名称:沈み込み (Preparacion)
定義:次の行動に時間を失わずに移るため、膝を軽く曲げ重心を落とす
効能:ボールの行き先がわからない状態において最も素早く反応しシュートへの時間をつくりだす
コツ:
1 両足に均等に体重を載せる
2 ボールの行き先がわからない状態では常にこの行動を行う
達人:ミヤトビッチ、ラウール
要するに、テニスプレーヤーがボールに反応する時のテクニックを真似します。
例えば、テニスでは、サーブやストロークに反応する時、相手のスイングモーションに合わせて体を沈め、しかる後にリアクションをおこします。
この場合、重心を軽く沈める準備行動を取り、地面からの反発を利用することにより素早い反応が可能となります。
ボールの軌道予想ができない場合、右にも左にも前にも後ろにも素早く反応できる体勢を取る必要があり、それはこの「沈み込み」動作によって実現されます。
また、この行動はネットスポーツにおいて普遍的に見られ、バレーボール、バドミントン等でも見られます。
これをいかにサッカーに利用するか。
1 ゴール前でのパスへの反応
2 ゴール前でのこぼれ球への反応
3 ヘディングでの競り合いからのこぼれ球への反応
以上の三点が主なものであろうと思われます。
まず重要なのはゴール前。
例えば味方がセンタリングを上げる場合、ほぼ間違いなくあるスペースにボールが来る確信があればそのスペースへ移動しながらボールを待ちます。
しかしながら、エリア内で既にフリーであり、足元へのボールを待っている場合にはこの準備行動を行うべきです。
これを実行することにより、
パスのブレに素早く反応できる
両足に体重をかけることにより、両足共にシュートに備えられる
初期状態を良くすることで、トラップ後のバランスの崩れを予防することができる
といった特典が得られます。
また、エリア内へのパス、シュートが敵の足に当たり、軌道を変えそうな場合もまた、この準備行動を行うべきです。
それにより、素早くこぼれ球に反応し、シュートを撃つことができます。
この技術が発揮された例は、97−98シーズン・チャンピオンズリーグ決勝、ユベントスvsレアル・マドリーにおけるミヤトビッチのゴールです。
右サイドからパヌッチの上げたセンタリングがペナルティエリアを抜け左サイドのロベルト・カルロスに渡る。
その左足から放たれたシュートはディフェンスに当たりペナルティーエリア内でルーズボールとなる。
そして、ミヤトビッチは誰よりも早く反応し、エリア内フリーでシュートを撃ち試合を決めた。
あの場面で、ミヤトビッチは二度沈み込みを行っています。
一度はロベルト・カルロスがシュートを放つ瞬間、二度目はボールがディフェンスに触る瞬間。
あの何気ない二度の沈み込みが、誰よりも早くこぼれ球に到達することを可能にし、敵ゴールキーパー・ペルッチィを打ち負かす時間的余裕を生みだしたわけです。
ペナルティーエリア内で絶好のボールが来たにもかかわらず、片足に重心が載っていたためにシュートを撃てなかった、もしくは、ボールへの反応が遅れた、このような場面は、スペインリーグでも多く見られます。
この点を改良するだけでも、多くのゴールチャンスをものにできます。
練習法1
これを一人で練習するのは難しいので、二人以上で行います。
以上の配置で、プレーヤーはコーチにロビングボールを出します。足で出せない場合は、手で投げてもかまいません。
コーチは手でそれを左右上下前後適当に弾き、選手はそれに素早く反応し、ボールを回収してシュートへ向かいます。
ボールがコーチの手に触れる瞬間にはスピードを落とし、沈み込みを忘れずに実行して下さい。
練習法2
ロビングボールを二人の選手の頭上に上げ、ヘディングにより競り合います。
ボールを上げた選手は前進し、こぼれ球を回収し、シュートへ向かいます。
最初、ヘディングをした選手はこぼれ球を追いかけず、回収役にボールを任せます。
ボールが頭に当たる瞬間、忘れずに沈み込みを行って下さい。
試合での応用
キーパーが弾くシュートに対して沈み込みを行う
ディフェンスがギリギリでハイボールをクリアする場合沈み込みを行う