「バルセロナが完敗した今日この頃」
「逆に言えば、デポルの完勝やな」
「いくら火曜日にチャンピオンズリーグを控えていたとはいえ、酷い内容ではなかったかね」
「まあ、デポルの監督、ミゲル・アンヘル・ロティーナが用意した対策に見事にはまってしまったから、しょうがないといえばしょうがない」
「先発は
こうやな」
「バルサの主力で欠場している人は、温存が理由やな」
「それに対するデポルは、1-5-3-1-1」
「普段は、1-5-4-1に近いだけに珍しいといえば珍しい」
「その意図は
こうやな」
「まず、ディフェンスを第一に考えていて、右サイドバックのマヌエル・パブロはボージャンを、トップ下のラフィタはマルケスをマンツーマン気味にマークして、中盤の3人でトゥレとグジョンセンを止める」
「言うなれば、中央と右サイドの守備を重視した布陣やな」
「しかしながら、問題もある」
「青い点線の部分やな」
「右と中央を厚くした反動で、そこに結構なスペースが生じる」
「あちらを立てればこちらが立たずというやつか」
「一部では寸足らずの毛布と言われる現象でもある」
「図を見ると、一見危なそうに見える」
「左サイドにスペースが残り過ぎやしな」
「ところが、対して危なくない」
「それが
この図か」
「青い線が怖い攻めで、赤い線は怖くない攻めを表している」
「点線が選手、実戦がボールの動きやな」
「まず、ジオバンニがボールを持ってスペースをドリブルしてくる筋だが、これはフィリペ一人で応対して問題ない」
「スペースがある状態で、一人で止めるのは難しいねんけどな」
「フィリペとジオバンニの力関係においては、ほとんど問題がなかった」
「次に、ザンブロッタがそれを外から追い越す筋だが」
「これには、コロチーニが出れば良く、いいセンタリングが上がる回数も極めて少ない」
「では、ザンブロッタが中のスペースに切れ込んできたらどうする」
「スルーパスを出す能力は低いし、中に切り返してからの左足のロングシュートも怖くない」
「つまりは、この2人にスペースを渡しても守備的に困らないということか」
「少なくとも、ロティーナの判断はそうやな」
「実際にここから崩すことはできなかったから、正解ということやな」
「次に中央のテュラム、プジョルに目を向ける」
「ここにもスペースが残る」
「フリーであることを利用して、ゲームを組み立てたいところだが」
「この2人では難しい」
「テュラムもロングパス、例えば、ボージャンへクロスに出すパスなんかはほとんど失敗する」
「最後にシウビーニョが残る」
「彼は確かに怖い意味がある」
「中に切れ込んでからのドリブルも上手いでな」
「前半24分にあった、左から中央に切れ込んだ後、ラインの裏に抜けるアンリに上手くアウトでのパスを合わせたシーンなんかがその典型やな」
「ただ、ボージャンに一度当てて、そこから展開するような攻めはほとんど出なかった」
「それは、マヌエル・パブロに張り付かれていた影響で、ボージャンはいい体勢でボールを受けることができなかったのが原因やな」
「ボージャンは、それでも何度か重要なチャンスに関係していたけどな」
「一瞬の輝きはあったが、全体としてはマヌエル・パブロの押さえ勝ちやな」
「こうして見ると、バルサでフリーになる選手が5人出るが、そのうち怖いのはシウビーニョだけやな」
「それもボージャンとの絡みは押さえてあるしな」
「これでは、攻め切れんわな」
「守備で空けてもかまわない場所があるということは、他の場所が固くなるというのと同義やしな」
「つまり、デポルは、バルサをはめる形に組んで、見事完封したという話やな」
「例えば、バルサが
こうだったら、逆にデポルの方が穴だらけになるしな」
「左はメシ、右はロナウジーニョに破壊されて、後ろからマルケスにやられるわけか」
「空けたスペースが見事にあだになるという話や
「良い時のロナウジーニョにマンツーマンで一人つけてもそれを背負ったままプレーされるから止められへんしな」
「これは、両チームのシステムを変えなくても、そこに含まれる選手によって、システム同士の相性がまったく変わるという実例でもある」
「中の人間の特徴を含めないシステム議論が不毛なゆえんでもあるな」
「そうやな」
「しかし、なんで右サイドバックがアウベスなんだ」
「セビージャから買いたいらしいから、例として出してみたんや」
「そうか」
「なんにしても、ロティーナは相手を受け潰すチームを作るのが上手い」
「前の
マドリー戦(別ページ)も結果として受け潰しやったな」
「それに、バルサが綺麗にはまって負けた、というのがこの試合の大筋やな」
「まあ、それはそれでいいとしよう」
「うむ」
「いま気になるのは、火曜日のチャンピオンズリーグ、マンチェスター・ユナイテッド戦がどうなるかということや」
