Atheletic vs Real Madrid
07.12.8.sabado
日時:2007年12月8日(土)
対戦:スペインリーグ第15節 アスレチック・ビルバオ対マドリー
結果:0−1
得点:54分 0−1 ファン・ニステルローイ
審判:メディーナ・カンタレッホ(アンダルシア)
警告:オルバイス、アモレビエタ、ジェステ(アスレチック)
スナイデル、ロビーニョ(マドリー)

「さて」

「なんだ」

「チャンピオンズリーグもたけなわの今日この頃」

「うむ」

「リーガもなかなか盛り上がり」

「盛り上がりというかなんというか」

「マドリーは首位を独走中」

「2位に4ポイント差やな」

「はたして火曜日のラッチオ戦に向けてどのような状態かというのが気になるわけだ」

「もし負けたらグループリーグで終わる可能性もなきにしもあらずやからな」

「アスレチック戦の先発はこのようになっていた」

「アスレチックもマドリーもなかなか新しい布陣やな」

「まずアスレチックの方を見てみると前回のバレンシア戦からかなり選手が入れ代わっている」

「変わってないのはトップのジョレンテとエチェベリア、ボランチのジェステに左サイドバックのコイキリ、左センターバックのアモレビエタ、キーパーのアランスビアの6人やな」

「その概念図はこうなる」

「まず気になるのはジェステの位置やな」

「真面目にボランチのポジションに入っている」

「中盤がダイヤモンドとかそういう話ではなく、守備の時にはハビ・マルティネスと横並びになる真面目なボランチとしてプレーしているわけやな」

「彼がその位置に入るとボールがさばけるのは確かではある」

「その一方で守備がどうかというのが問題になる」

「結果としては問題なく機能している」

「アスレチックのディフェンスというのはサイドから中に折り返されるボールにプレッシャーをかけて奪うタイプで、ジェステはそれに対する反応が早い」

「しかし、あんなにまめな選手だったかね?」

「あんまり記憶にないな」

「ここ数年、居場所がなくて左サイドに追いやられて腐ってたところもあるしな」

「カパロスが来るとなにはともあれ選手のモチベーションが上がるところがすごい」

「その選手の適正にあったポジションできちんとフォローをつけて使うからかね」

「そのやる気が出た代表というのはジョレンテやな」

「ロングボールをキープしたり、頭でスペースに流したり、守備ではボランチを的確にフォローしてスルーパスからラインの裏を取ったりと大活躍だった」

「大きくて足元も上手いけど、今ひとつ迫力に欠けて、今ひとつ垢抜けなかった今までとは別人みたいやな」

「そう聞くと何かを思い出さないかね」

「何かとはなんや」

「デポルにいたアリスメンディを思いださんか?」

「そういうことか」

「彼も大きくて足元が上手かったけど今一つ抜け切れなかったのをカパロスがアトレチコから買ってきて、トップからトップ下、右サイドに果ては左サイドでも起用して、とにかく信頼して使ったことでバレンシアに移籍するまでになった」

「それで言えばバチスタもそうやな」

「バチスタもか?」

「彼はあんないかつい体をして実はわりと気にしいなんや」

「ほんまかいな」

「ほんまやで。ベルナベウでブーイングを受けると萎縮してしまって、思いきったパスやプレーが影をひそめてしまう」

「さよか」

「そうなると、どんどんプレーが無難な方向に流れていくんやけど、そこで簡単なパスを1つミスするとさらに下手のレッテルを貼られてブーイングが酷くなるという悪循環に陥ってしまう」

