Italia vs Francia
06.07.09.domingo
日時:2006年7月9日(日)
対戦:ワールドカップ決勝 イタリア対フランス
結果:1−1(5−3)
得点:0−1 7分 ジダン(PK)
1−1 19分 マテラッツィ
審判:オラシオ・エリソンド(アルゼンチン)
退場:ジダン(110分、フランス、レッド)
警告:ザンブロッタ(イタリア)
サニョル、ディアラ、マケレレ、マルーダ(フランス)

「イタリアとフランスの決勝はPK戦の末にイタリアの勝利に終わった」

「終わったな」

「試合の全体的な流れとしては、フランスが押していた」

「前半はイタリアが良かったけど、後半から延長にかけてはフランスの独壇場だった」

「それだけにフランスとしては残念だった」

「確かに」

「試合はこんな形で始まった」

「イタリアは予定通りの配置になっている」

「一方のフランスは、守備の時にジダンとアンリが縦ではなく横に並んでいた」

「これはピルロ対策と見ていい」

「うむ」

こういう形でジダンとアンリがピルロを見る。2人で見るからピルロが左に動いても右に動いてもマークが外れない」

ドイツ対イタリアで見られたようなダイレクトパスの出所を潰すわけやな」

「さらには、ピルロの前に壁をつくれば、トッティにボールが入る回数も減るので一石二鳥になる」

「しかし、そうするとマテラッツィがフリーになってしまう」

「そこは痛いとこやな」

「イタリアのセンターバックではカンナバーロがロングパスを出すのは皆無に近く、常にマテラッツィが捌いている」

「イタリア対オーストラリア戦では、ヒディングは試合途中からビドゥカをマテラッツィにつけて押さえにいっていた」

「マテラッツィに長いボールを蹴られるマイナスとピルロが自由になるマイナスを秤にかけて、後者の方が重いと判断した結果やな」

「なにかをするにはなにかを捨てなければならないというやつか」

「そうやな」

「そして、前半の7分にPKからフランスが先制する」

「守り合いで点が入らない展開になると思われた試合だけに、これは意外だった」

「PKはのような形から生まれた」

「自陣からのフリーキックを左サイドに流れたアンリへ送る」

「それを中央にヘッドで折り返し、同じく左に流れていたマルーダが中央へ反転して縦を突く」

「それを中央後ろ側から追いかけてきたマテラッツィが倒しPKが宣告される」

「見事なセットプレーだった」

「確かに」

「PKはジダンがふわりと決めてフランスが先制する」

「バーに当たって外に出そうやったけどな」

「この得点の後は結構な攻め合いになった」

「殴られたら殴り返す戦いの美学やな」

「イタリアの同点ゴールは19分に生まれた」

「コーナーキックからだった」

「この時ゴールを決めたマテラッツィの動きは単純で、縦に出てビエイラの上に飛んで頭で叩いただけだった」

「ただ、ヘディングの瞬間に面白い技が駆使されている」

「マテラッツィは明らかに早すぎるタイミングでジャンプしているのに空から落ちて来なかった」

「あれはビエイラを踏み台にしてるんやな」

「相手より早く飛べば後から上がってくる相手の肩に手を置くことで空中に長く浮くことができる」

「その原理を利用してマテラッツィはボールを待ってヘディングすることができた」

「悪どいな」

「悪というよりは伝統芸やな」

「ちなみに、この時のピルロのキックは極端に言えばこのような形になっている」

「非常に高い位置から落としている」

「蹴った瞬間はミスキックに見えるほどボールの軌道が高かった」

「あれはわざとやろうな」

「そうかね」

「高い位置から落ちてくるボールの方が踏み台をやりやすい。ピルロのキックとマテラッツィの踏み台がセットになったプレーだと思うで」

「どうやろ」

「おそらく計画的犯行やな」

「このゴールで同点になった後、試合は無得点のまま進む」

「後半に入るとフランスが圧倒的にチャンスをつくり始める」

「これに対して、リッピは61分にトッティとペロッタをデ・ロッシとイアキンタに代える」

「システムは1−4−5−1かね」

「中盤を固めて火消しを狙っている」

「ドイツ戦では徹底的に攻めていったのに、この試合では一転守りに出た」

「それまでの流れからして、攻め合ったら負けると判断したんやろ」

「この交代の後、イタリアは攻めることができない代わりに決定的な場面を作られる回数も減った」

「それでも、やっぱりフランスが押してたけどな」

「結局試合は延長に入り、試合も終わりに近づいた110分に事件が起こる」

「突如切れたジダンがマテラッツィの胸にロケット頭突きを喰らわせて退場してしまう」

「ジダンは最後の最後までジダンだった」

「これでフランスが優勝していたらそれですむ話やけどな」

「しかしなんでいきなり切れたのかね」

「なにか言われて一瞬で切れたことからして、人種差別発言か家族の悪口を言われたか、どっちかやろ」

「どうせならアゴに喰らわせてやればよかったのにな」

「おいおい」

「そういう発言をする人間が無罪で切れたら負けというのもおかしな話やろ」

「まあな」

「試合はPKにもつれこみ、バーに当てたトレセゲ以外は全員決めてイタリアの優勝が決まる」

「トレセゲは101分に投入されたけど、PKを外すために登場した形になってしまった」

「こういうのが占いでわかれば監督も楽なんやけどな」

「そこは人の持つ運やろな」

「ちなみに、バルデスは5本中3本のPKにきちんと反応しているのに対して、ブッフォンは4本中4本逆に飛んでいる」

「ジダンのPKでも逆に飛んでいたから、5本中5本やな」

「これはこれで珍しい」

「賭け事が好きなわりには、2択をすべて外している」

「とにかく、ドイツワールドカップ2006はイタリアの優勝で幕を閉じた」

「思えば、ジダン、フィーゴ、ラーション。色々な選手が引退や代表引退を決意して望んだワールドカップだった」

「中田もそうだった」

「これだけ一気に人がいなくなるワールドカップも珍しいな」

「それについては、テュラムがいなくなるのが一番寂しいけどな」

「テュラムか」

「代表戦では、試合前に国歌が流れるやろ」

「流れるな」

「その時カメラが一人一人を映していくんやけど、テュラムの前に来ると、ものっ凄い音程を外したラ・マルセイエーズが大音量で聞こえてくるわけよ」

「そうかね」

「それを聞くたびに、”ああ、今日もテュラムは元気に音痴だ”と思うわけやな」

「ふむ」

「もうそれが聞けないかと思うと、寂しいもんやで」

「そうか。わしはやっぱりジダンやけどな」

「そうかね」

「なにはともあれ、ワールドカップも閉幕。今までお付き合いいただいた方々、ありがとうございました」

「どうもおおきに」

「また明日お会いしましょう」

「明日もあるのか?」

「日本代表3試合のまとめがあるらしい」

「ほんまかいな」

「ほんまらしいで。サッカーが夏休みの間も、話しきれなかったワールドカップの事柄を始め、ぼちぼちと更新されていきますのでどうぞよろしく」

「では、本日はこの辺で」

「また明日」



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