マドリー対ラッツィオ (2007.12.12)

「昨日マドリー対ラッツィオが行われたわけであるが」

「うむ」

「3-1でマドリーが勝った」

「そうやな」

「おまけに、前半に3点を取って余裕の逃げ切り」

「13分、16分、36分でラッツィオは80分やな」

「これでマドリーは首位抜け、ラッツィオは最下位になった」

「ちなみに2位はオリンピアコス」

「そんな試合を見ていこうという話だ」

「よかろう」

「まず、先発はこうやな」



「ラッチオは1-4-4-2の中盤菱形か」

「というより1-4-3-1-2やな」

「その違いはどう見分けるのかという疑問もあるらしい」

「システムというのは守備の時にどのような隊形を取るかで表記する方がいいので、そうなるとラッツィオは後で見るように純然たる1-4-3-1-2やで」

「さよか」

「それはそれとして、このシステムは、サンチアゴ・ベルナベウでのマドリー戦ということを考えるとちょっとおかしい」

「どういうことや」

「ここ最近はグティがバチスタに変わって、バチスタ、ディアラでボランチ2枚に近い形になってるやろ」

「細かいことを抜けばそうやな」

「この2人がいると、中盤からなかなかいいボールが出てこない」

「その関係で、今のマドリーの攻め筋というのは、左サイドで浮いたロビーニョのドリブル突破が主やな」

「それなのに、ラッツィオのシステムだと下のように一番空いてはいけない場所が空いてしまう」



「1-4-3-X系のシステムで、いわゆるアゴが空くのは当然といえば当然やけどな」

「ここからロビーニョを押さえようと思えば、右のボランチであるムディンガイがサイドバックのヘルプに行くしかない」

「まあそうやな」

「そうなると次は、下のような形で一番空いてはいけない場所が空く」



「ディフェンスラインの前か」

「これは与太話でもなんでもなくて、マドリーの1点目は正にここから入った」

「下の感じやな」



「まあ以上のように、非常にわかりやすい形で崩されている」

「つまりあれか」

「なんだ」

「ラッツィオが1-4-3-1-2を使ったのは間違いだといいたいのか」

「そりゃお前さん、相手の一番強いところをわざわざ空けて前半ボロボロに攻められたら、それは非常な間違いだとしか言いようがないやろ」

「しかしだ」

「なんだ」

「ヴェルダー・ブレーメンは同じようなシステムでマドリーに勝ったわけでその主張はおかしくないかね」

「それとこれとは話が違うんや」

「なにがや」

「まず、ヴェルダーは下の形やったやろ」



「そうやな」

「ディアラの横にガゴ、右前にグティがいて、この形のマドリーは中盤の守備が極端に弱い。だから、前線に駒が揃っていれば引かずに戦う手も十分有力になる」

「今回はそれがバチスタとスナイデルか」

「その2箇所の選手が変わると攻略方はまったく変わってくるし、さらには、この試合がマドリーのホームで行われているというのも重要な意味を持ってくるわけや」

「具体的にどういうことや」

「まず、ディアラの横にグティかガゴでなくバチスタを入れると中盤の底から組み立てる能力はガタ落ちになる」

「良くなっても困るけどな」

「さらには、サンチアゴ・ベルナベウの観客というのは不味い試合に耐える能力が低く、ボールのつながらない展開が続いたり、マドリーが不利になると、とたんに犯人探しを始める」

「それがどうした」

「つまり、そこから考えられる手段としては、1-4-4-1-1か1-4-1-4-1で中盤を押さえて、さらにワントップにペペをマークさせることでロングパスを阻害するというものが有力になる」

「そうやって泥試合の耐久戦に持ち込むわけか」

「そうすると、とてもいいことがあってやな」

「なにがええんや」

「さっきも言うた感じでベルナベウの観客が犯人探しを始めると、最初にディアラ、次にバチスタが血祭りにあげられるわけや」

「ゲームを組み立てないかんポジションにいるだけにそうやな」

「ところがプレッシャーがきつくてスペースがなければ、この二人では荷が重過ぎる。そうすると観客はささいなミスにもブーイングを放つようになる。そうなればベルナベウの雰囲気はどんどん悪くなるし、そのプレッシャーが選手にのしかかれば、アウェーのチームの方が余裕を持って戦える状態になる」

「そういえば、去年もカペッロのチームはホームのベルナベウより外の方がのびのびプレーをすると言われてたな」

「つまりラッチオとしては、1-4-3-1-2ではなく、1-4-4-1-1か1-4-1-4-1に組めば、マドリーの得意とする攻め筋を潰すことができる。さらには、守って時間を経過させればアウェーの観客が味方についてくれる。以上2点の利益を得られるわけなんよ」

「しかしそうもいかんやろ」

「なんでや」

「マドリーは引き分けでもグループリーグ通過なのに対して、ラッツィオは2点差で勝たないといけない状況やったわけやろ」

「そうやな」

「そしたらラッツィオとしては攻めなしゃあないやろ」

「それも別にそんなことはないんや」

「なんでや」

「きちんと守っていれば、マドリーはカンナバーロ、ディアラ、バチスタのところでミスが出るから、そこでボールを奪えば非常にいい形で攻めることができる」

「魔の三角形か」

「おまけにマドリーの左サイドにはマルセロがいるから、そこをドリブルで攻めれば必ずチャンスをつくり出せる。マルセロの前で勝負を仕掛けるなら、1-4-3-1-2よりサイドに人が多い1-4-4-1-1か1-4-1-4-1の方がはるかにいい」

「まあ監督のデリオ・ロッシとしては、あまりシステムをいじりたくなかったのと違うかね」

「しかしそれがまた不思議なことにだな」

「なんやまたもったいぶって」

「後半に開始から、レデスマをバローニオに変えて下のようになるんや」



「ふむ」

「どう見ても1-4-4-2に近づいとるやろ」

「サイドがちょっとデコボコやけどな」

「それは右サイドのメグニがなるべく前に残ろうと試みるからなんやな」

「ということは、まだ前線に3人残すアイディアを捨てないという意思表示なんではないかね」

「ところがだ」

「なんだ」

「63分には次のようになるんや」



「うむ」

「メグニをマンフレディーニに代えて、ほぼ完璧な1-4-4-2になった」

「うむ」

「3点差をつけられてどうやっても攻めないとしょうがない状況で、どんどん後ろが増えているとはこれいかにという話や」

「その方がバランスよく攻められるからではないかね」

「それなら試合開始からそうしておけばいいという話になる」

「本人にインタービューせなわからん話やな」

「先週末のアスレチック対マドリー(別ページ)を見れば文末のような1-4-4-1-1か1-4-1-4-1の2つが最初に思い浮かぶだけによくわからんのやな」

「そんな謎をはらみつつ」

「チャンピオンズリーグも明日で年内最後というとろこで」

「また次回」

「ごきげんよう」







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