Roma vs Manchester U
07.04.04.miercores
日時:2007年4月4日(水)
対戦:チャンピオンズリーグ8強 ローマ対マンチェスターU
結果:2−1
得点:43分 1−0 タデイ
59分 1−1 ルーニー
65分 2−1 ブシニッチ
審判:Herbert Fandel(ドイツ)
退場:スコールズ(34分、マンチェスターU、イエロー2枚)
警告:ペロッタ(ローマ)
ハインツェ、ソルスキア(マンチェスターU)

「さて」

「どうした」

「今日はローマ対マンチェスター・ユナイテッドをお届けするわけだが」

「うむ」

「両チームの先発は、このようになっていた」

「ローマは1-4-1-4-1で、マンチェスター1-4-4-2やな」

「うむ」

「1-4-1-4-1というのは、1-4-4-2のボランチを押さえるのに非常に好都合なわけだが」

「中盤の中央に3人いる関係で、相手のボランチにプレッシャーがかかりやすい」

「一方で、相手のセンターバックへのプレッシャーは弱くなる」

「しかし、マンチェスターのセンターバックの2人はゾーンの間を通すパスもロングパスもあまり上手くない」

「となると、ローマとしては楽に守れるはずで、実際にもそうなっていた」

「中でも、攻撃の種になるキャリックを綺麗に押さえていた」

「ところでだ」

「なんだ」

「1-4-1-4-1というのは、守備が安定するかわりに、攻めるのが非常に難しい」

「ほんまにワントップの能力次第やからな」

「フォワードがボールをキープして、中盤の4人のラインがトップを追い越さない限り、攻撃にならない」

「で、ローマはどうなっていたかというと」

こうなっていた」

「ペロッタの前に下がってボールを受けるトッティを右からビレムションことウィルヘレムション、中央からタデイが追い越す」

「実際の例としては、こうなる」

「左サイドを攻められると、当然の反応として中盤が左に寄せるが、一番右のビレムションは完全には寄せず、浮いたポジションを取る」

「左で回収した後は、スペースに引いてボールを受けるトッティにボールをあずける」

「ここでトッティが潰されてしまえば攻撃はそこで終わる」

「ところが、受けるのがトッティだけに、下手に寄せると一瞬でかわされるのでディフェンスも当たりきれない」

「去年のアーセナルのアンリや、このローマのトッティのような選手がいないとシステムが機能しない理由はそこにもあるわけやな」

「そして、トッティがボールを受けた後は、浮いていた右のビレムションがサイドから一気に追い越しをかける」

「そのことでディフェンスを引き付け、トッティの周囲にスペースをつくる」

「そして、中央からはタデイが突っ込んできて、さらにトッティ周りのスペースを広げる」

「この時、さらなる助けとして、右サイドバックのカセッティも飛んでくる」

「もしそこにパスが出たとすると、結果的にこのような配置になる」

「トップにいたはずのトッティがトップ下のような場所に入っている」

「この時フォワードのような働きをするのがタデイとビレムションで、この2人はとんでもない距離を走らないといけない」

「彼らと左のマンチーニは肉体的に非常につらい」

「ローマは後半にタデイとビレムションを代えるが、それはこのような事情を反映している」

「上の話をまとめると、ローマ的な1-4-1-4-1には、1人でボールをキープできるフォワード、長距離を速く走って前線に出る中盤とサイドバックが必要になる」

「おまけに、前に出る中盤の選手は、最終的にフォワードになるものだから、点を取る技術も要求される」

「真面目でタフで早くて点も取れる中盤というのは理想だが、なかなかいない」

「しかし、ローマのタデイはそれに近く、ビレムションは得点以外は理想に近い」

「システムに人材がよくマッチしていて、そういうチームには勝ち難い」

「おまけに、中盤サイドのビレムションとマンチーニに突破力まであるものだから、1-4-1-4-1にありがちな攻撃での問題というのがほとんど見られなかった」

「決定的なチャンスを次々とつくっていたわけではないけど、完全にローマが押していた」

「マンチェスターにとしては、あまりいい状況ではなかったわけだが」

「前半の34分に、さらにまずい事態が起こる」

「スコールズが、なにを思ったか退場してしまう」

