Real Madrid vs Zaragoza
08.01.06.domingo
日時:2008年1月6日(日)
対戦:スペインリーグ第18節 レアル・マドリー対サラゴサ
結果:2−0
得点:68分 1−0 ファン・ニステルローイ
76分 2−0 ロビーニョ
審判:イトゥラルデ・ゴンサレス(バスク)
警告:−(マドリー)
−(サラゴサ)

「サラゴサが敗れマドリーが勝った今日この頃」

「みなさま明けましておめでとうございますというところで」

「本日は、監督の切なさと戦果の拡大といった点から話を進めてみようかと」

「うむ」

「まず、マドリー対サラゴサの先発はのようであった」

「新聞等の予想通りの先発やな」

「そしてサラゴサがフォワードを下げて、中盤の守備を固めたのも予想通りではある」

「サラゴサにしては珍しいねんけどな」

「普段のサラゴサというのは、積極的にボールを支配し、主導権を握ろうと努力する」

「サラゴサというか、ビクトル・フェルナンデスのチームの特徴やな」

「ところがこの日は、自分達がボールを持つよりも、マドリーのバックラインにボールを持たせることに重点を置いていた」

「いわゆるパッシブかつ受身な守備を行ったことになる」

「なぜそれがこのマドリーに対してよろしいかというのは、オサスナ戦を読んでいただくとして」

「出だしのサラゴサの守備は少々おかしかった」

「おかしいというか不慣れな感じやったな」

「普段、引いて待つことをしないからかね」

「たとえば、こんな場面で不慣れやったしな」

「センターバックがボールを持った時にディアラが中央に来ると、フォワードの2人のどちらがマークに行けばいいかその場で話し合う場面もあった」

「おまけに相手のサイドバックに中盤の選手が詰めた後も変な形だった」

こうか」

「ここで言うとサパテールが詰めた後の中央が問題で、フォワードが下がって埋めるのか、ボランチが上がって埋めるのかはっきりしなかった」

「ボランチはフォワードが下がると思って待っているし、フォワードはボランチが前に出るものと思って止まっているからスペースが大きく空く」

「精神的お見合いというやつやな」

「なんかアダルトやな」

「相手を待つディフェンスをするのであればフォワードが下がった方がいいねんけどな」

「そんなサラゴサの不慣れもあって開始直後はわりとマドリーも攻めていた」

「しかしながら、時間の流れとともにサラゴサの一方的な展開になった」

これやな」

「赤いスペースが空く病といわれている」

「そこを突くためにサラゴサはこう動いていた」

「青い線が上手く行った攻めで、赤い線が上手く行かなかった攻めか」

「右ではセルヒオ・ガルシアが非常に良かった」

「スペースを的確に利用するパスを出し、自らもスペースでボールを受けてマルセロをものともしないプレーを見せた」

「そして、最近右のセンターバックに返り咲いたセルヒオからの球出しが非常に安定していた」

「開幕からずっと左に入っていた時は、組み立ての冴えがまったくなかったからめでたいことやな」

「センターバックの右左はどうでもいいように思われがちやけど、そうではないという良い実例であるな」

「そんなこんなで右はうまくいっていたが、左はどうにもよろしくなかった」

「いくらスペースがあってもサパテールはもともとサイドの選手ではないしな」

「おまけに、ファンフランは歳のせいかスピードを上げた状態でのクロスがあさってに飛ぶようになってしまった」

「軸足の踏ん張りが利かない感じではある」

「まあ、左右どちらかが機能すればそれでいいといえばそれでいいねんけどな」

「右手でパンチを出して左手でガードするようなもんやな」

「それにしても、この試合のサラゴサの攻めは圧倒的だった」

「シュート数を比較すると、サラゴサが24本でマドリーは11本、枠内シュートはサラゴサが11本でマドリーが3本」

「そして得点はサラゴサが0でマドリーが2」

「枠内シュート3本で2点」

「まさに今シーズンのマドリーの強さを象徴した試合だった」

「その強さの秘密はこうやな」

「まず役割分担がはっきりしている」

「後ろは守り、前にボールをつなげ、つないだら点は一瞬で取れる、という構成やな」

「まあ、中盤がないからボールがつながることはないのが問題なのではあるが」

「そこは、相手のちょっとしたミスとか、審判のちょっとしたミスがあれば充分やから、90分中75分押されまくっていたとしても問題はない」

