Letonia vs Espana
07.06.02.domingo
日時:2007年6月2日(土)
対戦:ユーロ2008予選 ラトビア対スペイン
結果:0−2
得点:45分 0−1 ザクラ(OG)
60分 0−2 イニエスタ
審判:Craig Alexander Thomson(スコットランド)
警告:クラバ、コリンコ(ラトビア)
マルチェナ、シャビ(スペイン)

「さて」

「どうした」

「スペイン代表はめでたく勝利した」

「これでまだユーロへの希望がつながったわけやな」

「まだ3位ではあるけどな」

「まあな」

「アウェーでのラトビア戦、先発はこうなっていた」

「左サイドにイニエスタ、トップにルイス・ガルシアがいる」

「珍しい配置ではある」

「前半のスペインは多くのチャンスをつかんだ」

「これは、ビジャが左サイド斜め前方に走って多くのボールを受けたことが大きかった」

「それで相手を押し下げることに成功した」

「それにしてもビジャはよく働いていた」

「守備にも走って、その後、敵陣の奥深くまで斜めに走る」

「非常に長い距離を真面目に走っていた」

「走り過ぎのような気もするけどな」

「それはある」

「ビジャが長距離を走り続けることで攻撃がうまくいっていた、ということは同時に、彼に大きな負担を強いることで上手くいっていた、とも言える」

「ビジャはそいう役回りが多いからな」

「しかし、あれでは絶対に90分持たない」

「実際、後半には動きが落ちてたしな」

「後半に入ると左奥のスペースに走る場面はぱったりとなくなり、それに呼応するかのようにラトビアが攻め込む回数が多くなった」

「特に58分のベルパコフスキのチャンスは決定的やったな」

「完全にディフェンスラインの裏を取りキーパーと1対1になったものの、シュートは枠の外」

「実に惜しい場面だった」

「いや、スペイン的には惜しくてよかったという話だが」

「なんにしても、スペインにとっては完全にまずい流れになっていた」

「ところが、その2分後にシャビがミドルシュートを決める」

「いや、あれはイニエスタの手柄だと思うが」

「正確にいうと、シャビのミドルシュートが、避けようとしたイニエスタの背中に当たり、見事なループシュートになってキーパーの頭上を越えた」

「ちなみに1点目は相手センターバックのオウンゴール」

「スペインの2点は両方ラッキーだった」

「まあ確かに」

「それにしても釈然としない試合やっとは思わんかね」

「点がきちんと入らなかったからかね」

「それもあるけど、戦力的には圧倒しているはずのスペインが強いという印象をまったく受けないゲームだった」

「それは、ここ1年ぐらいずーっとそうだから仕方がない」

「まあそうなんやけど、一体なにが原因かと思うわけだ」

「1つはフォワードがいないからじゃないかね」

「フォワードか」

「試みに、現時点でのリーガの得点ラインキングを眺めてみると、次のようになっている」
1 ファン・ニステルローイ(オランダ) 20
2 ディエゴ・ミリート(アルゼンチン) 17
  フォルラン(ウルグアイ) 17
4 カヌーテ(フランス) 16
5 ロナウジーニョ(ブラジル) 13
6 モリエンテス(スペイン) 12
7 ビジャ(スペイン) 11
  バイアーノ(ブラジル) 11
  ソルダド(スペイン) 11
  エトー(カメルーン) 11
  グイサ(スペイン) 11
  シギッチ(クロアチア) 11
「なんか少し順位が違わんかね」

「それはPKを抜いてあるからやな」

「それでか」

「スペイン人トップはモリエンテスで6位になる」

「そうやな」

「そして、スペイン人フォワードで外国リーグにおいて得点王争いをする選手はいない」

「うむ」

「となると、イングランド、イタリア、ドイツ、その他の国を考えて4倍するとスペイン人トップのフォワードはヨーロッパ20位程度の得点能力ということになる」

「それまた新鮮な解釈やな」

「そして、スペイン人だけを抜き出すとこうなる」
スペイン人
1 モリエンテス 12
2 ビジャ 11
  ソルダド 11
  グィサ 11
5 トーレス 10
  タムード 10
  ルイス・ガルシア 10
8 ポルティージョ 9
9 アドゥリツ 7
  マヌー・デ・モラル 7
  ラウール 7
「なかなか渋い面子やな」

