ユーロ2008予選 スペイン対スウェーデン (2007.11.17)

「ユーロ本戦出場を賭けたこの一戦」

「うむ」

「スペイン代表はめでたく3-0で勝利した」

「これで本戦出場が確定して、けっこうなことであるな」

「一時は行けへんのちゃうかという気配が濃厚やったしな」

「監督、選手の感慨もひとしおなのではなかろうかと」

「かもしれんな」

「ところで、この試合は色々と奇妙であったと思うのだが」

「奇妙というか不思議な出来事が随所にあったな」

「とりあえず先発はこうやな」



「スペインはセスクがトップ下で、ビジャのワントップというのが目新しい」

「これはまず点を取ることよりも取られないことを重視しての話やな」

「スペインは最低ラインが引き分けの試合やしな」

「中盤の人数を増やして相手にスペースを与えないこと、そして奪ったボールをミス無くつなぐことが主眼になっている」

「スペインではもう一つ、左サイドの動きがいつもと違った」

「カプデビラがひたすら上がっておったな」

「左サイドはシルバの外をカプデビラが追い越すのに対し、右サイドはイニエスタを中に入れるものの、セルヒオ・ラモスはほどんど上がらない」

「下の感じか」



「これまではセルヒオ・ラモスを上げることが多かっただけに目新しい」

「まあ彼を上げないおかげで右奥のスペースはほとんど死んでたけどな」

「確かにな」

「スペインは、守備に重きを置きながらも15分と39分にゴールを決めて順調にリードを奪う」

「得点経過だけを見ると、非常に順調に見えるわけだが」

「そうやな」

「前半の流れは奇妙ではなかったかね」

「それは最初にも触れたな」

「まず、両チームのファールの数がおかしくて、特にスウェーデンの数がおかしいやろ」

「前半45分で、スペインが3回、スウェーデンも3回やな」

「少なすぎるやろ」

「確かに少ないな」

「これだと90分で12回ペースで、普通の試合の3分の1程度の数でしかない」

「大体30〜40くらいが一般的やしな」

「スペインが少ないのはいいとしても、スウェーデンとしてはスペインに自由にボールを持たせてはまずいわけだから、体の大きさをいかしてガツガツと当たりながら守備をするのが当然で、そうなると必然的にファールは増える」

「常識的にはそうなるところや」

「ところが、ルーズボールでも相手がパスをする球際でも当たらず、ファール数も45分でたったの3つとはこれはいかなることかと」

「スウェーデンも引き分けでオッケーな、まったりとしたペースに持ち込みたかったから、わざと当たらなかったのではないかね」

「それでスペインにボールを自由に回されてはどうにもならんのとちゃうかね」

「後半は当たりに行っていただけに、不思議ではあるな」

「どうにもよくわからない」

「まあ、前半はスペインにボールを持たれたとはいえ、ゴールチャンスは3回しか与えなかったのだから守れていたといえば守れていた」

「その3回で2回決められたら残念無念な話やで」

「そうは言っても、2点目のイニエスタのボレーなんか決めた方を褒めるしかないほどのゴールやったけどな」

「あれは確かに綺麗やった」

「1点目のゴールは、普通といえば普通のコーナーキックやったけどな」

「下の図やな」



「右からのコーナーキックをオープン、つまりゴールから離れて行く方向に蹴ってニアサイドでそらし、ファーサイドで決めるという奴やな」

「ちなみに、ニアサイドでボールがそらされた瞬間の写真は下のようになる」


http://www.elmundo.es/elmundo/2007/graficos/nov/espana_suecia/index.html

「これはまた奇妙な図やな」

「変やろ」

「小さいエリアの中で、スペインの選手が2人フリーになっている」

「しかもファーポストの前」

「これはありえない」

「この、オープンに蹴って、ニアサイドでフリック、ファーサイドで決めるというパターンは最も良くあるパターンのコーナーキックの一つで、概念的には下のようになる」



「まず1の場所に選手が走り込んで、2の場所にボールを落とす」

「もし1でのヘディングが合わなかった場合は、3の地点に抜けるボールを叩く」

「もちろん1から直接シュートを打ってもいいが非常に難しい」

「ウルサイスなんかは得意やったけどな」

「なんにせよこれは非常によくあるパターンで、その時に2の場所を空けるというのはおかしな話なわけやな」

「実は、一番目の図を見ると、ゴールを決めたカプデビラは最初マークされている」



「なんでこれがドフリーになるんやろな」

「それは、マークしていた選手が3の地点を守るべく前に出たからなんやな」

「しかし、それでは2の地点ががら空きになってしまってよろしくないと思うが」

「そこが七不思議の一つなわけだ」

「他のに6つもあるんかいな」

「それは、コーナーキックでの同じミスが、スペインの3点目でも繰り返されていたのが1つやな」

「あと5も個残ってるで」

「上で話題になったスウェーデンのファールの少なかったこと、前半のスペインは左サイドから適当にセンタリングを上げるだけだったのに2点も取ったこと、2分59秒にロッセンベリがダイレクトシュートを打つべき場面で下手なトラップをしたこと、5分54秒にイニエスタが4mのパスをミスしたこと、寒いさなかのサンチアゴ・ベルナベウでの代表戦がほぼ満員になったこと、以上で7個やな」

「無理やりに7個つくったやろ」

「そんなことないで」

「なにはともあれ」

「スウェーデンの守備と、コーナーキックに対する対応は非常に奇妙だというところで」

「また次回」

「ごきげんよう」

「ところでだ」

「なんだ」

「スペインはこの配置のまま本戦も行けるかね?」

「まず無理やな」

「無理か」

「アラゴネスの頭痛は今後も続くと予想されますので」

「その辺りもご注目というところで」

「ではまた次回」



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