Real Madrid C.F. vs F.C. Barcelona
04.04.25.domingo
日時: スペインリーグ第34節 2004年4月25日(日)
対戦: レアル・マドリー vs バルセロナ
結果: 1−2
得点: 1−0 53分 ソラーリ
1−1 57分 クライファート
1−2 86分 シャビ
審判: アルフォンソ・ペレス・ブルル(カンタブリア)
退場: フィーゴ(69分、レアル・マドリー、黄紙二枚)
警告: カンビアッソ、ソラーリ、エルゲラ (マドリー)
− (バルサ)

結果はともあれ、極めて盛り上がる展開となったスーペル・クラシコことレアル・マドリーvsバルセロナ。
試合前から色々な点が注目されておりましたが、戦術的には、

エルゲラの位置
バルセロナのセンターバック
ロナウジーニョの位置

が焦点であった。
エルゲラを上げれば中盤は安定するがディフェンスラインに穴が空く。
今シーズン一貫してセンターバックとして起用してきたエルゲラを前節のアトレチコ戦ではボランチに起用したカルロス・ケイロス。そのアイデアに沿って、センターバックをメヒア、ラウル・ブラボで組み、エルゲラを一つ前に配置するという予想もあったが、結局ディフェンスとして先発した。
バルセロナ戦の重要性を考えるに、メヒアとブラボを信用するのは難しい。アトレチコ戦におけるパボンの退場を思い浮かべればなおのこと難しい。
「エルゲラを中盤に」と書いたスポーツ新聞も、若い二人のセンターバックで敗れたならば、それを糾弾するであろう。ならば後ろからチームを組み立てる方が妥当である。

ライカールトはセンターバックにスピードのある選手を配置するのを好む、よって、バルサの最後尾はプジョル、オレゲルが基本とされている。
確かにボールを持っていない状態では非常に安心できる二人だが、ボール回収後、敵のプレッシャーに晒された場合非常な不安が残る。
ロナウドを欠いたレアル・マドリーは極めて忠実に前線からプレッシャーをかけてくる。それをかわす為にはセンターの一角としてマルケスを配置したほうがよい。ロナウドのスピードを心配する必要がないのだからなおさらである。
前半36分前後にプジョルの顔面セーブやビクトル・バルデスの際どいセーブが炸裂していたが、前者はオレゲルが中央、しかもマドリーの選手目掛けて行ったクリアボールが発端となっている。
彼のクリアミスでバルセロナがピンチを迎える場面は多い。しかしながらサイドからポジションを移し、ディフェンスラインの裏へと走り込むソラーリに対する反応などは頼もしい。
監督のサッカーに対する哲学の差が出る問題なのだろう。

そしてロナウジーニョ。
前半から1−0とリードされた後に交代が行われる56分までただひたすらに左サイドへと貼り付けられていた。
これは監督の指示によるものだと考えられる。
結果としてミチェル・サルガドに影のように張り付かれ、前半はまともにボールを触ることすらできず、サイドで後ろ向きでボールを受けサイドチェンジ、これ以外の行動がほとんど見られなかった。
サイドに立つロナウジーニョ、これはバルセロナが勝てなかった20節のアスレチック戦以前によく見られた姿である。
前半、バルセロナの攻撃は非常に単調だった。その主な原因は、サイドのロナウジーニョとオーフェルマースにあった。マークされやすいゾーンに位置するロナウジーニョはサルガドに消され、右サイドで多くのボールを受けたオーフェルマースは縦に進めず、内側に切り替えして左足でセンタリングを上げるしかなかった。
前半途中、もしくは後半開始から二人の位置を入れ替えると思われたが56分までなんの動きもなかった。

右利きは、体をたたむフェイントから右足のアウトサイドでボールをつついて相手を抜くのが得意なタイプと、一度体を開いてから右足インフロント(もしくはインサイド)でボールを触り相手の裏を取るのが得意なタイプ、この二つに大別される。
オーフェルマースは明らかに後者であり、ご存知のように左サイドで縦に抜けるのを得意としている。

バルセロナの問題点とマドリーの熱心な働きがあいまって前半は完全にマドリーがペースを握った。左サイドのロナウジーニョをびっくりするくらい素早く挟みに行くフィーゴ、シャビに鬼の勢いでプレッシャーをかけるジダン、彼らの姿を見るとこの試合にかける意気込みがよくわかる。

後半の53分、コーナーキックのこぼれ球を叩いたソラーリのゴールによりリードを許したバルセロナ、その3分後に2人交代を行い、そのまた1分後に同点に追いついた。
この交代でサビオラ、オーフェルマースを下げクライファート、ルイス・エンリケを入れたのだが、彼らはそのまま前任者の場所を埋めている。
大きく変わったのはロナウジーニョの位置でバンダ(サイドライン)を捨て中央に入り、空いたサイドをファン・ブロンクホルスト、ダビッツで利用する通常のシステム、というか役割分担に戻った。
ちなみに同点となったゴールは、コクがミチェル・サルガドの裏に抜けるファン・ブロンクホルストに完璧なタイミングのパスを送ったところから始まっている。
攻撃面ではロナウジーニョを中に入れた方が機能するのは誰の目にも明らかである。ならばそれを採用しなかったライカールトは守備面からゲームプランを組み立てていたと見てよいだろう。

最後に、勝ち越しとなったロナウジーニョのアシストによるシャビのゴール。
ディフェンスラインの前、やや左サイドで余裕を持ってボールをキープしたロナウジーニョは軽くルックアップ、右足でボールをすくい上げディフェンスラインの裏へ落とし込む。中央から斜めに走り込んできたシャビがジャンプしながら右足で触れたボールは、緩いアーチを描きながら前に出るカシージャスを超えゴールへ吸い込まれた。
選手として夢に見るゴールが現実として展開された。

2位のレアル・マドリーまで4ポイント、首位のバレンシアまで5ポイントと迫ったバルセロナ、残り4試合。
2位になるのも奇跡に近いが、チャンピオンになるとしたら、これはもう、デポルティーボを超える奇跡である。

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