「確かに、ベルナベウの客は一度下手糞やと思うと死ぬまで下手糞やと思うところがあるな」

「そうなると、カパロスは体が大きくて精神的にタフじゃない選手の力を最大限に発揮させるのが上手いのかもわからん」

「かもしれん」

「個人的にはジョレンテよりもアドゥリツを使って欲しいところやけどな」

「彼の方が点を取るのは上手いけどな」

「ただ、今のアスレチックはジョレンテへのロングパスがボールを前に運ぶメインラインになっているので、彼を外すのは厳しい」

「ほなエチェベリアの代わりでどうや」

「ジョレンテの横や後ろで流れながらボールをキープするにはエチェベの方がいいからそれも難しいな」

「残念至極であるな」

「うむ」

「ジョレンテ、エチェベの先発理由はそれとして、この試合では、前節で右の中盤だったダビー・ロペスが左に来ている」

「これはセルヒオ・ラモス対策やろ」

「ここにガビロンドを使うと遅すぎてついていけへんしな」

「中盤でいうと、むしろ右にイラオラがいることが気になるな」

「これはウスタリツを右に置くためやな」

「これはロビーニョ対策かね」

「どうやろな」

「ロビーニョを止めるためにしては、前半は散々抜き去られてたからようわからんな」

「むしろ、40分にウスタリツが怪我をして、イラオラをサイドバックに下げた方がロビーニョは止まっていたから微妙な変更ではあった」

「グティがいないマドリーはロビーニョの個人技から崩してくるから、そこは止めたいとこやな」

「まさに」

「そして、ディフェンスラインの左には、アモレビエタとコイキリがいる」

「両方ええけど、特にコイキリはええで」

「ええか」

「ええな」

「ちと小さいけどな」

「小さいけど、ポジショニングはいいし読みはいいしラインのコントロールもいいし詰めは早いしボディバランスもいいし当たりにも強いし上がるタイミングもいいし組み立ても的確だし、数年に一度の買うべき選手やで」

「クロスはどうなんや」

「クロスはようわからん」

「ようわからんとはどうわからんのじゃ」

「前半ジョレンテにどんぴしゃで上げたアーリークロスあったものの、他はわりと変な所に飛んでいたので要調査というところや」

「しかしべた褒めやな」

「後半、相手のペナルティーエリアの中までドリブルして、ディアラーのものすごいショルダーチャージを受けたにもかかわらず相手のユニフォームをつかんで踏み止まり、クロスにつなげたシーンなんかを見ると惚れるで」

