Valencia vs Chelsea
07.04.10.martes
日時:2007年4月10日(火)
対戦:チャンピオンズリーグ準々決勝 バレンシア対チェルシー
結果:1−2
得点:32分 1−0 モリエンテス
51分 1−1 シェフチェンコ
90分 1−2 エシエン
審判:キロス・バサラス(ギリシャ)
警告:デル・オルノ、アルベルダ、アジャラ、モレッティ(バレンシア)
エシエン、バラック(チェルシー)

「さて」

「どうした」

「バレンシアがチェルシーに負けて、スペイン勢は準決勝を前にして全滅した」

「じつに悲しいお話やな」

「この試合は流れがはっきりしていて、前半はバレンシア、後半はチェルシーだった」

「先発はこうやったな」

「両チームともに予想通りやな」

「バレンシアの強さというのは、フォワードから繰り出されるディフェンスで、これこれの図のようになっている」

ボールが中央にある時は、フォワードの2人が横に並んでパスを妨害し、その脇を通るボールを狙い撃ちにする」

「そして、ボールがライン方向にある時は中盤サイドの選手が詰めてそれとほぼ同じ高さにフォワードが並ぶ」

「そして間を通るボールを狙い、バックパスに対しては2人のフォワードが並んだ状態で詰める」

「そこでボールを奪うか、苦しい状態でロングボールを蹴らせてボールを奪う」

「まあそういう話になっている」

「バレンシアの守備は、リバプールと非常に良く似ている」

「キケとベニテスの間に何かつながりがあるのかね」

「よくわからんけどな」

「とにかく、中央に選手が固まりやすいシステムを採用していた前半のチェルシーに対して、バレンシアの守備は非常な効力を発揮した」

「そして、32分にはモリエンテスが先制点をあげて、正にうはうはだった」

「しかし、このバレンシアのシステムにはいくつか問題がある」

こんな感じか」

「まず、ホアキン、シウバ、ビジャは時間とともに著しくパフォーマンスが落ちる」

「シウバとホアキンは速筋派だし、ビジャは移動量が異常でとても1試合もたない」

「さらに重要なことに、この配置ではサイドバック、デル・オルノとミゲルの守備が弱い」

「特にミゲルが弱いわな」

「キケ・サンチェス・フローレスは、就任当時、右サイドバックにカネイラを使うなどして、断固としてミゲルを起用しなかった」

「右にカネイラ、左にモレッティを置いて、サイドバックはまず守備に穴をあけないことが要求されていた」

「しかし、そうするとあまりにも攻撃に支障をきたすことから、徐々にミゲルが使われるようになった」

「ここのところは右ミゲル、左モレッティで落ち着いている」

「ところが、ダビー・ナバーロとマルチェナが喧嘩騒ぎで出場停止になったため、左にデル・オルノを置いた」

「両サイドが弱くなるというのは危ない気がする」

「チェルシーとしてはそこを突くのが定石なわけで、そのためには、去年、一昨年と使っていた、1-4-1-4-1気味の1-4-1-2-3を使えばいいという話になる」

「実際に後半のチェルシーはこうなった」

「配置としては予想通りの配置だが、1つひねりが加えてあった」

「ひねりというかロングボールやな」

こんな感じやな」

「とにかく、相手が詰めてこないうちにドログバの頭に長いボールを合わせて、それをサイドにさばく」

「特にミゲルがいるバレンシアの右サイド、チェルシーから見た左サイドにさばくわけやな」

「バレンシアの守備が強いゾーンをすっ飛ばして、一番弱いゾーンにボールを運ぼう、ということやな」

「そして、この飛ばしパスにはもう1つ効能がある」

「うむ」

「ロングボールを多用すると敵も味方も間延びする、間延びするということはスペースが広くなる、スペースが広くなるとスピードと持久力が勝負をわける、バレンシアの攻撃陣は持久力に問題をかかえているにもかかわらず、チェルシーは無類に走れる選手をそろえている」

「つまり、状況自体がチェルシーに有利になるわけか」

「チェルシーの強い部分がバレンシアの弱い部分にもろにぶつかる」

「そして、後半は一方的にチェルシーが攻めた」

「目から鱗だった」

「システムを3トップ気味にするところまではそれとして、ロングボールといういわば単純な作戦があれほど効力があるとは思いもしなかった」

「アジャラをものともしないドログバ、最後方からそこに合わせられるキーパーのチェク、この要素は大きいわな」

「そういえばだな」

「なんだ」

「キーパーのキックで言えば、カニサレスのキックは無茶苦茶じゃなかったか」

「確かに」

「1戦目は彼のキックミスから点を失ったし、この試合でも味方に渡らないばかりか、ダイレクトで敵にパスしていた」

「スペインのキーパーは全体的にキックが下手やからな」

「ビクトル・バルデスなんかもそうやな」

「キーパーのキックの上手下手が作戦の幅に大きな影響を与える好例ではなかろうかと」

「うむ」

「ちなみに、前半と後半のチェルシーの差を2枚の絵で表すと、これこれのようになる」

「ふむ」

「バレンシアの方としては、このチェルシーの狙いに対してこのような応手も考えられた」

「アルビオルを1つ下げて、クロ・トーレスを右か」

「こうすればチェルシーの狙いはほぼ封じることができる」

「ただ、51分に同点に追いつかれた後は、バレンシアも点を取らなければいけない状況だっただけに、そこまで守りベタベタにするのも問題が多い」

「確かに」

「それはそれとして、上のロングボールに関する話については、文末に前半と後半で長いパスが蹴られた時間の一覧を置いておりますので」

「ビデオをお持ちの方は確認いただけると幸いかと」

「そんなこんなで今週はこの辺で」

「また来週」

「ご機嫌よう」



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チェルシーのロングボールが蹴られた時間
(6.26は6分26秒を表す)

前半
6.26 7.14 9.49 10.57 13.32 14.29 17.35 18.10 21.38 22.30 24.50 25.35 26.46 28.18 28.51 35.05 37.10 43.26
後半
45.13 45.42 46.30 47.50 50.21 57.45 59.33 | 63.48 67.21 68.11 72.38 73.28 79.14 80.12 81.45 83.13 84.59 85.12 87.00 87.21 87.46