前半は完全にアトレチコペース。ニコライディス、ナノで空けた敵ディフェンスラインの前の空隙でトーレスがボールを受け、それをイバガサに落とした後のバリエーション、特に左サイドのナノへ繋ぐパターンから多くのチャンスを得た。
対するアルバセーテはディフェンスラインから中盤の底にかけてゲームをつくる能力に欠けるため、アトレチコプレッシャーにより簡単にボールを失った。
前半、アルバセーテフォワード、アランダ、パチェコ共にほとんど見せ場はなかった。
後半、ペースを掴んだアルバセーテ。その鍵となったのは、アランダへのロングボールとアトレチコディフェンスへのプレッシャー。
奪ったボールをガルシア・カルボとレキの裏へ走るアランダに素早く送り込む、これを徹底的に行うことにより、敵センターバックを押し下げ、左サイドとディフェンスラインの前にスペースをつくり出すことに成功した。
また、ロングボールにより押し下げたアトレチコ・ディフェンスラインにプレッシャーをかけ、中盤に渡るボールを不正確化させ、より高い位置でボールを奪い継続的に攻めつづけた。
以上は、アランダを苦手とするガルシア・カルボ、プレッシャー下でボールを的確に繋ぐことのできないディフェンスライン、アトレチコが持つ以上の弱点を自チームの強い部分で突いおり、それにより戦術的優位を得た。
敵の薄み目掛けて一点突破を図り、成功を収めた好例であろう。
特に、52分、ダビー・サンチェスをボランチに投入したことにより、敵ディフェンスラインの前に空いたスペースをより有効に活用し、いくつものチャンスをつくり出した。
59分からの連続した攻撃、59分30秒のゴール、71分40秒のチャンス、これらの場面にアルバセーテの強点、アトレチコの弱点が凝縮されている。
アトレチコの対応策としては、ディフェンスラインにボールを捌く人間を配置するのが第一案である。しかし、シメオネではアランダのスピードに対する応対に不安が残る。
中盤のデ・ロス・サントスを下げる方策も考えられるが、その場合、空いたディフェンスラインの前を埋める人材が不足する。
よってアトレチコはディフェンスラインに構造的問題を抱えているといえる。
コパ・デル・レイでも勝ち残り、チャンピオンズリーグを狙う位置にいるアトレチコ。
しかしながら、上述の点、すなわちプレッシャー下でボールを持った守備ラインと中盤の連携が改善されねば苦戦も予想される。マンサノの手腕が注目される。
これに加え、ボランチのデ・ロス・サントスの脇、イバガサの裏を埋めるサイドのミッドフィールダーとして、ノボ、アギレラ、ナノ、ムサンパ、誰を起用するのか、この選択もまた戦術的興味を惹かれる。