Real Madrid C.F. vs Real Zaragoza
04.03.13.sabado
今週は次の水曜日、コパ・デル・レイ決勝で顔を合わせるレアル・マドリー対サラゴサを少々。
ギャラクティコの先発は右図の通り。
ギャラクティコ + パボネス なのか パボネス + ギャラクティコ なのか微妙な布陣である。
パボネス(下部組織出身組)
ポルティージョ、ファンフラン、カンビアッソ、パボン、ラウル・ブラボ、イケル
ギャラクティコ(高価かつ世界中で名を知られた選手)
ジダン、ベッカム、ロベルト・カルロス
フィアブレス(ギャラクティコに入れてもらえない人々)
ミチェル・サルガド、ソラーリ
マドリーレベルで6人も自前の選手を先発させるチームは極めて珍しい。育成と結果を共存させた好例と言えるだろう。
見方によっては。
ちなみにラウールは踵の怪我、フィーゴ、エルゲラ、グティは水曜日に備えて休み。
この試合では、マドリーとサラゴサの役割がひっくり返っていた。
普段は、
前半敵がマドリーにプレッシャーをかける
マドリーはゲームをつくれずボロボロ
イケルのパラドンでその場をしのぐ
後半気合いを入れなおして再登場
疲れにより敵プレッシャーが緩む
ギャラクティコの逆襲
ロナウドの一撃
おおまかにこのような流れで試合が進む。
しかしながらこの試合、前線からプレッシャーをかけたのはマドリーであり、サラゴサはそれを受ける立場であった。
サラゴサのディフェンスライン及びボランチのポンシオはプレッシャーに弱くそこでボールを不安定化させれば中盤で簡単に回収できる。
普段のマドリーなら敵陣でボールを奪えば確実にシュートまでもっていけるのだが、この日の面々ではそれをもう一度失う場面が多過ぎた。
アイスホッケーのように試合の途中で人を変えられるなら、ボールを持っていない時はカンビアッソ、ファンフラン、ポルティージョ、ボールを持っているときはロナウド、フィーゴ、グティ、このように変更してみたいものである。
28分、マドリーの一点目、ジダンが中央から敵ディフェンスラインの裏を取るパスを出し、攻撃を開始した。
サラゴサのように押し上げの激しいディフェンスに対しては二列目から飛び出せばよい、と教科書に書いてある。
が、さらに言えば中央よりもサイドから前に出た方がより簡単に敵の裏を取ることができる。
なぜなら、上がるディフェンスラインは中央を狭くするように意識するからである。
これは、間を通るパスをカットする、横パスをカットする、ボール保持者によりプレッシャーを与える、以上の目的のためである。
よってサイドに大きく開かれた場合、逆に動きなおさねばならず、システムの修正に時間がかかる。
この為、サイドでボールを受けた選手は簡単に前進し、余裕のある状態でセンタリングを上げることが出来る。
理論的には簡単だが、敵のプレッシャーを受けながらディフェンス陣の動きと味方の動きからオフサイドラインを計算し、さらにサイドに大きく開いた味方を見つけるのは極めて難しい。
ジダンの視野の広さとその視覚情報を基にしたイメージ処理能力、そして正確な右足、全てが揃って初めて可能なプレーである。
美しいプレーで得点を決めたその四分後、お約束のようにコーナーキックから失点するマドリー、脱力感が漂う。
別にサラゴサは特別なプレーを用いたわけではない。
キーパーエリア線上中央に一人を配置し、ペナルティーエリアやや内側、中央から少しファーポストよりに四人を固める。
四人はそれぞれ、一人は真横ニアサイド側へ、一人はニアサイドからファーサイドにコース変更、一人はファーポストへ、最後の一人はファーポストの外側へ、以上のように動く。
よくあるセットプレーである。にもかかわらず四人目のトレドが完全にフリーになっていた。
ニュースではパボンのミスにされていたが、一人目はカンビアッソ、二人目はパボン、三人目はジダン、がそれぞれマークしており、彼のミスではない。
おそらく、中央で棒立ちになっていたロベルト・カルロスがマークすべきであったと思われる。
マンツーで守って四対四、一人が動かなければ一人フリーになる。簡単な算数である。
ちなみに、パボンのミスではない、と書きましたが、マークすべき相手に完全に振り切られていたのは事実であります。
あの場面でカシージャスはいつものように飛び出しをミスしている。
一度前に出かけるが間に合わないことに気が付きファーサイド目掛けて斜めに後退、ヘディングの瞬間は完全にその位置を見失っており、逆サイドを空け過ぎてしまった。
これが彼の改善すべき点であるとすれば、その長所は一対一。後半カウンターからサビオのサイドチェンジを受け右サイド、完全にフリーでゴール前へやって来たガジェティ。その右アウトサイドでの切り替えしを完全に読み切ってボールを掻きだしたプレーは特筆に価するかと。
フォワードの立場から言えば、あそこでゴールを決めるためにはキーパの脇の下を抜けばよい。
右サイドからドリブルでゴールへ向かい、右へ切り返すそぶりを見せればキーパーはその左手側に飛ぶ。飛んだキーパーの伸ばした左手、脇の下、腰で構成される三角形の間にボールを通せば必ずゴールに転がっていく。
どんなにカシージャスが素早くても、重力により落下する速度を上げることはできない。
飛ばせてせてしまえば世界最高のキーパーも隣のおっちゃんも一緒である。
飛ばせて脇の下
公式として覚えておかれるといざという時に役に立ちます。ほんまでっせ。
後半も役割の逆転は続き、レアル・マドリーのプレッシャーが緩んだ隙を突いてサラゴサが二つの完璧なチャンスを得た。両方ものには出来ませんでしたが。
今シーズン私がベルナベウに足を運ぶと、マドリーが負けて然るべき試合が非常に多い。
エスパニョール戦以外は、何故負けないのか不思議な気分でスタジアムを後にしている。
2月7日のマラガ戦でその強さの基盤を考え、ラシン戦を注目して見るべきである、と書いたのですが、そこで引き分け、今日も引き分け、しかしながらリーガで独走、不可思議さは増す。
水曜日、本気のマドリーがどのような試合を見せるか、期待して待つことに致しましょう。

トップページへ