「別に荒れた試合でもなんでもなかったのに、自爆気味に連続イエローをもらってしまった」

「一応のベテランがあれはないわ」

「おまけに、この試合の34分の時点で出たイエローは2枚だけで、それが両方ともスコールズとはこれいかにという話やな」

「この結果マンチェスターは10人になり、このような配置にかわる」

「ギグスのボランチもそれとして、ルーニーが右の中盤に入っているのが興味深い」

「これでは守りきれないだろう、というのが常識的な見解だと思うが」

「まあそうやな」

「それを裏付けるかどうかはわからないが、ローマが43分に得点をあげる」

この図の上の絵やな」

「ショートコーナーからサイドでボールキープ、縦に抜けるマンチーニにパスが渡りセンタリング、詰めたタデイが放ったシュートはディフェンスに当たり、キーパーの逆を突いて決まった」

「マンチェスターとしては本当に困難な状況になった」

「後半、ファーガソンがどのような手を打つかが注目だったわけだが」

こうなっていた」

「選手の交代はなく、ソールシャールことソルスキアが右、ギグスが左ボランチ、左にルーニー、そしてトップにクリスティアーノ・ロナウドが入っている」

「これはなんとしたことかと」

「普通は、ボランチに守れる選手、サイドに地道に走る選手を入れて耐え、カウンターとセットプレーから同点を狙うというのが一般的やと思うのだが」

「それが1人少ないのに攻め気満々のような布陣になっている」

「思想としては、相手に殴られたら、その分殴り返そう、ということだとは思うが」

「守備が心配でなかなかこうはできない」

「果たしてマンチェスターは持つのかと思っていると、59分に同点に追いつく」

「それも監督の狙い通りに得点をあげた」

の下の形やな」

「カウンターからロナウドが中央へドリブル、中央からサイドに流れたソルスキアへパス」

「ソルスキアは素早く逆サイドにセンタリング」

「ペナルティーエリア内に走りこんだルーニーは、胸トラップで詰めてくるカセッティの逆を取ってボーレシュート、右足から放たれたボールはゴールネットを揺らした」

「サイドに点を取れる選手を置いた狙いが見事に当たった」

「これはすごい」

「ルーニーは、この見事な得点もすごかったけど、ひたすらスペースを埋めるために走り回っていた仕事熱心さの方もすごかった」

「確かに」

「一方、このゴールで1-1の同点になり、今度はローマが本気で攻めなければならなくなった」

「1人少ない相手に対して有効な攻め方としては、このようなものが考えられる」

「ふむ」

「マンチェスターの1-4-4-1では、フォワードの横、ボランチの前が空く、ここでボールを保てば、サイドの中盤が中に来る。サイドの中盤が中に来た後、相手のサイドバックを中に釣れば青いゾーンが空く、ここにサイドバックを入れれば、誰も追ってこれないからフリーになる」

「少ない相手に広く攻めろというやつやな」

「そう考えると、まず、フォワードの脇でボールをキープするためにボランチにそのような選手を入れる、もしくは、サイドバックに上がって仕事の出来る選手を入れる、という筋が有力になる」

「それとは別に、5人いる中盤を削って、1人フォワードを増やすという手もある」

「ローマは後者を採用して、のような形になった」

「ビレムションが削られ、ブシニッチがトップに入った」

「ブシニッチは守備ではトッティの後ろに下がるが、攻撃では前に出る」

「この交代も当たりで、ローマの勝ち越し点はのような形で入った」

「ドリブルで持ち込んだマンチーニが、とんでもないミドルシュート。ファン・デル・サルが弾いたところをブシニッチが押し込んだ」

「その場所に人がいるという時点で、前線を1人増やした効果がもろに出ている」

「その後、マンチェスターはサハを投入して同点を目指すが、そのまま試合は終わってしまう」

「内容的にも戦術的にも非常に面白い試合ではなかったかと」

「なんにせよ、守備に向いたシステムを採用しているローマとしては、敵地で守り倒せばいい結果を手に入れたことは満足ではなかろうかと」

「そして、次の試合では、相手を崩すマンUの工夫が楽しみだということで」

「今週はこの辺で」

「また来週」

「ご機嫌よう」



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