「さて、今日はスペイン代表対スウェーデン代表なわけだが」
「うむ」
「スペイン代表は、きれいサッパリ負けてしまった」
「見事な最後だった」
「いや、まだ最後と決まったわけではないぞ」
「まあそうやけどな」
「まず、スペインの先発は
このようになっていた」
「水曜日の予想先発と比べると、イニエスタの代わりにセスクが左に入っている」
「選手の動きを見ると、
このようになる」
「セスクを中に入れて、空いたスペースにカプデビラ。中央ではシャビとセスクがからむ」
「
こんな感じやな」
「右はアングロ、左はカプデビラ、中央はビジャとトーレスで広げて、シャビとセスクからのパスがいきる」
「まあ、そんな予定だった」
「しかし、このように選手を動かすと、
図のような弱点が生まれる」
「アルベルダの横と、カプデビラが空けた左サイドのスペースか」
「それにトーレスも邪魔になる」
「そうなのか?」
「左サイドから選手が入って、中央から上がったシャビと絡む。これを聞いて何かを思い出さないか」
「3年前のバルサやな」
「正確には2年と半年前で、
こんな形になっていた」
「サビオラが広げた穴にロナウジーニョが中に入って、それを中央からシャビ、右サイドからルイス・ガルシアがフォローするパターンやな」
「そう。ここで大切なのは左サイドのバランスで、ダービッツとジオはサビオラやルイス・ガルシアの線まで上がらずフォローに撤する」
「そうやってロナウジーニョの裏をカバーしていた」
「上がった後は
このような形になる」
「ふむ」
「そして、
これと
これを見比べるとまったく違う」
「まあ、後ろは
バルサの方が安心やな」
「それに、トーレスがシャビの上がるスペースを邪魔しない、という意味でも優れている」
「そうかね」
「
スペインの配置は、中盤から選手を1人削って相手にスペースを与え、さらにはその1人を前線に置いて攻撃のスペースを消している、という点で非常に珍しい配置になっている」
「まあ珍しいのは確かやな」
「ちなみに、上のバルサと同じ時期のエスパニョールも
同系列のシステムを使っていた」
「これまた懐かしい面子やな」
「それで、スペインの最初の失点は、案の上というかなんというか、その弱点を突かれたことから生まれた」
「こんな
形から始まった」
「プジョルにマークされていたアルバックは下がってボールを受け、それと同時にエルマンダーが右サイドの裏へと走る」
「アルバックはワンタッチで中央に流し、それを後ろから走りこんできたスベンションが受ける」
「
プジョルはアルバックを追っていたため追いつかず、サイドに流れるエルマンダーを追っていたフアニートも距離を縮められない」
「フリーのスベンションから右サイドにスルーパスが出てキーパーと1対1、エルマンダーが見事に決めて1-0」
「という顛末やな」
「
これと
これを見比べると、見事なほど理屈通りにやられている」
「ここまで解かりやすいのも珍しい」
「そんなこんなで、どうにもならないまま前半が終わる」
「後半になると、
セスクがイニエスタに代わる」
「ここまでは、あくまでも初志を貫徹しようとしていた」
「しかし、その6分後には
こうなる」
「これは1-3-5-2でいいのか?」
「よくわからんが、これである程度持ち直した」
「それにしても、イニエスタはどう動いていいのかわからない様子だったが」
「そして、この7分後には
こうなる」
「アングロの代わりにルイス・ガルシアか」
「これは基本的に無茶で、相手がボールを持つと、ルイス・ガルシアはセルヒオ・ラモスの横まで戻らなければならないので攻撃に支障が出る」
「どうせこれをやるなら、試合開始から
こうしておけばいいと思うが」
「今更それを言ってもしょうがない」
「うむ」
「これに対してスウェーデンは
75分にシェルストレームを入れる」
「カルストロームか」
「そうとも言うが、シェルストレームが一般的らしいので長いものに巻かれることにする」
「そういえばビレムションもウィルヘルムションやしな」
「多数決の原理だ」
「うむ」
「とにかく、75分にスベンションに代わってシェルストレームが入って、
77分に先制点を決めたエルマンダーに代わってダニエル・アンデルションが入る」
「これも不思議といえば不思議やな」
「なんでや」
「この時間帯はスペインの方が攻めていて、その起点はシャビだったわけだ」
「そうやな」
「そうすると、攻めっ気のが強くて守備に穴を空けがちなシェルストレームよりも、先にダニエル・アンデルションを入れるべきだと思うが」
「そうかね」
「そうでないと中盤にスペースが空くし、現に空いていた」
「スベンションはイエローを受けていたから、先に代えたのではないかね?」
「ほんまかいな」
「わからんけどな」
「わからんのか」
「それはそれとして、80分にスウェーデンが追加点をあげる」
「
こんなカウンターからだった」
「コーナーキックからプジョルが倒れ込みながらヘディングシュート」
「それがゴールラインギリギリの所でクリアされる」
「サイドでつながれたボールはウィルヘルムションに渡りドリブル」
「詰めてきたアルベルダの足の間を抜いて折り返し」
「右にドリブルしたアルバックは、シュートフェイクからの切り返しでイケルとプジョルを倒すと無人のゴールに決めた」
「これにて試合は終了してしまうわけやな」
「しかし、この場面は酷かった」
「確かに」
「相手のカウンターに対して、自分のゴール前に戻ったのはプジョルただ1人」
「そのプジョルは、前の段階でヘディングシュートを打った後、相手ゴール前に倒れていた」
「うむ」
「その他のスペイン選手の配置は、
こんな感じになっていた」
「コーナーキックを蹴ったシャビ以外は、全員、プジョルよりも自陣に近い」
「しかも倒れてない」
「この状況でイケルの前に戻っていたのがプジョルだけとはいかなる事かと」
「赤い丸で囲まれた人たちはプジョルのシュートがラインを越えたと思っていたから、必死に抗議していたわけやな」
「というか、やる気の問題やろ。この場面で死ぬ気で走る気がないなら、なんのために代表のユニフォームを着ているのかわからない」
「アラゴネスに辞めて欲しいから手を抜いたようにも見えたけどな」
「ゴールを守ろうとしていたのは、後ろに残っていたイニエスタとアルベルダ、イケル、そしてただ1人本気で走っていたプジョルだけだった」
「涙が出てくるな」
「これでは、スペイン国民が代表を応援するはずもない」
「しかし、周囲がああいう状況で、どうしてプジョルはあそこまで頑張れるのかね」
「わからんけどな。わしは惚れたよ」
「惚れたんか」
「惚れたと同時に走らない選手に対する怒りがわいたけどな」
「そうか」
「まあ、そういう次第だ」
「とにかく、2連敗となったスペイン代表が今後どうなっていくのか」
「お楽しみというところで」
「また来週」
「ごきげんよう」

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