Milan vs Manchester U
07.05.02.miercores
日時:2007年5月2日(水)
対戦:チャンピオンズリーグ 準決勝 ミラン対マンチェスター・ユナイテッド
結果:3−0
得点:10分 1−0 カカー
29分 2−0 セードルフ
78分 3−0 ジラルディーノ
審判:ブレーケレ(ベルギー)
警告:クリスティアーノ・ロナウド(ミラン)
アンブロジーニ、ガットゥーゾ(マンU)

「さて、ミラン対ユナイテッドの試合は、大差で終わった」

「うむ」

「ミランから見たら完勝だった」

「先発はこうやったな」

予想とは少し違うな」

「ファーディナンドは怪我からの回復が完全ではなかったらしい」

「そしてカカーが逆に来ている」

「逆に描くほどのことではないかもしれんが、第1戦のようにキャリックをマークしていたわけではないことの反映やな」

「そして、そのスペースの具合はこうなる」

「まず、マンチェスターは、スコールズをピルロにつけて、右にギグスを固定した」

「スコールズのマンマークは、第1戦と同じで、右にギグスも予想(別ページ)通りと」

「ミランの攻めに強いのが左サイドで、そこにロナウドを置くとすっ通しになるからギグスが右に来たわけやな」

「しかし、そうなると、点線の位置に穴が空く」

「まずはロナウドの裏、ハインツェの前、@のスペースやな」

「ここはどうしたって空くわけだから、上がってくるオッドをハインツェが1人で押さえる必要がある」

「おまけに、そこにフォローに行くのがキャリックだからどうしても守備的に弱い」

「果たしてオッドがどのくらい良いクロスを上げられるか、というのが勝負だったわけだが」

「わりといい位置に上がっていた」

「スピードは足りないもののディフェンスの間、嫌な位置に上がるクロスがあった」

「よくわからんキックミスもあったけどな」

「とにかく、その影響もあって、クリスティアーノ・ロナウドは上がるオッドについて自陣深くまで帰らざるをえなかった」

「これはマンチェスターにとって非常にまずい」

「スコールズがピルロにつきっきりで、ロナウドまでが戻ると、前線でルーニーが1人きりになってしまう」

「となると押し込まれた後、押し返すのが難しくなる」

「次のスペースとしては、Aの場所が問題になる」

「ピルロの脇やな」

「スコールズがそのスペースを埋めない関係で、ガットゥーゾとアンブロジーニはわりと余裕を持ってボールを受けることができる」

「もし、そこからいいパスが出ればマンチェスターは困ったことになる」

「結果的には、これまたかなりいいパスが出ていた」

「特にガットゥーゾのゾーンの間を通すパスが意外といっては失礼なほど効いていた」

「これは、セリエA全体で彼を成長させた結果と言える」

「どういうことだ」

「昔、ユベントス時代のカペッロが、”ガットゥーゾに50回ボールに触られるよりも、ピルロに20回触られる方が危険なんだ”というようなことを言っていた」

「それがどうした」

「つまり、ミランを押さえたければピルロを押さえろ、というのがセリエAでは日常的に行われていたわけだ」

「普通の戦術やな」

「そうすると、ガットゥーゾがボールに触れる回数が増えて、必然的にパスを出す回数も増える」

「ふむ」

「その結果として、下手だったはずのガットゥーゾのパスが改善され、弱点が弱点じゃなくなる、というか弱点が目立たなくなるわけだ」

「つまりあれか」

「なんだ」

「シュテフィ・グラフのバックハンドと同じようなものか」

「例えが古すぎて若い人にはわからんと思うで」

「うむ」

「そのガットゥーゾ、そしてアンブロジーニのパスがインザーギの広げたBのスペースに入りマンチェスター・ユナイテッドを苦しめた」

「そして、左サイドから中央に入るセードルフを捕まえきれなかったことで、さらに傷口は広がった」

「ゾーンディフェンスの一種の弱点で、バイエルンもそれにやられていた」

「結局、29分までにミランが2点を取り、あっさりと言いたくなるほど見事に逆転した」

「ミランの1点目のはともかく、2点目はハインツェの変なパスにビデッチが足をすべらせて、ずっこけたところを奪われて決められた」

「ユナイテッドは、チームが若いだけに、第1戦のように攻めなければならない状況では強いが、この試合のように守らなければいけない状況では粗が目立った」

「若者は前に出ている時の方が強いしな」

「そして、ミランがリードした場合、予想(別ページ)にあるように、マンチェスターがいつピルロのマークを解くかが鍵になる」

「2-0とリードされた30分あたりには、このような配置になった」

「いわゆる普通の1-4-4-2やな」

「ピルロから離れたスコールズがボランチに入り、ロナウドが前線に上がっている」

「これで、上記のスペースは試合開始時よりも空かなくなる」

「ただし、その代償としてピルロが自由になる」

「痛し痒しやな」

「そして、これに対して、前半終了前のミランはこのようになる」

「セードルフが中盤の前方で、カカーが左か」

「この方が相手の中盤を押さえるのには都合がいい」

「そのまま前半を終えて、後半のミランはこうなる」

「意図したことは、より普通の1-4-4-2に近づけて、中盤のラインの前を押さえようとしたのだと思う」

「ところが、これは上手くいかなかった」

「インザーギの位置が上ずり、それを埋めるためにシードルフが中に入る。そうすると、その裏を取られて簡単に攻められる、といったシーンが目立った」

「60分前後は完全にユナイテッドの時間で、ミランは沈む寸前に見えた」

「そこで、アンチェロッティは67分にインザーギをジラルディーノに代えた」

「ジラルディーノが中盤を助ける位置まで戻るわけやな」

「そうするとあら不思議」

「マンチェスターの攻撃が見事に止まった」

ASの実況速報を見ると、交代前後の11分間に行われたシュートとセンタリングの数を合計すると、交代前はミラン0に対してマンチェスターが11、交代後はミラン10に対してマンチェスターが3となっている」

「これだけわかりやすいのも珍しいな」

第1戦(別ページ)と同じ理屈で、中盤の前が空くとミランは潰れやすいということやな」

「押さえられたマンチェスターは、77分にオーシーをサハーに代える」

こうなる」

「ところが、この直後にカウンターからジラルディーノがゴールを決める」

「攻めにでるはずのユナイテッドにとっては厳しい一撃だった」

「完全にリードを奪ったミランは、85分にガットゥーゾをカフー、86分にカカーをファバッリに代えて逃げ切った」

こうか」

「試合は大差で終わったけれども、このミランを相手に勝ちを収めた第1戦のマンチェスターがどれだけ見事だったかということも言える」

「戦力の差は圧倒的だった」

「これで決勝はリバプール対ミランと決まった」

「そのプレビューはまた直前にというところで」

「今回はこの辺で」

「また次回」

「ごきげんよう」



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