「惚れるんかいな」

「そうや」

「ほんで後はキーパーのアランスビアやな」

「彼のキックは貴重やな」

「飛ぶし正確だからディフェンスは安心してバックパスができる」

「この安心感というのは非常に大切やな」

「キーパーのキックが信用できないと、バックスが自分でなんとかしようとしてミスが出るし、下手な選手は苦しくなる前に早蹴りするからボールが落ち着かない」

「アランスビアからジョレンテに送ればとりあえず息がつけるというのは大きい」

「そうなるとますますアドゥリツの出番が遠のく」

「アドゥリツ大好きやな」

「あれはええ選手やで」

「そうか」

「ここれでやっとレアル・マドリーに移るわけやな」

「長い前振りやったな」

「むしろ本文やな」

「配置はこうやな」

「前の試合から入ったバチスタ、この試合で入ったトーレスが目新しいな」

「マルセロを下げるのは当然といえば当然やな」

ベルダー・ブレーメン戦でも彼の一対一での弱さは際立っていた」

「一度前線でのプレスを抜けられると中盤がスカスカになるマドリーの守備であれだけ一対一に弱い選手がディフェンスラインにいるのは非常に怖い」

「中盤のスカスカといえば、ついにガゴでもグティでもなくバチスタが先発するようになった」

「彼が出ると体で潰せる分、守備的にははるかにいい」

「しかし良いとはいっても、データ的にはこんな感じやで」

「試合に勝ってもシュート数やらコーナーキックの数で負けるという例のあれか」

「例のあれや」

「まあでも、アルメリア戦(赤がアルメリア)やバジャドリー戦のように極端に負けていないだけいいのではないかね」

「しかし、それでこれから厳しくなる戦いを乗り切れるかというお話や」

「まあ結局この試合もこれこれの差で勝負がついただけといえばそれだけではある」

「イラオラはこれを外して、ファン・ニステルローイはこれを決めるわけやな」

「おそるべき決定力という奴や」

「決める、決めないの能力は結局個人に付随するしな」

「うむ」

「しかしだ」

「なんだ」

「このゴールはファン・ニステルローイのものすごいミドルシュートが目立つわけだが」

「そうやな」

「裏でラウールが非常にいい働きをしている」

「ラウールは大概いい働きをするで」

「それはこれを見るとよくわかる」

「ファン・ニステルローイのシュートにつながる前の場面か」

「まず、これは画面中央やや上側でロビーニョが潰されることから始まる」

「そこでボールがこぼれるわけやな」

「これにアスレチックの選手とファン・ニステルローイが反応する」

「この時、ラウールは画面中央のやや右側にいる」

「その動きが秀逸で、この時点でアスレチックの選手が先にボールを触ること、そして、次にバックパスが出ることを予想してパスの出先へ移動を開始している」

「バックパスが出た場面が2枚目やな」

「相手がトラップをする前にラウールが非常に近い位置まで詰めていることがわかる」

「そして3枚目では、体を寄せてパスの邪魔をしている」

「このため、パスがぶれて4枚目のボールカットにつながる」

「この時ミスしたのはアイトール・オシオやな」

「ミスをしたというかラウールにさせられたわけやな」

「ラウールに寄せられたことでトラップが足から離れてしまい、結果として足先だけで蹴ってカットされた」

「ファン・ニステルローイはこのままドリブルでもちこんでシュートにつながるわけで、この得点で果たしたラウールの役割は実に大きい」

「昔っからこういうこすっからいプレーは得意やしな」

「こすっからい言うな」

「ユーロ2004のギリシャ戦(別ページ)でも同じような形でボールを取ってたやろ」

「あれは見事やったな」

「確かに見事だった」

「こういう先を読んだ賢いプレーがラウールの真骨頂や」

「その読みすぎるところが悪でもあるけどな」

「どういうことや」

「例えばこういう場面や」

「これも実にラウールらしいな」

「これは、アスレチックのゴールライン手前での出来事なのだが」

「まず、最初の写真でラウールは画面左側にバランスを崩している」

「しかし、2枚目の写真で強引に耐える」

「そして、3枚目の写真ではさらに強引に右足を大きく回し、相手方向に向かおうとしている」

「4枚目では華麗なる頭突きを相手の脇腹に突き刺す」

「見事5枚目のように相手を倒す」

「汚いにもほどがあるやろ」

「いやいや、相手のカウンターの芽を摘む見事なファールであると思うが」

「相手は前を向いた状態でボールを持っていて、ラウールは完全にバランスを崩している。たとえ方向転換に成功したとしても、絶対に追いつくことはできない」

「そこで頭突きをお見舞いするわけや」

「ボールにプレーする可能性のない状況で、わざとファールをしてカウンターを止めるわけだから、確実にイエローになるはずなのにそれも出ない」

「それは、ラウールは頑張って耐えてプレーしようとしたけれども耐え切れなくて衝突してしまった、という言い訳が成り立つ状況を利用しているからやな」

「耐える耐えないの問題じゃなくて、明らかに最初から頭突き以外する気ないやろ」

「当たり前や」

「おまけに、この時は1点差でマドリーが勝っていたから頑張って耐えたわけで、負けてたら絶対やらへん反則やろ」

「それも当たり前や」

「審判はこれを見逃してどうするんかと」

「だから、ラウールはこういう反則は言い訳が成り立つ状況でしかやらないし、自分達が有利になる状況でしかやらない」

「それをそれ、小汚いというんや」

「いや、これだけ完全に状況を判断して行動できる選手はそういないから真似しようとしてもできるもんじゃないで」

「高等反則かね」

「まあいうてみればカーロス・リベラみたいなもんやな」

「またわけのわからんことを」

「それに、ラウールのこの手の技なら03-04シーズンのマドリーダービーでの技(別ページ)が素晴らしいで」

「飛ぼうとするキーパーの腰の上に腕を置いてバランスを崩させる奴か」

「あれも言い訳が成り立つ状況を利用した技やけど、その発想がすごいで」

「日々どうやると相手が嫌がるかを考えている人間のみが為しうる技やな」

「他人に見えないものを見て稼ぐのがプロだとしたらラウールは正にプロやで」

「そう来たか」

「そんなプレーをもっと見せて欲しいというところで」

「今週はこの辺で」

「その前にラッチオ戦はどうなんや」

「1-4-4-1-1か1-4-1-4-1でペペを消されて中盤を押さえられて右サイドバックが強かったら苦労するであろうということで」

「また次回」

「ごきげんよう」



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おまけ:
この位置でのFKにおけるアスレチックのサインの予想
@:右手を前に出す
A:右手を横に開く
B:顔に手をやる