「モリエンテス、ビジャ、までは有名として、その後はソルダド、グィサと続く」

「5位に有名どころが集まってるところがいいな」

「これでユーロやワールドカップを戦うのは苦しいという話や」

「まあ、トッティ、ドログバ、ロナウド、イブラヒモビッチ、クリスティアーノ・ルカレッリ、ファン・ニステルローイ、ディエゴ・ミリート、といった選手達とどうやって戦うか、という話でもあるからな」

「おそらく単体での得点能力、という意味では勝ち目はない」

「スペインが点を取れないのは無理もないということか」

「フォワードだけ見るとそうなるから、他でどうにかするしかない」

「他とはどういうことだ」

「リーガで点を生みそうな選手を思い浮かべてみるとこうなる」

「ラウールもか」

「やはり候補にはなる」

「そうかね」

「フォワードだけでは得点が期待できない、となると、フォワードに点を取らせることのできる選手、つまり、グティとデ・ラ・ペーニャが貴重に見える」

「2人とも代表からは干されたようなもんやけどな」

「そして、この2人を使うためのシステムはなにか、と考えると、これが候補になる」

「図面の上ではそうやな」

「選手の配置としては、それぞれの場所にピタリとはまる」

「しかし、これを試すチャンスは幾度もありながら、ルイス・アラゴネスが試したためしはない」

「そうなんやな」

「実験でいいから、ぜひ見たいところではある」

「しかし、このままでは1.5流国から抜け出せないのではないかという気がする」

「まあ、ブラジルなんかもチーム設計の段階で苦しんでいるからそれほど悲観する必要はないかもしれん」

「そういえばだな」

「なんだ」

「金曜日のイングランド対ブラジル戦でいくつか面白い場面があったんやけどな」

「そうかね」

「1つは、オーウェンのラインの裏に抜けてボールを引き出す動きで、こうなっていた」

「まず、一番上がベッカムがボールをトラップする寸前で、オーウェンは立った状態にある」

「次の写真で縦に動きだすわけか」

「ちょうどベッカムの顔を上げる動作にあわせて動きを開始している」

「次の写真で一歩前に出て、その次の写真では中央に動きを変えている」

「ディフェンスの動きの逆を取るわけやな」

「この時、ベッカムの顔はまだ上がっていて、次の写真で頭を下げてキックモーションに入る」

「そしてディフェンスの前に出たオーウェンにパスが出ると」

「そういう次第なわけか」

「よくフォワードに動き出しのタイミングを合わせろ、ディフェンスの裏を取れ、と言うけど、これはその1つの例として使えるのではなかろうかと」

「ふむ」

「ちなみに、同じような教材がもう1つある

「これはブラジルが、終了間際に追いついた場面やな」

「その通り」

「最初はバックパスからか」

「2枚目の写真でイングランドのディフェンスラインが軽く押し上げるのが見える」

「ペナルティーエリアの少し内側までやな」

「3枚目でパスを受ける選手がボールに触る」

「この時、まだ顔は下を向いていて、中央の選手は動く準備をしている」

「次の絵で顔があがるわけか」

「それと同時に中央の選手が縦に走る」

「それにあわせてジルベウト・シウバがセンタリング」

「ラインの裏でディエゴの頭にピタリと合って同点に追いついた」

「これもまた見事に動きが調和した瞬間やな」

「確かに」

「ちなみにジルベウト・シウバの目の動きを追いかけるとこうなる」

「まず、パスが出た瞬間はボールを見ている」

「次の絵では、パスの強さ、角度を確認した後、中央を見ている」

「そしてもう一度ボールを見る」

「トラップに備えるわけやな」

「ボールを触る瞬間に顔を上げ始めて」

「コントロールが終わった後に顔を上げる」

「そしてボールを蹴るためにもう一度目を下げる」

「この、ボール→周囲→ボール→トラップ→周囲→ボール→パス、という流れは最も一般的な視線の動きでもある」

「グァルディオーラのような変態的な選手になると、ボールに触る直前にもう顔が上がっていたりもするけどな」

「よほどの選手じゃないとそれはないから、通常は、この流れをしっかり会得する必要がある」

「特に子供は、転がってくるボールを見つめる癖があるしな」

「教える際に利用していただければ幸いかと」

「そんなこんなで」

「今週はこの辺で」

「また来週」

「ご機嫌よう」



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