Valencia C.F. vs Barcelona F.C.
04.02.21.sabado
日時: スペインリーグ第25節 2004年2月21日 (土)
対戦: バレンシア vs バルセロナ
結果: 0−1
得点: 0−1 77分 ジェラール
審判: アントニオ・ルビーノス・ペレス(マドリー)
退場: カルボーニ(バレンシア、80分、イエロー二枚)
警告: バラハ、ルフェテ、ペジェグリーノ(バレンシア)
−(バルセロナ)


今回は試合を概観した後に、バルセロナをチームと監督の関わりから考えてみようかと。

まずこの試合最初の転換点は前半30分、鬼の勢いで飛び出してきたビクトル・バルデスとの激突によりマルケスがピッチを去ったことにより様相が一変致しました。

試合開始からそれまで、バルセロナのボール保持能力がバレンシアのプレッシャーを上回っていた。低い位置でプレッシャーを受けようとも、マルケスが居ればボールが不安定化することはない。前半2分20秒、オリベイラがマルケスへの横パスへ猛然と圧力をかけたが、かのメキシコ人は苦も無くそれをかわした。
ダッシュする、かわされる、ダッシュする、 かわされる、ダッシュする、かわされる、、、を延々と繰り返すと当然ながら人間は走る気を無くす。
前線に走る気が無くなれば、

フォワードでディフェンスに圧力 −> こぼれたボールに中盤でプレッシャー −> 奪ったボールでカウンター

というバレンシアの基本思想に綻びが生じる。
この意味においてマルケスの存在は非常に大きな意味を持っておりました。
のですが、世の中面白いもので、その彼が前半30分、上で述べましたようにキーパーと激突し、退場の運びと相成りました。
あれはビクトル・バルデスが完全に悪い。飛び出すスタイルどうこうの話ではない。120%間に合わないボールに突っ込み、100%間に合っているディフェンスを壊したのでは意味が通らない。

それはさて置き、マルケス前とマルケス後を比べていただくと上の話は明らかです。変わってセンターに入ったオレゲルはオリベイラのプレッシャーに負け多くのボールを失っておりました。
先週バルサの鍵はディフェンスのバックアップだと書いたのですが、オスカル・ロペス、オレゲルの控えではやはり苦しい。ゲームを組み立てると言う意味でもそうですし、フォワードの強いチームとの対戦にも不安が残る。

時は流れて後半、バレンシアで戦術的に興味を引かれたのは、80分のカルボーニ退場後。
ラッファ・ベニテスは、ディフェンスを右からアジャラ、ペジェグリーノ、クロ・トーレスとし、1−3−4−1−1で同点を目指しました。
裏に速いサビオラに対してペジェグリーノをセンターに置くのは危険な気がするのですが、「サイドはスピード、中央は読み」という思想から上の布陣を採用したものと思われます。

一方のバルセロナで戦術的に興味を引かれたのは、70分ジェラール投入後。
ライカールトの思惑としてはロナウジーニョを左、ルイス・ガルシアを右に大きく開かせ、その空いたスペースにジェラールが後ろから入り込む、予定だったと思われます。
が、結局ロナウジーニョは中に入りたがり、その関係上サビオラは左へ開かざるを得なかった。
チームを組み立てる思想として、選手の持つベクトルを先に考えるか、システム論を先に考えるか、二つの行き方があります。
選手の持つベクトルを先に考えるとは、一般に選手の特徴からチームを作ると言われる方法で、デル・ボスケのマドリー、グレゴリオ・マンサノのアトレチコなどがその好例であります。
一方のシステム論からチームを導く代表としては、正に今のバレンシア、そして在りし日のルイス・ファンハールが上げられます。
もしシステムを先に考えるならば、ジェラールの投入と同時に、ロナウジーニョをオーフェルマースに変えた方が良い。
ロナウジーニョはサイドで耐える性格ではない。
選手は監督の指示通りに動かねばならないのだが、そう出来ない選手もいる。
そのような選手を認めるか否か、監督を特徴付ける大きな要素である。
あまりにも選手に合わせ過ぎると「弱い監督」になってしまうが、選手の特徴を無視し過ぎてはチームが弱くなる。
ライカールトの特徴は、選手のベクトルよりシステム論優先、攻撃より守備、なのだと思うが、皮肉にも、その逆の行動によりバルセロナは機能する、と言うより現に機能している。
今後、彼の性格とチームの性格、どちらに沿ったバルセロナが見られるのか、注目されるところです。

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