Real Madrid vs Celta de Vigo
06.11.05.domingo
日時:2006年11月5日(日)
対戦:第9節 レアル・マドリー対セルタ
結果:1−2
得点:0−1 35分 ネネー
1−1 42分 エメルソン
1−2 81分 ホルヘ・ラレーナ
審判:ペレス・ラサ(バスク)
退場:−
警告:グティ、ディアラ、レジェス(レアル・マドリー)
オウビーニャ、ネネー(セルタ)

「本日はレアル・マドリーについてお届けするわけだが」

「マドリーかね」

「なんぞ不満か?」

「不満ではないが、今の調子では、あまり語ることもなような気がしないか」

「それはそうなんだがな」

「なんだ」

「この前のクラシコの時、マドリーについては”不安定な状態が続く”の一言で終わったやろ」

「そうやな」

「それでお叱りのメールが来たわけだ」

「それを反省してマドリーを研究しようということか」

「そういうことだ」

「そうか」

「今のマドリーの状況を理解するには、この試合のセルタのプレーを見るとわかりやすい」

「この試合のセルタは、とにかく人を上げずに戦っていた」

「例えば、のような状況では、普通のチームならば青い矢印のようにサイドバックが上がってくる」

「ところが、セルタは後方を固めることに重点を置くのでなかなか上がってこない」

「さらには、ボールを奪い返した後にも慎重で、普通はのように動く」

「パスコースをつくるためにスペースに走るか、ピッチを広げるために開くわけやな」

「ところが、この日のセルタはその動きが極端に遅い」

「100%安全な場所に出るまでは、もう一度ボールを失うことを前提に行動している」

「これは、自分達がカウンターに出た瞬間にボールを失い、クロスカウンターを喰らうことを恐れているからやな」

「それを考えすぎてたせいで、パスコースの不足から自陣でボールを失う場面も多かったが、そもそも最初からミスを考えてポジションを取っているので大事にはいたらなかった」

「とは言っても、マドリーに結構な数のチャンスがあったけどな」

「まあな」

「セルタの戦術は、一言でいえばクロスカウンターを注意したカウンター狙いなわけだが」

「先制点は、その狙い通りに決まる」

の形やな」

「ネネーからサイドへ抜けるカノービオにパス、パスを出したネネーは中央を立てに走り、折り返しをボレーで叩いた」

「カシージャスは見事な反応で手に当てたものの、ボールはネットを揺らした」

「この時、ネネーを止めようと思えば、ロベルト・カルロスがマークするしかない」

「しかし、ロベルト・カルロスはファーサイドでフリーになっているバイアーノも見なければならなかった」

「カウンターで数的不利に立っているから無理といえば無理やわな」

「ちなみに、このプレーの前はレアル・マドリーのコーナーキックだった」

「その跳ね返りをエメルソンが相手にパスしたことから終わった状況が生まれたわけやな」

「そんなこんなもあって、42分に彼が同点ゴールを決めても観衆のブーイングは続いた」

「ちなみに、エメルソン自身もゴールを喜ばなかった」

「ファンとの断絶は深まるばかりだ」

「うむ」

「試合は同点で進み、セルタの勝利を決めるゴールが81分に決まる」

のような形だった」

「レアル・マドリーはゴール前でボールを回収、カウンターに移る」

「サイドでボールを受けたレジェスが縦へ切り返し」

「ところが、それをアンヘルに見事に読まれてしまう」

「アンヘルの伸ばした足に当たったボールはヌニェスのもとへ」

壁パスのような形でアンヘルに戻る」

「アンヘルはペナルティーエリア内にドリブル」

「中央ではホルヘが縦に出る動きから戻る」

そこへパスが出る

「ホルヘがボレー」

「ボールは、飛びつくカシージャスの指先を越え、逆サイドネットに収まった」

「見事な得点だった」

「ちなみにこれがセルタが恐れていたクロスカウンターの典型例なわけだ」

「ボールを奪って前に出ようとした瞬間に奪い返されると、大体終わった状況になっている」

「今回も例外ではなかった」

「この場面ではレジェスのミスがクローズアップされがちだけど、それを読んでカットしたアンヘルの動きも注目していただきたいかと」

「その後のプレーも的確だった」

「彼はいい選手だ」

「そうかね、セルタではカノービオ、オウビーニャ、イリネイが抜群の働きをしたと思うが」

「確かに良かった」

「後はネネー」

「ネネーはどうかね」

「どうとはどういうことかね」

「例えば、マドリーの1点目はフリーキックからコーナーキックが生まれて、それが得点につながった」

「それがどうした」

「最初のフリーキックはネネーのどうでもいいファールが原因で、その辺りの戦術眼のなさというのが気にかかる」

「さようか」

「さようだ」

「それでだ」

「どうした」

「そろそろ本題に入るべきだと思うが」

「マドリーか」

「そう」

「現在のマドリーの構造はのように表される」

「ディアラ、エメルソンが中盤で重石となって働くわけか」

「そう。だから、サイドはある程度背後を気にすることなく上がれる」

「ふむ」

「それを受けてロビーニョがドリブルでボールを前に運び、ラウールが中に入ったスペースにセルヒオ・ラモスが上がる」

「そうやな」

「クラシコでバルサが負けたのは、のようにわざわざマドリーが攻めてくる部分を空けたのが主な原因になっている」

「あれはわざと負けにいったようなもんやからな」

「サイドから前に行くマドリーに対して、わざわざ両サイドバックの前と後ろを空ける必要はない」

「つまり、裏を返して言えば、そのスペースを潰せばマドリーを止めることができる」

この試合のセルタがそうだし、ヒムナスティック戦も苦しい展開が続いた」

「クラシコの”不安定な状態が続く”という内容は、ステアウアやバルセロナのようにスペースを空けてくれるチームなら勝つこともできるけど、そうでなければ苦労するという意味だったわけです」

「やっと説明が出たな」

「で、今後マドリーがどうなっていくかという話になるわけだが」

「今の路線を突き進むならこうしかない気がするが」

「左にロビーニョ、右にレジェス、トップはラウールとファン・ニステルローイか」

「サイドを強調して、中で叩くと」

「ただ、これをやると後半にロビーニョ、レジェスの運動量が落ちた時にどうにもならなくなる」

「それが問題やねんな」

「だから、カペッロはロビーニョかレジェスのどちらかを持ち駒にして、動きが落ちないように配慮している」

「ただ、そうなるとラウールをサイドで使うことになって守備的にも苦しい」

「こうなったら、こんな感じでどうだ」

「ひたすらカウンターか」

「後ろを8人で守って、ベッカムのロングパスから前の3人でごちそうさま、というやつや」

「強いのは強いかもしれんが、ベルナベウの観衆が納得しないやろ」

「今のマドリーもそれが一番の問題やしな」

「カペッロの思うままにできたら安定すると思うけど、周囲がそれを許さない」

「エメルソンとディアラーなんか完全に嫌われもんやしな」

「マドリーの未来に光はあるのか」

「注目というところで」

「今週はこの辺で」

「また来週」

「ご機嫌よう」


c60 logo
トップページへ