「ユナイテッドの先発は
これが有力やな」
「第一戦とほとんど同じやな」
「ブラウンの代わりにヴィディッチを入れたくらいやな」
「中盤から前は変わらずか」
「バルサにアウェーゴールを決められると厳しくなるから、基本的に穴をあけないことを重視するやろな」
「それでも、先週の試合ほど引くことはないやろな」
「カンプ・ノウではべったりやったしな」
「ディフェンスラインの基本位置は、エリアから15m前後、ハーフラインに来たら詰めて行く感じかね」
「妥当なところやな」
「それに対するバルサは
こうか」
「出場停止をくらったセンターバックのマルケスを、プジョルかテュラム代えるだけやろな」
「ただ、このバルサは赤い部分が弱い」
「そこが弱い分、相手が前に出てくると脆い」
「デポル戦も、前半、相手が引いてるうちはそれなりだったけど、後半に勝ちに来られたら手も足もでなくなったしな」
「その弱点をユナイテッドが突こうと思ったら、
こうかね」
「ロナウドをサイドに回すか、ナニ、ギグスを入れてドリブルから崩していく形がよろしいやろな」
「ただ、ロナウドをサイドに動かすとトップが薄くならんかね」
「ルーニーを動かせばいいんちゃうかね」
「サイドで走って消耗したルーニーをそこに置いてどうかという話や」
「調子のいいサハがいれば問題ないやろけどな」
「その辺りの選択が楽しみではある」
「それに対してバルサはどのような交代が考えられるかというと」
「これまでの試合を参考にすると
このような形が考えられる」
「ボージャンにアンリか」
「ただ、これはどうなんやろな」
「守備的にはむしろ薄くなって、仮にリードしたとしても、叩きあいにこられると負ける可能性も高い」
「かといって、ジオバンニやエスケーロを前に入れたところで、守備は決して良くならないし、攻撃が良くなるわけでもない」
「悩ましいところやな」
「要するに、バルサのベンチは層が薄いということや」
「それは否めない事実やな」
「そうなると、最初から
こう組むというアイディアに思い至る」
「これはまた」
「持ち駒重視という手やな」
「最初はがっちり引くのか」
「どうせ一度も機能したことのない1-4-3-3なぞやめて、1-4-1-4-1にするわけやな」
「
ユナイテッドとの緒戦(別ページ)ではわりと上手くいってたけどな」
「あれはユナイテッドがボールを回させただけやからな」
「まあな」
「こう組む利点としては、まず、
前に守備で問題になっていたゾーンを潰すことができる」
「そりゃ
引いたらそのスペースは消せるわな」
「次に、この布陣には未来がある」
「どういうことや」
「希望と言い換えてもいい」
「だからなんの話や」
「要するに、バルサは相手に点を取られなければいいわけや」
「確かに、0-0ならPKまで行くな」
「それに1点でも取れば、今度はアウェーゴールの差で有利になる」
「そうやな」
「例えば、1点リードされても、1点取れば勝ちだから、そのような状況に備えて、攻め駒を温存しておくのは大きな意味がある」
「それが、
下に並んでいる、メシ、アンリ、シウビーニョか」
「次に、体力的な側面でもこちらの方がいい」
「それはそうやな」
「ディフェンスにとって、疲れた時にメシとアンリが登場するというのは非常につらい」
「2人とも鬼のように速いしな」
「おまけに、メシとアンリは怪我上がりも手伝って、持久力に不安がある。しかし、途中から出せば、それも緩和される」
「怪我がなくても持久力は不安ではある」
「チーム全体の持久力としても、ユナイテッドの方が上だから、ますますこのメシをアンリを温存する意味は大きい」
「後半から
攻める場合はそうかもしれんが、途中から守るとしたらどうする」
「それは、
こうやろ」
「アンリが前で、エトーがサイドか」
「そうやな」
「無理やりな感じが否めないところやな」
「それはしゃあないで」
「そうなんかね」
「バルサは前線から最終ラインにいたるまで、守備のバランスを取る選手、つまり、ジュリ、モタ、ジオといった選手を売りさばいて、その役割を負う選手を補充しなかったわけだから、守り手がいない。これは、シーズン前のミスであって、いまさらどうこうできる問題ではない」
「そう興奮せんでもええがな」
「状況と選手能力を考えると、
これよりも、
これから始める方が遥かに妥当やと思うねんけどな」
「耐えるバルサか」
「今シーズンはこれまで、変な色気を出さないで、じっと耐えてチャンスを待つ方が安定してたしな」
「はたしてどうなることか」
「当日のお楽しみというとろで」
「また次回」
「ごきげんよう」

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