「おまけに、ディフェンスラインには素晴らしい選手がそろっているから、耐えるという面でも問題は少ない」

「特にぺぺが入ると素晴らしいな」

「もしそこが抜かれたとしても聖カシージャス様がすべて止めて下さる」

「この試合のセーブ数を見ると、サラゴサのバジェッホが1本、カシージャスは11本」

「しかも、11本のほとんどがナイスセーブで、その内の3本はスーパーセーブ」

「まさにカシージャスさまさま」

「ここ5年ほどずーっとカシージャス様の腕二本で持ってるところがあるしな」

「足でのセーブも重要やで」

「これらの要素に加えて、マドリーには”戦果の拡大”という観点から見て素晴らしい選手がそろっているのも見逃せない」

「どいうことや」

「要するに、一度つけた差をさらに広げることのできる選手がそろっているということやな」

「そういうことか」

「これはチームが安定して勝つためには欠かせないことで、一度差をつけてもそれを広げるのに苦労するようだと、去年のソシエダーのようなことになってしまう」

「なにもソシエダーを持ちださんでもええやろ」

「この試合のマドリーの得点はのようだった」

「上が一点目やな」

「ロビーニョがボールは右に、自分は左に行くフェイクでディフェンスを簡単にかわす」

「月は東に日は西にというやつやな」

「そして軽く中央へセンタリング」

「そこへ、ファーに逃げてからニアに戻ってきたファン・ニステルローイがあらわれる」

「頭とボールが出会ってこんにちは」

「ヘディングシュートがゴールネットを揺らして先制点」

「そして、追加点は8分後」

「前に出てボールをカットしたサラゴサのセルヒオがパスミス」

「それを拾ったロビーニョが一気のドリブル」

「そのスピードに誰も追いつけない」

「ペナルティーエリアの縁からシュート」

「ボールはサイドネットを揺らして2点目」

「あれはいわゆる3本指と言われるシュートやな」

「3本指か」

「インステップと同じモーションから外側の3本指の上で蹴るとボールはアウト方向に飛んでいく。この場面でキーパーは右に飛んだのにボールは左を抜けたのはそのせいではなかろうかと」

「話には聞いたことのある技術やけどな」

「普通うまく蹴れへんのやな」

「それはそれとして、20本近いシュートを放っていたサラゴサもこれにてとどめをさされてしまった」

「リードを奪う、相手のミスが出る、すかさず決める。一度ついた差を確実に広げるレアル・マドリーの良い点が見事に出ている」

「しかし、これは相手の監督からすると切ない話やで」

「ビクトル・フェルナンデスの胸中やいかに、というところではある」

「チーム作りでも勝った、作戦でも勝った、チャンスも大量に作った、決定的なシュートも充分に放った、ポストを叩いたシュートもあった、90分中、75分は自分達のペースだった。それで負けるわけやからどうしようもないで」

「まあそうやな」

「そしてまた、その手の犠牲者がサラゴサだけではないからな」

「バジャドリーやアルメリア、オサスナにオリンピアコスなんかもそうやな」

「クラシコやビジャレアル戦なんかのいくつかの例外を除くほとんどがそうやで」

「でも、マドリーの進化の方向というのは興味深いやろ」

「どういうことや」

「このを見ながら、10年ぐらい前からの変遷を思い浮かべてみると、前線の能力はある程度上下しながらも高いレベルを保っていて、中盤の能力は下がりっぱなし、ディフェンスの個々の能力は非常に上がって、キーパーの能力も上がっている」

「キーパーも上がったのかね」

「カシージャスは、昔からハイボールに弱い、高いボールにすぐかぶると言われ続けていたけど、最近はその点が非常に安定している」

「さすが修行僧といわれるだけのことはあるな」

「レドンドからマケレレを失った後のマドリーは中盤をどうにかしようとして失敗を繰り返していたのに、去年から今年にかけてむしろその中盤を積極的に切り捨てることで成績を残しつつある」

「昔の8人フォワード、2人ディフェンスへの先祖がえりみたいなもんか」

「いつの時代や」

「まあ、そんなこんなで」

「今週はこのあたりで」

「また次回」

「その前に」

「なんや」

「右の方にバルセロナなどのチームを戦果の拡大、つまり、一度つけた差を広げるという観点から見た図がありますので、興味のある方はそれもご覧いただけたらと」

「いうところで」

「ごきげんよう」



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