Real Madrid C.F. vs Celta de Vigo
04.02.29.domingo
Madrid vs Celta 2003-2004
日時: スペインリーグ第26節 2004年2月29日 (日)
対戦: レアル・マドリー vs セルタ
結果: 4−2
得点: 0−1 18分 イリッチ
1−1 55分 ロナウド
2−1 64分 ジダン
3−1 71分 フィーゴ
3−2 90分 ミロセビッチ
4−2 92分 ジダン
審判: アルベルト・ウンディアーノ・マジェンコ
退場: −
警告: グティ、サルガド、パボン(マドリー)
モストボイ、イリッチ、シウビーニョ(セルタ)

前半は何もしないレアル・マドリーが後半だけで4点も取ってしまう今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょか。
今日はそのマドリーvsセルタ。

セルタのシステムはご覧の通り。アンティッチの基本布陣とも言うべきもので、目立った変更はなし。
現在のセルタに置いて攻撃の起点となるのはエドゥ。彼がどちらのバンダ、すなわちサイドにいるかによってアンティッチの意図を読み取ることができる。
火曜日のアーセナル戦において、前半左サイドで消えかかっていた彼を右サイドに配置変更することによりチーム全体を蘇らせたのは記憶に新しいところである。あの試合ではアーセナルの弱点が左サイドバックであることを見抜き、さらにピレスの裏にあるスペースを有効活用するためにそのような処置が行われた。
マドリー戦ではその彼を右に配置した。ということは、頻繁に上がるシウビーニョとそれを中央からフォローするイリッチの動きを考え合わせるに、

1 フィーゴの裏、サルガドの前に常に生じるスペースを利用する
2 シウビーニョを外側から上げ、サイドに数的優位を作り出す
3 その結果として敵全体を押し下げ守備の容易な状況をつくる

以上がアンティッチの意図であると思われます。特に3が重要で、押し込んだ後、敵が選手間を通すパスを狙い撃ちでインターセプトし多くのボールを回収していた。
間を通るボールに対しマークを行う守備者が後ろからマーク対象を追い越して行うインターセプト、その狙い所、タイミング、カット後のボール捌き、どこかで見覚えがある、、、と思ったらベティスに似ている。
まあ、アンティッチはビクトル・バルデスの師匠筋にあたるらしいので、ベティスがセルタに似ていると言うのが正しいんですかね。

それはさて置き、このシステムでは右に守備を専門とするホセ・イグナシオが起用された。これはほとんど上がりっぱなしになる左サイドとのバランスを取り、ホームでは頻繁に攻撃に参加するロベルト・カルロスのサイドで数的不利を招かない為でもある。
アーセナル戦ではアンヘルがエドゥの逆サイドに配されていた。然るに今のセルタのシステムは1−4−3−3と捕らえるのが妥当だと思われる。まぁ、攻撃では1−4−3−3、守備では1−4−4−1−1、こう言うのが一番よろしいのでしょう。
おまけとついでに付け加えておくと、ホセ・イグナシオの守備におけるポジショニングは極めて間違いが多かった。
逆サイド、もしくは中央にボールがある場合、右ボランチのルシンとギャップをつくらないように位置し、対面のサイドバックにパスが出てから前方に移動しプレッシャーをかけるべき、なのですが、そのポジションが前過ぎかつ中寄りであったため、ルシンと彼の間を斜めに走るパスにより、度々まずいシーンが引き起こされた。
「まずい」とは直接ゴールチャンスに結びつくわけではないが、その一歩手前、ゴールに結びつくプレーが起こりそうなシチュエーションに陥る、という意味で使っております。
前半14分30秒、ギャップを通された後、ラウールが決定的な形でシュートを放ったシーンはその典型と言えるでしょう。

コーナーキックからイリッチがフリーで放ったシュートにより0−1とセルタがリードしたまま前半を終えた。

「あぁもうしょうがねぇ、前半駄目駄目なんはいつものこっさ、後半真面目にやりゃなんとかなんだろ。」

「しかしよ、そんなにいつも上手くいくわけでもねぇべ、今日こそはコケっかもしんねぇぞ」

「あんだぁ、馬鹿言ってんじゃねぇ、ベティスにバジャドリーにバレンシアにバイエルン、どんなしょぼい相手だろうと前半馬鹿みてぇなプレーしかしねぇのはおめぇもしってんだろ、今日もそうにきまっとるがね」

といった会話を周囲のおっちゃんがしておったのですが、監督の立場に立って真面目に考えても後半に向けてチームをいじる選択肢をマドリーは持っていない。
打つ手としては、右サイドフィーゴを下げずベッカムをより右に配置、フィーゴがエドゥ、シウビーニョを後ろに引っ張り相手の起点を潰しペースを握る。
これ以外に考えられない。
一方のセルタの選択肢としては、モストボイを外し左サイドをグスタボ・ロペスに、エドゥを中央へ配置する布陣が有力である。
前線の速さ係数を考えるに、ミロセビッチ(普通)、モストボイ(遅い)、エドゥ(遅い)、とまぁ三人足しても遅い。ならば、スピードに優れるグスタボ・ロペスをサイドに配置し、ディフェンス面でフィーゴに対するシウビーニョを助け、カウンターにおいて中央のエドゥ、モストボイをそのスピードによりフォローするこの交代は0−1と勝っている状況において理にかなっていると言える。
が、思想の最初に守備を置いた変更であるからして、チーム全体が下がり過ぎマドリーにスペースを与えかえってピンチを招く可能性がある。悩ましいところであるが、上記の交代が有力な筋であることに変わりはない。

現実にはセルタ側に交代はなく、後半はマドリーのものとなった。
2月7日のマドリーvsマラガの稿に書いてあるのですが、レアル・マドリーの弱点は極めてはっきりしている。しかしながら、一瞬のミスを全て得点に結びつけるギャラクティコの面々を90分押さえるのは鉛の塊を支え続けるに等しく、体力のある前半は支えられたとしても、時間の経過と共にその負荷に耐え切れなくなる。

特にこの試合において最も重荷となったのはフィーゴであり、二点目を生んだセンタリング、三点目を生んだコントロールとシュート、四点目を生んだペナルティーエリア左でのボールキープ、全てがセルタを押し潰す重心軸となっていた。
特に三点目はゴラッソ(すんげぇゴール)に相応しく、ペナルティーエリア右をラインの裏に抜けながら右後方から来るボールをスピードを落とすことなくトラップ、ディフェンスに追われエンドラインまで4mに追い詰められながらもキーパーの脇を抜き、逆サイドネットにボールを送り込んだ。

今後のチーム変化を予想するパラメータとして

セルタ
前線の組み合わせ、スピードの追加
キーパーの選択、カバジェーロが回復しない場合、反応の遅いピントを変更可能か
エドゥの逆サイドの選択、アンヘル、バグネル、ホセ・イグナシオ
ファンフラン復帰後のエドゥの位置、トップ下もしくは右サイド
センターバック、カセレスかセルヒオか

マドリー
フォワードの控え、ポルティージョかヌニェスか

以上が上げられるだろう。
マドリーはボランチでグティかソラーリか議論の余地があるところだが、ケイロスの中ではグティでほぼ固まっていると思われる。
この試合でラウールに変えてヌニェスを送り込んだことは興味深い。
これまでなら自動的にポルティージョが出場したはずであるが、その習慣を変えた。
ポルティージョを入れた場合のチーム効率に不満があり、別の可能性を模索していると見て間違いない。

今後そのようなところに注目頂けるとよろしいのではないかと。

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