状況から生まれている」
「どういうことや」
「ローマの1-4-1-4-1というのは、サイドでキープされた程度では、絶対に中央が空かないシステムなわけだ」
「それはそうやな」
「もともと中央に3人いるから、サイドに2人ヘルプにいったところで、必ず1人中央に残る」
「つまり、1人さぼったわけか」
「この場合、ヴチニッチことブシニッチの動きが問題で、戻る時間があったにもかかわらず戻っていない」
「ピサーロがサイドに引っ張られた場合、彼がピサーロの位置を埋めるはずやな」
「
このようになっているべきである、という話になる」
「うむ」
「ところが、
実際の図ではブシニッチがいなかったため、サイドからウィルヘルムションことビレムションが駆けつけたものの間に合わなかった」
「普通の1-4-4-2やったら、右サイドの中盤が中央を埋めなあかんねんけどな」
「ところが、
前の試合(別ページ)で見たように、ローマの仕組みでは、攻めれられたサイドと逆サイドの中盤は、前に残りカウンターの種になる仕組みになっている」
「となると、やはりブシニッチのミスか」
「そういう話になる」
「なんにせよ、このゴールでトータルスコア2-2、アウェーゴールの差でマンチェスターが優位に立つ」
「ローマとしてはまずい状況やな」
「まずいといっても、1点取ればローマの勝ちになるわけで、80分も時間がある段階で焦る必要はなにもなかった」
「しかし、その6分後に2点目を奪われてしまう」
「
こんな形だった」
「マンチェスターがセンターバックに回したボールにブシニッチが猛烈にチェイス」
「それが左に渡ってセンターラインに向けて縦パスが出る」
「ダイレクトで中央にキャリックに渡り、これまたダイレクトでサイドにパスが出る」
「ボールは、中央に折り返され、ディフェンスラインの裏にパスが出る。これに反応したスミスがゴール右に決めた」
「とまあ、そういう次第になっている」
「これもまたブシニッチの動きに問題がある」
「彼が間に合いもしないボールに対して飛んでいったことで色々な問題が起こった」
「
図の形で、彼が無理に前に出たことで、まず1の場所にスペースが残り、それをデ・ロッシがカバーしようとしたことで2の場所にスペースが残り、それをディフェンスがカバーしようとしたことで3の場所にスペースが残った」
「いわゆるディフェンスの後追いというやつで、スペースが先に出来て、ディフェンスは後からそれを追いかけている」
「こうなると得点は生まれやすい」
「とはいっても、そうそう決まるもんでもないけどな」
「これで、2-0、トータルで3-2となり、マンチェスターが俄然有利になった」
「マンチェスター有利といっても、ローマは1点取れば同点延長に持ち込めるわけで、まだまだ焦る必要はなかった」
「ところが、この2分後には典型的なカウンターからゴールを奪われ3-0、前半終了間際にはドリブルで持ち込んだロナウドに決められて4-0」
「ほとんど終わった状態になってしまう」
「しかし、あきらめるわけにもいかないローマは、後半から少し配置を変える」
「
こうやな」
「パヌッチを右、カセッティを左に置いた」
「これは、
図のマンチェスターの弱点を突くためだと考えられる」
「マンチェスターは、ロナウドを高い位置に保つ関係で、赤い点線の部分が空きやすい」
「そのため前半は、パヌッチが上がると非常に高い確率でフリーになった」
「うむ」
「まあ、そこをカセッティで突いていこうという話だと思う」
「それか、パヌッチではスピードが足りないから、カセッティでロナウドを押さえようと思ったかのどちらかやな」
「点を取らなければいけない状況でそれはないやろ」
「そうかね」
「まあ、個人的には前半30分あたりから
こうして欲しかったとも思う」
「キブー左サイドかね」
「パヌッチが左足で上げるより、彼の左足で上げた方が100倍ましやろ」
「しかし、パヌッチセンターバックはいかがなもんかね」
「レアル・マドリーでもたまにやってたからいけるはずや」
「そんなアバウトな話やないやろ」
「まあ、センターは心配になるけど、キブーを上げればマンチェスターはそれに手当てをせざるを得ない状況になるわけだから、そうすると、ロナウドが下がるか、ギグス、ルーニーがより下がるかのどちらかなわけだ」
「相手が受けてくれたらそうやな」
「そうなれば、相手の作戦意図を挫くことができるし、もしマンチェスターが受けなければ、キブーに暴れてもらえばいいわけだ」
「博打かね」
「3点差、4点差になった時点で、どうせ負けたらなにも残らない試合なんだから、あり金を全部賭けるのもありやろ」
「相変わらず博打好きやな」
「そういえばだな」
「なんだ」
「キブーといえば、彼が20歳くらいのころ、アヤックスの練習場で見たことがあるわけだ」
「それがどうした」
「それで、トレーニングでは、決まった時間ごとに給水休みがあるやろ」
「あるな」
「その時、普通の選手は休みの合図とともにぞろぞろと水筒のある場所に歩いていく」
「まあそうやな」
「ところがキブーだけは、サイドに転がっているボールのに駆け寄ると、うれしそうにフリーキックを蹴ってから、小走りで水を飲みに行っていた」
「ふむ」
「よほどボールを蹴るのが好きなんやろな」
「まあ、実際に蹴るのも上手いしな」
「好きこそものの上手なれ、というやつやな」
「うむ」
「まあ、それで結局、49分、60分にマンチェスターが追加点を決めて6-0になる」
「その後のマンチェスターの変化は興味深くて、61分にギグスがソールシャールことソルスキアに代わった」
「
こうやな」
「そして、73分にキャリックがリチャードソンに代わると
こうなる」
「これは面白いな」
「中盤から前の配置が完全に変わっている」
「トップにいたスミスはボランチやしな」
「そして、さらに興味深かったのはマンチェスターの選手のプレー振りで、6-0であるにかかわらず、プレーの厳しさ、例えばトッティへのファールの激しさなどは変わることがなかった」
「それはかなりすごいことやな」
「普通どうしたって気が緩んでプレーが雑になるもんやけどな」
「確かに」
「結局、終わってみれば7-1。ローマの側としては、どうしてここまでやられたのか不思議な試合だった」
「ブシニッチのミスが引き金になってはいる」
「それはそうやけど、ここまでやられるほどの試合ではなかった」
「確かに、前半の10分までは、プレーのペースを落としてむしろ流れをコントロールしていたのはローマやったしな」
「ほんの少しのミスや、選手起用のズレが悲惨な結果を生むということかね」
「そして、そのような事態を目の当たりにして、自分で反省することしきりやわ」
「うむ」
「とまあ、そのような次第で」
「今週はこの辺りで」
「また来週」
「というよりもまた明日」
「ご機嫌よう」
「そういえば最後に1つ」
「どうした」
「この試合と
前回の試合は、ビデオもニュース映像もなく、試合を一回見て書いていますので、ゴール過程図の選手配置に間違いがある可能性が非常に高くなっています」
「それはいかんな」
「もし、ビデオをお持ちの方に間違いを指摘していただければ非常に幸いでありますので」
「どうぞよろしくお願いします」
「というわけで」
「こんどこそ本当に」
「また明日」

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